腕組み。
知らない内に半殺し…静也は危険人物なんですね…
「あれ?そぉすると…傷害罪とかで訴えられたりしないよね?」
「あ…うん…無いとは言い切れないかも…でも、空手の有段者が相手だから、そぉはならないと思うよ?」
「う〜ん…なら良いけど…」
と、歩いていたら。
「よぉ〜!!お二人さん!!見せ付けてくれるなぁ!!」
って、後ろから声をかけられた。チンピラに絡まれたかな?
僕が振り返ると…
「なんだ…鈴木君かぁ…びっくりさせないでよ…」
「悪りぃ悪りぃ。あまりにも仲が良さそぉだったからからかってみただけだよ。」
と、少しも悪びれずに、鈴木君が僕の隣に来た。
「で、何を話してたんだ?」
「えと…なんて云うか…学校での事を少しね。」
と、答えたら、鈴木君が僕の左腕に気付いたみたいだ。
「ふぅ〜ん…ソレはそぉと、その腕はどぉしたんだ?」
と、ギプスについて聞かれた。
「あぁ、コレは…なんて云うか…蹴られて折れたんだよね…」
ちゃんと説明してあげる。
「なに?どこのドイツで何処に居る!?」
「えっ?いや…良く知らないけど…」
と、僕が答えると、
「学校の同級生で、今は病院に居るハズだよ。御堂くんが殴っちゃってさ…」
と、水野さんが饒舌に話し出した。
「えっ?ちょっ!?」
僕の制止も意味が無く、
「確か…久田美久だっけ?あのメスブタが無い事無い事言いふらして、御堂くんを悪者に仕立て上げて、いぢめの対象にしよぉとしたみたいで、そのせいで空手の有段者に殴られたり蹴られたりしたんだよね…ま、御堂くんの傷は腕の骨折だけだったけど、殴った人は右手を骨折したみたいだし、飼った人はあとで御堂くんが半殺しにしちゃったんだよ。」
と、一気に捲し立てた。
「…と、なると…オレの出番は?」
「無いと思うよ?」
「そっか…ソレで…なんで御堂が半殺しにしたんだ?」
「ソレは簡単だよ。わたしが悪口を言われた…って御堂くんに教えたら、御堂くんが目の色を変えて…」
「差し詰め、攫われたお姫様を助ける勇者みたいな?」
「あはははっ!!そんな感じだよ。」
と、鈴木君と御堂さんが仲良く話している…なんかモヤモヤするんですけど?
「御堂?なに不貞腐れてんだよ?あっ!!そっか…心配すんなよ。何もしないからさ。」
「んな!?なんの事!?」
いきなり鈴木君が肩を組んで来てそんな事を言った。何の事だよ?
「うふふ、御堂くん、大丈夫だよ。御堂くんを除け者扱いとかしないから!!」
って、水野さんが僕の右腕に絡み付いて来た。
「ちょっ!?あの…二人共、何の事だよぉ?」
「ん?あぁ、気にすんなよ。それより、久田はどぉすっかなぁ…」
と、鈴木君は僕から離れて少し考えてる。
水野さんは、僕の右腕から離れない…嬉しいけど、なんか歩き難いな…
「久田には手を出さない方が良いよ?」
僕は注意してあげる。
「ん?なんでだ?」
「変な病気が感染るとイケ無いからさ。」
「変な病気?」
「うん、淋病持ってるよ?」
「まぢか!?」
「まぢ。」
あ、鈴木君、少し引いてない?そりゃ引くかぁ…
「まぁ、色んなヤツとヤリまくってるって噂だったからなぁ…」
「ソレは少し違うよ。」
「そぉなのか?」
「うん、売春してただけだから。」
「売春って…そっちのが悪いんぢゃねぇのか?」
「そぉなの?」
僕が問うと、何故か水野さんが答えてくれた。
「そぉだよ!!そぉ云う事は好きな人とだけするべきなんだから!!」
うわっ!?いつにも増して力強いな…あっ、そっか…過去の言葉が有るから…
「うん、僕も基本的にはそぉ思うよ。」
と、水のさんに同調しておく。ま、水野さんが、よしんば無理矢理でもされてたとしても、僕は白い目で見る事は無いけどね。
と、いつもの分かれ道に来た。
「ぢゃぁな、二人共、今日は佐藤も高木も学校休んでたんだよなぁ…」
「何かあったの?」
「二人共風邪引いててな。オレも今日はゆっくり寝よぉかと思ってんだ。ぢゃぁな。」
「うん、またね。」
「二人にも早く元気になる様に伝えてて下さいね。」
「はいよぉ〜」
と、鈴木君と分かれた…分かれたんだけど…
「えと…水野さん?」
「ん?どぉしたの?」
「いつまでくっ付いとくのかな?」
「イヤなの?」
「イヤぢゃ無いけど…少し恥ずかしいかも…」
「そのくらい我慢して欲しいなぁ…」
って、上目遣いで見られると…
「…はい。」
としか言えなかったよ…
そしてウチの近くに来た時、あれ?前から歩いてくるのって…
「うわぁ〜…スッゴい美人…」
と、水野さんの目を奪ったのは…母さん!?
「結構年増に見えるけど?」
「ダメだよ、御堂くん!!あぁ云う美人さんにそんな事言っちゃ!!」
って叱られちゃったよ。
「良いんだよ僕が言う分には怒らないから。」
「いやいや、誰に言われても怒るよ!?」
と、話してたら目の前に来て、
「あらあら、静也、仲良さそぉにしてるわね。」
「うん、クラスメイトの水野翔子さんだよ。水野さん、コレ、僕の母さん。」
いきなり話しかけて来た母さんに驚いていた水野さんは、母さんだと紹介したら、慌てて僕から離れて、
「えっ!?あの…水野翔子と云います!!御堂くんとは同じ学校で…あの…その…よろしくお願いします!!」
って、勢い良く頭を下げた。
「はい。こちらこそよろしくね。静也と仲良くしてくれてありがとぉ。母の彩音です。」
と、母さんは水野さんの手を取り、ガッチリ握手をする。
「はい!!よろしくお願いします!!」
と、元気良く、水野さんも挨拶していた。
「そぉだ、静也。」
「ん?なぁに?」
「母さん、ちょっと買い物して帰るから、時間が有ったら水野さんをウチに案内してあげてくれるかな?」
「えと…ソレは本人に…」
「はい!!お邪魔します!!」
って、即答ですか!?
「そぉ?何か嫌いなモノとか有るかな?」
「特には…」
「そぉ?なら少し家で待っててちょぉだい。」
「はい!!」
って、水野さんは制服のまま、ウチに来て、母さんが帰って来るまで、二人で宿題をする事にした。
なんかモヤモヤする静也君…なんでモヤモヤしてたんでしょ?




