高木君の考察。
一人で出かけて大丈夫なのか!?
高木君達を待つのは良い。[神眼]を使うのも仕方無い。でも…こんな能力を使えると知られるのはやっぱりマズいと思うんだよなぁ…まぁ、高木君ならそれでも受け入れてはくれるだろぉし、悪用とかも考えないだろぉ。ただ、僕ならそんな能力を使える人を信用なんて出来ない…心が狭いと云われればそれまでだけど、コレばかりはなぁ…
説明するか否か…戸次君達には説明せずに使った方が良いとは思うけど、下手な事にならなければ大丈夫だとは思う…
僕には彼等に対する敵意とか、そんなのは無いから良いけど、それを信用して貰えるか…ソコが問題なんだよなぁ…
「よぉ、一人で何してんだ?」
「いやね…親友に能力を使っていいか悩んでるんだよ…悪いヤツに狙われる可能性が有って、その対策にね…ってダレ!?」
僕は考えに集中し過ぎてて、問いかける声に思ってる事を吐露してしまっていた。不覚!!
「能力?何の事だ?」
僕に声をかけて来た人物を恐る恐る見ると、そこには高木君が立っていた。
「…えと…はぁ…仕方無いか…今一人なの?」
いつも一緒に居る佐藤君と鈴木君が見当たらないんだけど…
「あぁ、飛鳥と弥生に会って、二人は連行されたよ。で、能力って?」
なるほど、だったら高木君になら話しても大丈夫だよね?興味津々って感じだし…
「実は、僕には超能力が有るみたいで…」
あのクソ不味いジュースの事は話さず、能力について話した。
今回使う能力は[神眼]だから、ソレについて…他にも有るんだけど、全部話すと日が暮れるからね…
「何だそりゃ?どんなファンタジー漫画だよ?それを信じろってのか?」
あっ…可哀想な人を見る目で僕を見詰めて来たぞ?
「…そぉ云う反応になると思ったから、言うかどぉか迷ってたんだよ。でも、高木君は親友だと思ってるから話したんだけど?」
僕の真剣な眼差しに、高木君は少し信じてくれたみたいだ。
「なら、百歩譲ってその話が本当だとして、それを証明出来るのかよ!?」
あまりに荒唐無稽な内容に、高木君は苛立ちを抑えられない感じだ。
「証明?そぉだなぁ…中学が崩壊した…それって証明にならない?」
半年以上前、僕達が通っていた中学は、教師達の不始末が原因で閉校した。その切っ掛けがいぢめだった事は、高木君も良く知っている。
「…アレって、お前の親父さんが動いたからだろ?」
そぉ、対外的にはそれで説明が着くんだけど、
「それぢゃぁ、吉田が証拠を持って警察に行ったのはどぉしてだと思う?父さんが動いたのは、その後だったんだよ?」
そぉ、時系列がおかしい事になるんだよね。
父さんが動いたのは、教師達が逮捕された後…少し考えれば、解る事なんだけどね。
「あっ…いや、でも…そもそも、そんな能力が有ったんなら、何でいぢめとか起きてたんだよ!?」
産まれつき持ってたなら、そんなの簡単に跳ね返せてたんだけど、実際には違う。後天的に身に付いたって感じだ。
「自殺…自殺しよぉとした事が有って、その時に解ったんだよ…あの廃ホテルで…」
自殺を切っ掛けに目醒めた…うん。三文小説みたいな流れだけど、事実ってそんな感じでしょ?
「いやいや!!オレは信じねぇぞ!!オレを騙して何を企んでんだ!?」
うん。そんな感じになるって知ってた。
「そぉ?ぢゃぁ、僕達が警察に表彰された時、帰り際に記者がどっさり居て、中々帰れなかったのに、宮乃杜が説得したら直ぐに居なくなったよね?」
目の前で起きた事なら信じられるでしょ?
「…あれは、あの娘が誠意を持って説得…」
僕は高木君の言葉を遮って、言葉を紡いだ。
「記者なんて人種がそんな安っぽい説得に応じるとでも思ってる?強姦自殺した女性の実家に押し掛けて、開かれたく無い傷口を麻酔無しで無遠慮に押し広げ、死ぬまで探るって人種だよ?」
僕の言葉に色々思い当たったみたいで、高木君は黙りこくった。
「…そんな人達が女子高生の一言で立ち去るかなぁ?」
高木君は少し考え、
「もしソレが本当なら、お前は世界を牛耳る事が出来る事になるんだが、お前はどぉしたいんだ?」
世界を牛耳る?考えた事も無いなぁ…
「そんな面倒な事しないよ。僕は父さんと同じ弁護士に成るんだから。そぉだなぁ…この能力を使って、犯罪者を更生させるとか良いと思うんだけどなぁ…」
僕の言葉を聞いて、高木君は、
「ぷっ!!あははは!!御堂らしい答えだな!!…それにしても、もぉ将来を見据えてるのか…」
なんか感心されちゃったよ…
「だ、だったら高木君はどぉなの?何かしたいとか、こぉなったら良いなぁ…とか、そんなの無いの?」
笑われて少し腹が立って、聞いてみた。
「…そぉだなぁ…強いて言えばいぢめが無くなれば良いとは思うな…ウチの学校でも有るくらいだし、お前も経験者だから解るだろ?いぢめは根絶やしにしたいのに中々無くならないんだ…」
おぉ〜?思って無かった返事が来たぞ?しかし、いぢめの撲滅かぁ…
「いぢめは、人間が動物である限り無くならないと思う…かなりの荊棘の道だよ?」
そぉ、人間が動物である限り、野生を残した人は、攻撃的になる事が有る。それに、ちょっとした事で他者を蔑んだり、身を守る為に他者を蹴落とす…当たり前の様に思えるけど、その皺寄せは特定の人に集約するのは歴史が証明している。
「へぇ…お前からそんな言葉が出るとはな…ま、それはまた考えるとして、お前はオレに何をしよぉとしてたんだ?」
おっ?話が戻ったぞ。
「そぉだね。能力で操られない様に…そんな感じかな?あの事件にも黒幕が居るみたいで、電話とかでも人を操れるみたいなんだ。だから、高木君達が操られない様に予防ってヤツかな?」
僕は何も裏は無いよと言わんばかりに笑顔で教えた。
「なるほどな…その黒幕が坂下だと言いたいのか?」
んな!?高木君からその名前が出て来るのか!?
「な、なんで…」
なんで解ったの!?そぉ言おぉと思ってたけど、高木君はニヤリと笑い、
「アイツ、目立たないクセに、なんかイヤな目付きしてたのが気になってたんだよな。なるほど…もしかして、お前のいぢめや久田の異変もアイツが絡んでたのか?」
高木君の目付きが鋭くなった。
僕は無言で頷き、肯定した。
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