勧めないで下さい。
侑がなんとか無事で良かったです。
僕がお爺様の家に着いたのは、夜が明けた頃だった。
「坊ちゃん、起きて下さい。家に着きましたよ。」
運転手さんに優しく起こされた。
「えっ?あれ?もしかして、僕寝てました?」
ヨダレは垂れて無く少し安心した。
「はい。出発して間も無くグッスリでしたよ。」
運転手さんはにこやかに教えてくれた。
「変な寝言とかも無かったてすか?」
もし、変な夢を見てて、変な寝言を言ってたら恥ずか死ねる…
「安心して下さい。何か言ってても聞かなかった事にしますので。」
うっすら笑みを浮かべ優しい目を向けられた。
多分何事か呟いていたんだろな…心遣いがありがたい。
「ありがとぉ御座います。出来れば忘れて欲しいのですが…」
僕は自分で何を言っていたか解らないけど、一応お願いした。
「忘れるも何も、何も聞いてませんよ。ま、思春期には良くある事です。」
ニンマリしないで欲しいな…ってか、バッチリ聞かれてるよ…
そんな会話をして、僕も車を降り、荷物を持って家の中に入り、朝食まで部屋で少し横になった。
「静也お兄ちゃん!!朝ごはんだよぉ〜!!」
彩奈のかしましい声に、うたた寝していた僕は覚醒し、
「はぁい。すぐに行くよぉ〜。」
返事をして、顔を洗い、食堂に行き、用意されていた席に座る。
「おはよぉ、水野さんの息子さんどぉだったの?」
僕が席に着くと母さんが質問して来た。
「うん。かなり酷い状態だったらしいけど、意識も取り戻して、怪我もほぼ完治してて、少し記憶が飛んでいたみたいたけど、今日中には退院出来そぉだって。だから僕だけ帰って来たんだ。」
僕は状況を説明した。
「ふむ、余り大事にはなって無かった様で何よりぢゃな。で、静也はあの娘に惚れとるのか?」
ぶぅ〜!?お爺様!?いきなり何を!?
「…えと…ノーコメントでお願いします…」
うっ…コレは絶対肯定だと受け取られたよね…
「静也お兄ちゃんはわたしの事が好きなんだよね!?」
隣に座る彩奈が、僕の服の袖をグイグイしながらそんな事を言って来た。
「そぉだね。この前、彩奈に嫌われたかと思って落ち込んだもんなぁ…」
僕はいぢめの時の事を思い出していた。
学校側も僕が一条の関係者だと知らなかった様で、誰もが見て見ぬ振りだった事を思い出した。
「一条の関係者だと知ってたら止めました!!」って言ってた教師が居たのには笑ったなぁ…
いぢめを認識してたんなら止めろよって思ったよ。
「あ、アレはおじぃちゃんを取られたと思って…」
彩奈は泣きそぉな表情でお爺様を見ていた。
「なんぢゃ彩奈?ヤキモチか?そんな心配せずとも、じぃじは彩奈が大好きぢゃぞぉ〜!!」
うん。お爺様…他人には見せられない程の満面の笑顔ですよ。
「うん。それはもぉ良いよ。今はお兄ちゃんからの愛が欲しいの!!」
ぶっ!?僕からの愛だと!?いや、そぉ云う愛ぢゃ無いハズだ!!妹として大事に…
「そぉだぞ親父!!彩奈は静也と結婚して、一条を継ぐんだ!!」
いや…継ぎませんよ?継ぐのは貴方の息子…洸一郎さんですよ?
「あら?いきなりね。洸一郎君はどぉなの?来年卒業よね?」
洸一郎さんは今大学生で、レポートに追われ、コッチに来れなかったんだとか…
「そぉなんだが…この前話したら、「オレは多分、その器ぢゃ無いよ?ま、静也の補佐なら出来るだろぉけどね。」と言言い張って聞かないんだ…」
ぶっふぉ〜!?洸一郎さん何言ってんの!?何年も前から僕は言ってたよね!?一条には関わら無いからって!!
「…だからと云って…そぉだ!!将来彩奈にお婿さんを迎えて…」
僕は一つの案を投げかけた。
「…洸一郎や静也より有能なヤツがそぉそぉ現れるとは思えんな…」
お爺様が僕の案を一蹴した。
まさか、僕を無理矢理にでも…!?
ま、そぉなったら逃げるけどね。
「ふむ…確かに…だが、何より彩奈が納得する程の者が現れるか…そっちの方が問題ぢゃよな…」
お爺様は彩奈の心を第一に考えているみたいだ。
「更に付け加えれば、彩奈の気に入った相手が、彩奈を気に入るかも重要ですね…」
龍一伯父様はそんな事を言うけど、彩奈は見た目も性格も可愛らしいから、気に入らないって事はほぼ無いと思う…多少わがままな所は有るけどね。
何にせよ、二人が彩奈の気持ちを一番に考えてるのが解ったから良しと…ん?何でお爺様も伯父様も僕を見てるんですか?
「…で、静也、遊ぶなとは言わないが、彩奈はどぉだ?」
伯父様?どぉだってどぉ云う意味でしょぉか?
「彩奈は…贔屓目抜きに、将来伯母様に似て、素敵な女性になると思いますよ。」
ふっふっふ…僕は関係無いですよ。って意味が伝わったでしょ?
「…ま、今はそぉ云う事にしておくか…」
伯父様は諦め切れない様だけど、お爺様は渋い表情だ。僕にその気が無いのが悩みって感じがするのは気のせいかな?
そんな朝食を終え、広大な山を家族で散歩した。
「で、静也は翔子ちゃんとの事、どこまで考えてるの?」
母さんがそんな事を聞いて来た。
「どこまで…って云われてもねぇ…憎からず想っているのは確かだけど、目の前の事だけで手一杯なんだよね…」
今は司法試験に向けての勉強と坂下当太にいっぱいいっぱいだ。
そして、散歩を終えて家に帰ると来客が…
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