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乙女の危機。

現在では派出所では無く交番と表記すべきですが、時代背景を考慮して派出所と表記しています。

派出所の電話のベルが鳴って少しして、警官が一人入って来て、僕達に暴力を振るった警官に何やら耳打ちをした。


「な、なんだと!?そんな事有り得るのか!?なんでそんな事になってるんだ!?」


暴力警官は耳打ちされた内容に驚きと焦りを滲ませ怒鳴り散らしていた。


「あら?何か重大な事が起きたんですか?」


有賀さんは涼しい表情で、暴力警官に聞いていた。


「う、五月蝿い!!お前達には関係の無い事だ!!」


暴力警官は怒鳴り、何やら考え始めた。

多分、さっきの電話の内容が、思いもしない内容の電話だったと思うんだけど、その内容が解らないとどぉしよぉも無い。


「どぉします?言われた通りにしますか?」


暴力警官に耳打ちをした警官は、暴力警官に指示を仰いだ。


「…言われた事はしたと、報告だけしておけ…」


暴力警官は力無くそんな事を言っている。

様子見に来られたらどぉするんだろ?

そんな僕の心配を他所に、僕達への追及は夕方まで続いた。

その間に、昼食や飲み物は一切出されず、父さんからの差し入れも一切持ち込まれず、トイレにも行かせて貰えず、脂汗が出るのも仕方無く、僕は翔子さんの状態が気になっていた。


「まったく、強情なヤツ等だな?弁護士のねぇちゃんも付き合う必要もねぇのに、便所にも行かねぇでご苦労なこったな。」


暴力警官の取っている態度や僕達に対する自由の妨害は少々行き過ぎている。

翔子さんや有賀さんがお漏らししてない事が安心材料とか…

そして、暴力警官は僕達に見せびらかす様に、お茶を飲み、ご飯を食べ、コーヒーを嗜みしていた。「欲しければ、コチラの望む発言をしろ。」とでも言わんばかりだった終始、有賀さんが側に居て、首を振り続けてくれたお陰で、僕達は屈する事は無かった。

屈しはしなかったけど、便意はそこまで来ていた。


「ま、こっちも時間が時間だしな…」


おっ?帰らせてくれるのか?

そぉ思った瞬間が僕にも有りました…反省。


「逃げられてもたまったモンぢゃねぇからな…」


ガチャガチャガチャ…

暴力警官は手錠を用意し、僕達が逃げられない様に、机に固定しよぉとしていた。


「あのぉ…ソレは必要なんですか?」


僕は質問してみた。


「お前等は薬物を使っての殺人未遂をした凶悪犯だからな!!必要な措置だ。」


なるほど、確かにそんなヤツなら必要なんだろぉけど、


「そぉですか…でしたら彼女だけでもトイレに行かせては貰えませんか?」


ハッキリ言って翔子さんは限界だと思う。


「…仕方ねぇな…ココで漏らされても迷惑だからな…着いて来い。」


ガチャガチャ…

翔子さんの細腕に手錠をかけ、暴力警官は翔子さんを引っ張って行った。

まさかトイレが廊下を挟んで向かいに有ったとは。そして、


「おら!!早くしろ!!」


暴力警官の声が響く。


「ちょっ!?出て行ってよ!!まさか、そこで見てるつもり!?」


なんか翔子さんの逼迫した声が響いた。


「当たり前だ!!そのまま逃げるつもりだろ!!見ててやるから全部出しやがれ!!」


うん。コレは間違い無くアウトだよね?

暴力警官の声を聞いた有賀さんは迷わず部屋を飛び出し、トイレに向かった。


「ちょっと!!貴方は何をしているんですか!!」


有賀さんの怒声が響いた。


「逃げない様に監視してやってんだよ!!」


まさかとは思うけど、個室に一緒に入ってるんぢゃ…


「流石にそれは行き過ぎです!!彼女は無実なんですから!!」


有賀さんの声が更に大きなモノになって、ドンドンドン!!と何かを叩く音が聞こえた。


「おやぁ?弁護士先生が器物損壊でもするつもりなのかぁ?壊したら現行犯逮捕だぞ?」


ま、まさか、本当に個室で、翔子さんはあの暴力警官と二人きりぢゃ無いだろな!?


「いやぁ!!触らないで!!スカートめくらないで!!」


翔子さんの悲痛な叫びを聞いた僕は、そこで考える事を放棄してしまった…


わたし…水野翔子は、乙女の危機に直面していた。

昨日絡んで来た変な男に、朝から絡まれて、好きな人との幸せな登校時間を邪魔された挙句、警察官に連行され、近所の交番で事情聴取…

御堂静也くんが弁護士さんが来てから全部話したのに嘘を吐いていると言われ、夕方まで軟禁され、挙句、ご飯も飲み物も与えられず、我慢に我慢をしたおトイレにようやく行かせて貰えたと思ったら、個室に警官も一緒に入って来て、早く出せと言われるし、スマートフォンで撮影されてるし、スカートをまくられるし…わたしは堪らず悲鳴を上げた。その後、

バギィ!!

金属製の何かが壊れる感じの音が、隣の取り調べ室?から響いたと思ったら、

がしゃぁ〜ん!!どかぁ〜ん!!ばきばきばきぃ〜!!

けたたましい音と共に、男性と女性の声が上がる。


「おい!!止まれ!!公務執行妨害と器物損壊の現行犯だぞ!!」

「静也君!!落ち着いて!!」


どがん!!ばたん!!


「ぐわっ!!」

「きゃっ!!」


声をかけられたのは静也くんみたい…って事は、男は警官で、女性は有賀さんだっけ?

あのけたたましい物音は、静也くんに声をかけた二人が薙ぎ倒されたのかな?悲鳴も聞こえたし…


「なんだぁ?あの小僧、何かしやがったのか?まぁ、どぉでも良いさ。」


暴力警官はそんな事を呟きながら、ズボンのチャックを下ろし、見たく無いモノを出した。なんで膨れてるのよ!!


「ほら、お前はコレを鎮めるんだよ!!」


そぉ言い、暴力警官は、わたしの頭に手をかけ…バキバキバキ!!

トイレの個室のドアから手が生えて来た!?


「きゃぁ!?」


わたしは何に対しての悲鳴か解らない声を上げた。

ドアから生えた手は、暴力警官の胸倉を掴み、ドアに空いた穴から暴力警官を引っ張り出そぉとしていたけど、腕一本分の穴だ。警官の身体が入るワケ…

バキバキバキ…


「うがぁ〜!?」


うん。予想出来てた。あんな小さな穴に、大きな男が入るワケ無いもんね。

胸倉を掴まれた男は、自らの身体で穴を広げ、外に出された。

そこに残っていたのは、ドアだったモノの残骸だけだった。

そぉだ!!静也くんは!?

わたしは静也くんのしよぉとしている事に察しが付いて、


「『静也くん!!そこまでだよ!!わたしは大丈夫だから!!』」


わたしは警官を殴り付けよぉとしていた静也くんに向かって[神眼]の能力を行使していた。

何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。

質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。


罵詈雑言でも構いません。

お時間がありましたら他の作品「(仮)日本古武術の可能性」「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。

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