またも病院へ。
檻の中のご飯は揚げ物が多いそぉで、消費期限ギリギリのモノを出されるんだって聞いた事が有ります。
最初こそ揚げ物に喜ぶらしいけど、それが続くとゲンナリするそぉな…
翌朝、留置所から出された僕は取り調べ室に連れて来られた。
ま、形だけでも取り調べをしたとする為なんだけど、そこでの会話は取り調べとは程遠い、感謝の言葉だった。
「いやぁ、御堂君達がアイツ等を追い詰めてくれて無かったら、ウチの娘まで被害に遭う所だったよ。数多くの被害者を見て来た分、手放しで喜んぢゃダメなのは理解しているけど、ほっとしているのも確かだ。改めてお礼を言わせてくれ。」
藤田警部補は、そぉ言うと僕に頭を下げて来た。
「あぁ…あの時の言葉が事実になる寸前だったんですね?何事も無くて良かったぢゃ無いですか。ソレを喜ぶのは人として当然ですし、警官だからと引け目を感じる事も無いでしょ?まぁ、被害者の事を思えば気は引けますが…」
あの時の言葉…初めて藤田警部補に会った時、お嬢さんが事故に遭わなければ良いけど…みたいな事を言った憶えが有った。
「ホントソレだよな。そぉそぉ、君のお父さんにもココに居る事を連絡してるから、今日中には何等かの動きが有ると思うよ。多分、署長の椅子に他の誰かが座る様になるだろぉさ。」
コレは、署長の挿げ替えが行われるだろぉとの見解なのかな?でも…
「そぉ上手く行きますか?あの署長の事だから、あの時一緒に来ていた誰かを人身御供にしたりしませんか?」
そぉ、組織のお偉いさんがよくする責任転嫁ってヤツだ。
「ソレは出来ないさ。何せ、あの署長は署内でも嫌われ者だから、誰も身代わりにならないし、もぉ君のお父さんに事の次第は伝えているし、こっちも報告書に全部書いてるからね。」
うっわぁ…警察の報告書って、公式文書扱いになるんだっけ?そこにちゃんと書いてるって…
「えっ?まさか、警察のメンツの為に僕を逮捕したって書いたんですか?」
まさかねぇ…
「あぁ、勿論!!写しも取ってるし、あの派出所で何が有ったのかも昨日の内に調べてるから、君の逮捕が不当逮捕だったって事も明らかになるし、多分クビは免れないんぢゃ無いかな?」
うわぁ…ぶっちゃけるなぁ…大丈夫なのかな?
「クビ…ですか…まぁ、善良な高校生に難癖を付けて不当に交流すればそぉなりますか…」
自分で善良とか言うとか、何様だよ?って感じだなぁ…
「いやいや、ソコは大した問題だが、クビにまではならないよ。ただ、君の立場がね…」
ん?ちょっと言葉を濁したな?僕の立場かぁ…
「ソレって、どぉ云う意味ですか?」
解らない事は聞くに限るよね?
「君の立場…一条の総帥の孫で、検事総長の孫だ。警察がトコトンまで責められても文句は言えないだろ?」
やっぱりそっちか…いぢめの中心人物だった吉村は死刑を求刑されて、教職員達は無期懲役を求刑されてたっけ?まだ裁判は続いているし、あの事件関連での自殺者は三人以上、反省してるとか、そゆなの関係無いレベルでの所業だと検察が訴えてたっけ?
相手の素性を調べずに事に及んだ結果とは云え、同情…はしないな。
「お爺様達を引っ張り出さなくても、父さんがトコトンまで絞ってくれるでしょ?」
そぉ、父さんが弁護した件はそのほぼ全てで望む結果を出している。しかも、事実の歪曲とか一切してない、誠実な弁護士としても有名なんだよね。
「…確かにそぉなるか…でも、この件では、警視総監も動いているらしいから、今日中に署長やその取り巻き、君達を勾留した派出所のヤツ等に逮捕状が出る可能性すら有るよ。」
ん?逮捕状って、そんな早くは出ないでしょ?色んな手続きが有るんだから…
「それは少し早過ぎませんか?」
僕は疑問を口にした。
「本当にそぉ思うかい?」
「はい。」
僕は素直に返事をした。
「君は頭は良いんだろぉけど、もぉ少し権力に付いて知る必要が有りそぉだな。」
藤田さんはニヤリと悪い笑みを浮かべた。
ソレからしばらく、取り調べと云う名の世間話をしていたら、
こんこんこんこん!!
と、慌てた雰囲気のノックがされ、昨日も見た若い刑事さんが入って来て、慌てた様子で藤田さんに耳打ちをした。
「…何?予想よりかなり早いんだが?」
藤田警部補はかなり面喰らった感じで聞き返していた。
「はぁ…警視総監からの命令だそぉで…」
と、何やら不穏な感じになったんだけど?
と、その時、ノックも無く、署長が入って来た!?
「貴様!!何をしたぁ!!」
がしぃっ!!
何でだろ?いきなり殴られて、
どんがらがっしゃぁ〜ん!!と僕は椅子ごと倒れてしまった。
いきなり過ぎて、[頑丈]が発動しなかったよ…
「いっつぅ…」
僕は殴られた左の頬を摩りながら起き上がろぉとするけど、そこに顔面目掛けて飛んで来た靴の裏が鼻っ柱に突き刺さる!?
鼻血ブー!!
「おい!!何やってんだ!!止めろ!!」
藤田警部補が叫び、署長を羽交締めにし、僕から離し、そのまま若い刑事さんに引き渡し、僕を助け起こしてくれた。
「大丈夫か!?いや、大丈夫ぢゃ無いな…取り敢えず病院に行くぞ!!立てるか?」
力強くも優しい手で、藤田警部補は僕を抱えてくれた。
そして、そのままパトカーに乗せられ、また病院に来てしまった…
署長の乱心はその日の昼のニュースで大々的に報じられたらしい…
情報の出処ろ?藤田警部補に決まってるよね?
何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。
質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。
罵詈雑言でも構いません。
お時間がありましたら他の作品「(仮)日本古武術の可能性」「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




