常識的に考えて。
警察の追求をどぉ乗り越えるのか?
有賀さんの言葉に、勢いを殺された警官は、それでも何とか僕達を犯罪者に仕立て上げたいらしく、
「そ、それでも、お前達が怪しいのは事実だ。だから、まだまだ事情聴取はするぞ?」
まだまだここに勾留されるんですね?
「それでしたら、学校に連絡しても良いですか?」
僕は休学の報告をしたいと思い、申し出たんだけど、
「それは認められんな。何をどぉ報告するか解ったモンぢゃ無い。」
いやいや…何をどぉって、変な事件に巻き込まれて、警官のエゴで学校に行けませんって、本当の事を言うだけなんだけどなぁ…
「それは看過出来ないですわ。彼等は巻き込まれただけで、貴方の言う内容には何の証拠も無く、彼等を不当に…」
と、有賀さんが反論していると、ピルルルルルル…と、電話が鳴った。有賀さんの携帯電話だ。
有賀さんが電話に出ると、
「…はい…えっ?はい。解りました。ソレではこの後は?…はい。了解しました。」
との声が聞こえて来た。何か仕事の話かな?
「所長が既に学校へ連絡してくれているらしいですよ。」
と、父さんからの電話だったみたいだ。
「そぉですか…あの…翔子さんの事は何か言ってましたか?」
僕は一番の懸念材料を聞いてみた。
「大丈夫ですよ。お嬢様の事も、学校とご家族の方に知らせてくれているらしいですよ。」
なるほど…コレで心置きなくこの言いがかり警官と向き合えるね。
「勝手に電話なんぞに出やがって…」
警官は歯噛みするけど、僕達は逮捕されているワケでは無く、あくまでも任意同行に分類されるワケで、そんな事を言われる筋合いは無いハズだ。
「さて、先程の話の続きですが、静也君達の状況が、通報を受けた時と変わらなかったとの事ですが、そこに一つの矛盾が生じます。」
ん?通報内容と同じ状態だと矛盾が起きるのか?
「何を言っている?通報と現場が一致したんだぞ?ドコがおかしいんだ!?」
いつの間にか、尋問を受けてるのが警官になっている事実に、警官も気付いていないな…
「まず、通報はどの様に受けたのかです。緊急ダイヤルで通報を受け、派出所に電話があったのか、直接通報者から派出所に電話が有ったのか、通報者が直接来たのか…いずれかだとは思いますが、どぉですか?」
まぁ、通報手段なんて、有賀さんの言った内容くらいしか思い付かないよね?
「直接派出所に通報者から電話が有ったが?」
警官は正直に答えてくれた。
「そぉですか…少しおかしな事だと思いませんか?」
ん?何がおかしいんだろ?
「どこが不自然なんだ?」
警官も同じ事を思ったみたいだ。
「普通、警察に連絡するなら、緊急ダイヤルに電話するとは思いませんか?」
あっ!!そぉだよ!!普通そぉするよ!!最寄りの派出所の電話番号なんて、そぉそぉ知らないし、調べて電話するより緊急ダイヤルのが確実だよ!!
「そんなもん、その人その人で違うんぢゃ無いのか?」
警官も引き退がらない。確かに、派出所とかに良く電話する人ならそぉするかも知れないけど、普通は無いよね?
「百歩譲ってそぉだとしても、ココから現場まで五分程の時間経過が有ったと仰いましたが、通報時と寸分違わない状態で居た。これが一番おかしい事ですよね?」
あっ!!そぉだよ!!何で不思議に思わなかったんだ!?
五分も有れば、犯人なら逃走出来るし、そぉで無くとも警察や救急に通報出来るぢゃん!!
警官の言う通り、僕達が犯人なら、五分もその場に留まってる意味が無い!!そんな大事な事を何で主張しなかったかなぁ…
「ふん!!そんなモンあの倒れた子を観察していたの一言で済む話だ!!」
うわっ!!この警官…バカなのか?
「ねぇ、静也くん…」
なんだ?翔子さんが口を開いたぞ?
「なに?」
「あの警官、ひょっとして、誰かに操られてるとか無いかなぁ?」
と、翔子さんは、僕が思い付きもしなかった事を言って来た。
確かにその可能性も有るよね?
僕はコッソリ[鑑定]を使ってみた。
[坂上庸一、四十六歳、未婚。職業・警官、巡査。後輩婦警への性暴行が発覚し課長から巡査への降格処分を受ける。今は功を焦り、誰でも良いから逮捕、起訴を目論んでいる。]
操られてるとかは無いみたいだけど、警察手帳を持ってちゃイケない人種だと思う…
「操られてるとかは無いけど、冤罪でも何でも逮捕、起訴して、手柄が欲しいみたいだよ。」
僕は小声で翔子さんに見た内容を伝えた。
「んな!?なんて傍迷惑な…」
翔子さんは呆れて一言で切って捨てた。
うん。その気持ちは良く解るよ。
「ふん!!そんなモノ、捜査の撹乱を狙っての事だ!!だが、オレは騙されんぞ!!」
見た情報から、推測すると、何がどぉあっても、僕達がリーゼント君をどぉにかしたって事にしたいみたいだね。
「捜査の撹乱ですか…彼等の持ち物検査はしましたか?彼等が犯人だとすれば、何かしらの薬物の痕跡が有るのではないですか?」
確かにその通りだね。薬物を使用したなら、衣服や手等にその痕跡が有って然るべきだ。
ま、調べられて痛む腹は無いから良いけどね。
そんな会話をしていたら、派出所に電話のベルが鳴り響いた。
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