何故か自己紹介。
じぃさんとか、結構下世話な人多いよね?
「ほっ!?静也の為にこんなに可愛らしいお嬢さん達が集まってたのか!?」
じぃちゃんは目を見開き、翔子さん達を見回した。
まぁ、四人共、普通以上に可愛いし、美人では有ると思うけど、じぃちゃんみたいに喰い付く程かな?
「はい。私はこっそり来よぉと思っていたのですが、この二人に見付かって、一緒に来てる途中で、この娘に会ってしまい、四人でとなりました。」
宮乃杜が、翔子さん、久田、滝上さんと見回しながらじぃちゃんに説明した。
「ほぉ?抜け駆けはダメとか、そんな所かな?」
じぃちゃんも、ニヤニヤしながら聞くな!!
「わ、私はそぉでは無く…あくまでも静也様のお役に立てればと思っております。」
言い切りやがった!!久田は何を胸を張って言ってるんだ!?
「ほぉ?静也の役にか…ソレは何故かな?」
じぃちゃんの目が厳しくなったぞ?
「はい。私は幼少の頃から、一条に尽くす様に教育を受けておりました。勿論、家がこの近くなのも両親の仕事で、彩音様の身辺警護もその一つです。その延長上、静也様のお世話を陰ながらするのが私の仕事では有りましたが、あの件で、静也様には恐らく嫌われていると思います。ですから邪魔はしたく無いのです…ですが、静也様ち近付く不埒な女は排除しなくてはならないのです!!」
ん?コイツこんなキャラだったか?なんか使命感とか、そんなのを感じるんだが…
「ほぉ?なら、キミは静也にはこれっぽっちも好意は無いと?」
じぃちゃんも付き合って質問とかすんなし!!
「ソレは…命に代えても静也様の平穏を齎したいと感じる程度には…」
おもっ!!重過ぎるだろ!?そんなのどぉでも良いから!!
「命に代えてもか…なかなか出来る事ぢゃ無いな…ま、覚悟だけは認めてやるが、一条の関係と云うのが気に入らん!!」
じぃちゃんも何処まで意固地なんだか…
「そっちの一人だけ制服が違う娘はどぉ云う関係なのかね?」
じぃちゃんが、今度は滝上さんに話を振った。父さんも、そぉ言えば、この娘は誰だ?みたいに見ているのが解る。
「えっ?あ、私は滝上瑞穂と云います。御堂さん…静也さんには危ない所を助けられまして…一目惚れでした!!」
滝上さんは顔を朱に染め、顰めっ面で絶叫していた…いや、ソレより…僕が滝上さんに一目惚れされてた!?そんな事は微塵も知らなかったぞ!!
「ん?危ない所?」
あっ、じぃちゃんは知らないのかな?
「えと…拉致強姦事件が多発してて、何故か警察が及び腰になってた事件が有ったでしょ?その時に知り合ったんだよ。」
僕の言葉に、じぃちゃんも父さんも思い当たる事が有ったみたいで、「おぉ、あの事件か!!」「アレは最悪の事件だったな…アレ、担当弁護士はツラいだろな…」と溢した。
「それで…君は?」
今度はじぃちゃんが宮乃杜を見て質問した。
「私は宮乃杜境子と云います。」
宮乃杜の名前を聞いたじぃちゃんは眉を顰め、
「宮乃杜…境太の関係者か?」
誰だそれ?僕は知らないんだけど?
「あ、はい。五年亡くなった父です。」
えっ?お父さんって亡くなってたのか?あっ、父に無理矢理されたって…まさか…小学生の時に!?
「そぉか…ヤツの娘さんか。ヤツは本物の神職者だったよ。ヤツの血を引いているなら、君にも隠された力が有るかも知れんな。」
ん?神職者?
「宮乃杜の家って、神社か何かなの?」
僕は気が付いたら聞いていた。
「お父さんの実家がそぉよ。お父さんは家を継いでは無いけど、お祓いの仕事をしていたわ。」
お祓い…なるほど、ソレで本物の神職者って表現なんだね。
あれ?そぉすると、そんな人が娘に手を出すとか考え難いか…となると…継父が…か?有り得るな。
ま、その事は僕が気にする事でも無いかな?
「へぇ、そぉなんだ。」
僕は興味を引かれたみたいに返事をした。
「…となると、そちらのお嬢さんが水野翔子ちゃんだね?」
じぃちゃんは翔子さんを見てニッコリ微笑んでいた。
「あ、はい。水野翔子です。」
翔子さんが返事をすると、
「うんうん。さやの若い頃にそっくりだ!!」
さや…ばぁちゃんの名前だ。じぃちゃんがお婆様の取り合いに負けた後、幼馴染だったばぁちゃんと結婚したってばぁちゃんに聞いたんだけど、お婆様とばぁちゃんは仲良しで、ばぁちゃんがじぃちゃんを好きだったのを知っていて、じぃちゃんぢゃ無くお爺様と結婚を選んだそぉで…
と、こんな事情はじぃちゃんだけが知らないんだよね。
じぃちゃんはご満悦みたいだけど、みんなはドン引きっぽいね。
「静也!!全員粒揃いだが、誰を嫁に貰うつもりだ?」
うん。気が早過ぎるよね。
「残念ながら、まだそんな事は考えて無いよ。」
僕は、一人ヒートアップするじぃちゃんを宥める様に、現状を教えてあげた。
「何ぢゃ?詰まらんな…いや…四人と付き合ってるとかか!?流石ワシの孫ぢゃ!!」
うん、そんな考え方で検事総長とか嫌だなぁ…
「「んなワケ有るかぁ!!」」
僕と父さんの声が重なり、じぃちゃんはしゅんとしてしまった。
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