半殺し。
上書きかぁ…うん、オレも誰かにして欲しいなぉ…
「ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
「お粗末?最高のお昼だったんだけど?」
「あら?ありがとぉ。少し、自信が持てたよ。」
「少し?めっちゃ自信持って良いんぢゃ無いかなぁ?」
「お世辞でも嬉しいわ。」
お世辞ぢゃ無いんだけどなぁ…水野さんは謙遜してるだけかな?
お昼ご飯を、頂き、教室に戻ると…
「御堂!!ごめん!!」
と、僕を蹴り飛ばした…誰だっけ?名前知らないんだけど…
「いきなりどぉしたの?」
僕が問うと、
「蹴った事…」
「えっ?もしかして謝罪しただけで済むと思ってるの?」
「えっ?」
「骨折してるんだけど?普通に傷害事件でも有るんだけど?」
と、ここで初めてこの男を鑑定してみた。
[芦田誠三、十五歳、高校生、空手二段。]
空手二段!?普通に攻撃したら殺人未遂ぢゃ無い?
「あ…いや…そのうん、騙されてたから…」
「そっかぁ…騙されてたなら暴力も振るって良いんだね?」
僕がそぉ言うと、
「ねぇ、御堂くん…わたし、芦田くんに悪口言われたんだよ?」
「なんだって!?」
「尻軽のメスブタなんだって…」
そぉ聞いた瞬間、僕の頭の中が真っ白になった。
「御堂くん!!そこまでだよ!!ウソだから!!今のウソだから!!」
と、水野さんが必死に僕を止めて来た。
「えっ?そぉなの?良かったぁ…」
「もぉ…いきなり何してんのよ…アレ見てみなよ。」
と、水野さんがが、指差す先を見てみる…
ソコには、血反吐を吐き、口が変な方向を向いてる…誰だこれ?
[芦田誠三、十五歳、高校生、空手二段。正義感が強く、曲がった事が大嫌い。弱い者いぢめが大嫌い。]
芦田かぁ…どぉしたんだろ?
「彼はなんであんななってるの?水野さんがしたの?」
違うと解ってても一応聞いておく。
「んなワケ無いでしょ?それより誰か、病院に連れて行ってあげないの?」
教室を見回したけど、誰も動か無い。友達っぽい、相田を介抱してた人も知らんぷりだ…スゴい友情だね。仕方無いなぁ…
僕は芦田に肩を貸して、保健室に向かった。当たり前の様に水野さんも着いて来ている。
ま、その方が僕も嬉しいけどね…また襲われるかもだから…
「失礼しまぁす。」
がらがらがら…引き戸を開け、保健室に入る。
「あら!?御堂君!!私に会いに来てくれたの!?」
「違います。出来れば二度とお目にかかりたく有りませんでした。この人が怪我したみたいなんで連れて来ました。」
「あら残念…」
と、吉高先生はチラリと水野さんを見る。
「…ボディガードが居るのね…そんなに警戒し無いで、仕事はちゃんとするから。」
と、芦田をベッドに寝かせてやると、診断し出した。
「ぢゃぁ、僕達はコレで。」
と、保健室を後にする。
水野さんは保健室に入る手前から「かるるるるるるるるぅ〜」と威嚇しまくりだったのが可愛かった。
「あんなに警戒しなくても…」
「ダメだよ!!女はアマゾネスなんだから!!」
「そんな、男は狼みたいに言わなくても…」
「言うわよ!!まったく…御堂くんは甘いんだから!!」
「甘いって…今まで、女性に相手にされた事無かったくらいだし…そんな僕に本気で興味持つ女の人なんて…ぇっ!?」
ギヌロって効果音が付きそぉな勢いで睨まれた…なんで!?
「無自覚ヤローめ…」
って呟いてるけど…何が無自覚なんだろ?
考えても解らない事は考えない方が良いよね。
そんな感じで、教室に戻ると、空気がこれまでと全く違うんだけど…どぉしたんだろ?
「あちゃぁ〜…流石にコレは、わたしでも引くわね…」
クラス中から一歩どころか、十歩くらい引かれた目で見られている…何が有ったんだろ?
と、そんな事を思ってたら、チャイムが鳴り、午後の授業が始まる。
そして、放課後…
「ねぇ、みんなの僕を見る目が変なんだけど…なんで?」
僕を蔑んだり、疎んじる目では無く、畏怖と畏敬?そんな感じなんだけど…
前の席の人…[御久津晴人]か…その人に聞いてみた。
「えっ…?あ…いや…その済みません…」
って何故か謝られた。
「いや…そのこの雰囲気の意味が解らないから教えて欲しいんだけど…」
「えと…あの…御堂君がした事に…その…」
めっちゃしどろもどろだな…コミュ障さんなのかな?
「御堂くん、御久津くんが困ってるよ?何を言ったの?」
と、水野さんが声をかけて来た。
「えっ?あぁ、このクラスの雰囲気が朝と今とぢゃ全く違うから、どぉなってんのかな?って…」
「あぁ…それは…うん、帰りながら教えてあげるわ。」
「そぉ?」
水野さんが現れた事で、御久津君はそそくさと教室を出て行っていた…「また明日。」とか有っても良いと思うんだけどなぁ…
僕と水野さんは連れ立って帰途に着く。
「…で…あの空気は何だったの?」
「ん?あぁ…それね…御堂くんは憶えてないの?芦田くんの事?」
「芦田君?僕を蹴って骨折させたんだよね?」
「あぁ…それも有るけど、謝罪された後の事…」
「ん?水野さんに悪口言ったんでしょ?許せないよね…」
僕は怒りを憶えた。
「えとね…それはウソなんだよ?」
「えっ?」
「うん、ウソなんだ…ソレでね…芦田くんをボロ雑巾みたいにしたのが、御堂くんなの…」
「えっ?」
「御堂くんが芦田くんを殴り付けたの…その上で上から踏み付けまくってたから…」
なんだって!?衆人環視の中僕が殴り付けた!?あまつさえ、踏み付けまくったって!?
暴力反対なんだけどなぁ…
「うん、ソレはありえないよ。僕は暴力とか嫌いだからさ。」
うんうん、有り得ないよ。僕が暴力を振るって、人をあんなに傷付けるなんて…
「わたしが、悪口を言われたって言った瞬間から、御堂くんの目付きが変わって…内容を言った瞬間、御堂くんが動いて、芦田くんを殴り付けたのよ?」
が〜ん…衝撃の事実だ…僕が暴力を振るったのか…水野さんんが嘘を吐いて無ければ…だけどね。
授業内容は割愛させて下さい。作者は学がありませんので…




