伯父。
日本一のお金持ちの家ってどんななんだろ?
「ね、ねえ…静也くん?」
翔子さんが僕に話しかけて来た。
「どぉしたの?」
トイレかな?
「さっき門をくぐったと思うんだけど、山道に入っただけみたいなんだけど?」
あっ…そっか。門に着いた時、「もぉお爺様の家に着いたよ。」と教えたから、不思議に思ってるのかも…
「うん。くぐったね。」
門扉から先がお爺様の家の敷地になるからなぁ…
「まだ家とか見えないんだけど?」
やっぱり、僕の言い方が悪かったか…
「えと…この辺もお爺様の家の敷地になってるんだよね…だから家に着いたって言ったんだ。誤解させてごめんね。」
僕は素直に謝ってみた。
「えっ?既に敷地内!?門扉をくぐって十分は経ってるよ!?」
曲がりくねった道を走っているから、距離としてはそんなに走ってはいない。
「うん。この山の頂上に家が有るからね…春から秋にかけて、お爺様はコッチに居るから…」
何が楽しくて山に引き籠るんだか…
「えっ?ぢゃぁ冬は?」
うん。普通気になるよね。
「冬は雪の少ない市内に有る家に居るよ。仕事は何処ででも出来るからって…」
色んな方面に指示を出すだけらしいからね…実務は伯父様達に丸投げだし…
「うわぁ…スケールが違い過ぎて反応に困るわ…」
まぁそぉなるよね…貿易で儲かってる分のほとんどがお爺様に集中してるからね。
「ところで静也。」
お爺様が何やら話しかけて来たぞ?
「はい。なんでしょぉか?」
うぅ…緊張するぅ…
「その顔の怪我、しっかり仕返しはしたのか?」
えっ?そっちですか!?
「その件はじぃちゃんと話されてましたよね?」
確か、先輩を先輩として扱って無いとか何とか…
「うむ。聞き方が悪かったか…お前はそのまま流すのか?」
なるほど…僕からの制裁はしないのか…って事だな。
「そぉですね…現状彼等は警察や檻に守られてますから…何の罪も無い家族とかに何かするのも筋違いな感じがします。それに、この件に関しても黒幕が居る様に感じますので、そちらを調べ、黒幕にツケを払わせます。」
僕はお爺様の蛇の様な鋭い目をしたお爺様の目を正面から見据えて答えた。
「そぉかそぉか!!やはりお前も一条に連なる者ぢゃな!!その意気や良し!!何か手を借りたくなったら遠慮せず連絡して来い!!」
あっ!!正解だったみたいだ。良かったぁ…
「はい。その時は是非。」
僕はお爺様に頭を下げてそぉ言った。
そおしてリムジンはお爺様の家の玄関前に停まった。
「えと…これは…お高い老舗旅館か何かかなぁ?」
リムジンを降りてお爺様の家を見た翔子さんの第一声がそれだった…
「…まぁ、そぉ感じるのも仕方無いけど、お爺様は多忙で、来客も多く、このくらいの家が必要なんだよね…お客様の護衛の人とかも含めると、十人単位で来る事も有るから…」
どっかの大統領とか、皇室の方々とかをお迎えする事も有るらしいからね…
僕もその内お会いする事が有るのかな?
ま、時期当主は伯父様だし、従兄弟も居るから、僕が関わる事はまず…無いよね?
「ふわぁ…想像も出来ないわ…」
うん。一般人がいきなりそんな状況にはならないから安心して良いと思うよ。
「その想像は無意味だと思うよ。」
僕達の荷物は、メイドさん達がテキパキと整理し、運んでくれる…そして…
「親父!!何勝手に出歩いてんだよ!!まだまだ仕事が有るだろぉが!!」
お爺様に暴言を吐きつつ出て来たのは、現一条の代表取締役…伯父の龍一だ。
「龍一伯父様、ご無沙汰しております。」
父さんや母さん、翔子さんの御両親に続いて僕も伯父さんに挨拶をした。
「あ?静也…もぉ一度言ってみろ。」
殺気の籠った目で睨みながら僕にもぉ一度挨拶を求めて来た。
「龍一伯父様、ご無沙汰しております。」
僕は再び挨拶をしたが、伯父さんの目は更に怒りに満ちていた…
「誰が何だってぇ?」
うわぁ…如何にも暗殺者って感じで睨まれたぁ〜!!アレか!?アレが欲しいのか!?
「しよ、翔子さん…ココからの事は他言無用でお願いね?」
僕は翔子さんに注意事項を伝えた。
「えっ?うん…」
翔子さんの返事を受け取り、僕は改めて伯父さんに挨拶をする。
「龍一伯父さん!!会いたかったよぉ〜!!」
と叫び僕は伯父さんに抱き着いた。
「おぉ〜!!静也ぁ〜!!大きくなったなぁ!!正月は仕事で会えなかったけど、元気そぉで何よりだぁ〜!!」
伯父さんは僕を抱き止め、満面の笑顔で僕の頭をナデナデして来た。
「ところで静也ぁ?そちらのお嬢さんはお前のガールフレンドが?」
あっ…伯父さんの目付きが変わった!!
なんでか知らないけど、伯父さんは昔から僕の事を猫っ可愛がりしてたんだよね…
「えと…そちらの水野さんご夫妻のお嬢様で、僕ともクラスメイトで仲良くしてくれてる人で翔子さんと云います。」
僕は伯父さんに紹介した。
翔子さんは呆気に取られていたけど、僕の紹介で我に返り、
「み、水野翔子と云います!!よろしくお願いします!!」
と伯父さんに慌てて頭を下げて挨拶をした。
「う…嘘だろ?クラスメイトって事は同い歳だよな!?」
伯父さんは何処か不思議がっているけど、
「はい…そぉですけど…」
僕が答えると、
「ウチの彩奈と同い歳に見えるんだがぁ〜!?」
伯父さんの絶叫が山彦になって帰って来たのは云うまでも無い…
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