男のサガ。
久田は心を壊さないのか?
写真が加工だろぉが何だろぉが関係無い。これは完全に僕達に対する宣戦布告になっている。
とは云え、久田の携帯電話に写真付きでメールが送られて来ている事を考えると、あの写真は本物と見て間違い無い…となると、坂下当太には何人か以上の支援者、協力者が居てもおかしくない…想定以上に組織立ってるのか…
そぉなると、これ以上警察が絡むのは一般市民への被害が大きくなるだけだ…
って云うか、僕は元々警察を頼るつもりは無かったワケで…
「久田、送られて来たメールのアドレスは登録されて無いんだよな?」
僕はなんでも無い様に努めて、久田に聞いてみた。
「はい…恐らくは、父か母のスマートフォンから私のアドレスを見ての事かと思われます。」
メール画面を見たら、意味の無いアルファベットと数字と記号の羅列のアドレスだったから、解るのは相手の端末の契約会社程度だ。それだけで身元が解るとは思えないけど…
それにしても、久田はもっと取り乱しても良い写真の内容だったんだが…
「その…両親については何か思わないのか?」
こんな気軽に聞いて良い内容では無いと思うんだが…
「私の忠告を無視して警察に相談して、要らない被害を出し、静也様にご迷惑をお掛けしたのです。死ぬだけでは許されませんわ。」
…いや、悲しいとか怒りとか、そんなの無いのかよ!?
いや、少し涙の跡が見えるな…
人並みには悲しんだ後って事かな?
「…そっか…だったら、坂下当太への罰はどんなのが良いと思う?」
久田に問うてみた。
「静也様の御心のままに。」
こんな罰を…ってのは無いのか…なんか寂しさすら感じるね…あれ?そぉ云えば…
「解った。それはそれとして、久田って、どっかのマンション住みだよな?」
そぉ、近くではあるだろぉけど、ウチみたいな一軒家ぢゃ無いだろぉ…親の仕事の関係で、引っ越しとかしなくてはならなくなる可能性も有るし、僕の進学先に因ってはストーカー並に着いて来る事も考慮したら…
「はい。御堂家を遠くから見守れる場所の最上階に有りますが…?」
それが何か?とでも言いそぉだね…
「両親があぁなって、一人ぢゃ寂しく無いか?」
少し僕の気も迷ったのか、そんな事を聞いていた。
「…寂しく無い…特に何も感じないと言えば嘘になりますが…どぉでしょぉ、まだ実感が有りませんので…」
久田がそぉ感じてるならまぁ良いかな?
相変わらず教室は騒しいんだけど、その中心は侵略者では無く…
「もぉ〜…ホントにビックリしたんだよ?」
「そぉそぉ、いきなりあんな凶悪な人達の前に出るんだもん!!」
翔子さんが女子生徒達にもみくちゃにされていた。
さっきの行動は事情を知らない人達にしてみれば無謀な蛮勇にしか見えてなかっただろぉ。
「ほんそれ!!翔子が飛び切りの美少女ぢゃ無かったら、蜂の巣ならまだしも、汚い男共の汁に塗れてたかも知れないんだよ!?ちゃんと自覚してる?」
あれ?なんで宮乃杜まで責めてるんだ?
「…それ、遠回りに自分が超絶美少女って言ってない?」
翔子さんがワケの解らないツッコミを…
「なるほど、前に出て無事なら美少女と云うなら、翔子さんの後に出て行った境子もそぉだと言ってる様なモノですね。」
おぉ〜!!そぉ云う事か!!流石女同志!!変な所で意気投合してるね…とは云え…
「…で、ソレって何か意味が有るのか?」
僕は久田に解説をお願いしてみたら、
「うふふふふ、御堂様は愛されている…そぉ云う事ですわ。」
愛されている?誰に?
「…あれは、マウントの取り合いですわね。あんなのは可愛いケンカです。青春あるあるですわ。」
えと…あるあるなら良いんだが…
「お前は参加しなくても良いのか?」
あるあるなら参加して楽しむのも有りだと思うんだが…
久田は首を横に振り、
「今の私にはその気も資格も有りませんので…」
その気が無いだけなら解るが、資格ねぇ…何が資格なんだろ?
僕は隣の久田を見たけど、ソコを聞く勇気が湧かなかった…
「水野、その…ありがとぉ!!」
大声が聞こえてそっちに目をやると、相田が翔子さんに頭を下げてお礼を言っていた。
「…?何の事?」
翔子さんはワケが解らないって感じであたふたしていた。
翔子さんを見ていると、なんか小動物が戯れている様に見えてほっこりするなぁ…
「オレが逃げよぉとか言わなかったら皆んなを危険に晒す事も無かったと思う。一人の犠牲も出さずに何とかなったのは水野と宮乃杜のお陰だ。だからありがとぉ!!皆んなも済まなかった!!」
おぉ〜!!危険に晒した事に対する謝罪も、土下座付きで…ん?その角度のまま顔を上げたら…
「相田!!ダメだぁ!!」
僕の制止は意味を成さず、相田は顔を上げてしまった!!
そして、相田が顔を上げた先には、翔子さんの隣に居たクラスメイトが居て、角度的にスカートの中身が見えておかしく無い…
「んが!?」
相田は変な声を上げて、目が釘付けに…
相田の視線と表情に気付いた女子生徒はスカートを押さえ、後退りする。
「…み、見た?」
「バッチリと!!」
女子生徒の言葉に、相田は馬鹿正直に答え、ばっちぃ〜ん!!と強烈なビンタを貰っていた…
「我が人生に一点の悔いなし…」
お前はドコの世紀末覇者だ!?
相田は変な事を口にして真後ろに倒れたけど、その真上にもクラスの女子達が…
相田は女子達に蹴られまくっているけど、
「喜んでるから放っておいて大丈夫ですわね。ま、アレも青春あるあるですわ。」
久田はゴミでも見るかの様な視線を相田に向けていた…
両親の事が有ったのに、強いな…
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