毒舌。
静也君は絡まれるの好きなんでしょぉか?
「うん。なんか知らないけど、絡まれちゃってるけどね。」
僕は声をかけて来た人物、高木君に返事をした。
「あっ?御堂に絡んでるだぁ?」
一緒に居た鈴木君の目が一気に殺気を孕んだ。
がすっ!!
佐藤君がいきなりオールバックを殴り飛ばしていた…
いや、ホントいつも手が早いんだよなぁ…
「ちよっ!?佐藤君!?いきなり殴って…」
僕が注意したら、
「コッチのヤツは前に見た事有るし、ここで御堂に絡むとか、ソイツくらいかなぁって…」
「確かにそぉだけど、相手にも言い分が有るでしょ?僕が何か気に障る事をしたのかも知れないぢゃん?」
「御堂がそんな事するワケねぇだろ?なら、言いがかりでしか無い!!だろ?」
「確かに彼等とは面識無いけど…いきなり殴ったら正当防衛ぢゃ無くなるよ…」
まったく…後で何か言われても知らないからね?
「えと。確か前に会った事有ったよな?コイツ等、オレの同中で、昨日連絡が有って、手助けして欲しいみたいな事だったんだが…」
相田が説明してくれた。
「ん?コイツ等、三城のテゴぢゃね?」
鈴木君がそんな事を言った。
三城?誰だろ?
「あぁ…なるほどな。入学式で高木にケンカ売ってボコられてた三城か!!」
「三対一でケンカ売って来て、高木がつい手加減忘れてたヤツだよ。」
佐藤君と鈴木君の話から、彼等が狙ってたのは高木君達って事か…バカだなぁ…
「…って事は…コイツ等、オレとお前等をブツけ様としてたって事か…戸次に頼ったけど断られたって所か?」
相田の考えは恐らく正解なのかも…ソレで、僕達に絡んだのも、僕達を人質に、高木君達を…って所か…バカだなぁ…
「…だとすると、オレ達とヤるのか?」
高木君が相田にそんな事を聞いて、相田は間髪入れずに、
「んなバカな事するワケねぇだろ。他人のケンカに加勢する程暇人ぢゃねぇし、お前達は御堂のツレだろ?有り得ねぇな。」
相田は僕達をそこまで友人として見てくれてるのか…中々良いヤツかもね。
「…とか言いながら、前に静也くんに半殺しにされたのがトラウマだったりして?」
翔子さんが僕の黒歴史を持ち出してケラケラ笑ってるけど、
「…それも無いとは言わないけど、そんな言い方しなくても良くない?」
相田は少ししょぼんとして力無く反論した。
「ちょっ!?ソレって御堂がキレたって事か!?」
「水野さん、そこんトコ詳しく!!」
佐藤君も鈴木君も喰い付かないでくれ!!
そして、翔子さんも嬉々として説明しないの!!
また僕の黒歴史に新たな一ページが…
「…さっきの水野さんの話ってホントなのか?」
高木君は相田に詰め寄っていた。
「めっちゃ本当だよ。久田美久って女が嘘八百で御堂の悪い話をいっぱいしてて、クラス全員…水野だけは違ったけど、嘘話を信じてて、その頃かな…松本も一緒になって御堂を殴ったりしてて、その流れで御堂の左腕も怪我させて…そんな御堂を水野が庇うもんだから、つい水野に暴言を吐いたら、御堂がブチギレて、そのまま半殺しに遭ったよ。」
相田ぁ…ドコまで説明してんだよ!?泣くぞ!!
「水野さんの悪口を言ったなら、御堂が怒っても仕方無いかもな…」
何やら意味有り気な高木君の言い回しに、
「全くだ。学校でもいちゃいちゃしまくりだしな…」
そんなにいちゃいちゃしてないぞ!!
「そこんトコ詳しく!!」
って、高木君が聞く気マンマンで相田に詰め寄った…
みんなゴシップ大好きなんだな…あんまりそんな話をされたく無いんだけど…
「あっ!!吉岡ぁ〜!!お前等ぁ〜!!」
がずっ!!
いきなり誰かが走って来て、僕を殴り付けた。
僕は無意識に、殴って来た拳を頭で受け、更に[頑丈]も使っているから無傷だけど、相手はそぉぢゃ無いみたいで、僕を殴り付けた右拳を庇い、僕から距離を取った…
「「おい、三城ぉ…誰のダチに手を出したか解ってんだろぉな?」」
あれ?高木君と相田の声が重なったぞ?しかも、二人揃って三城って呼んだおデブなリーゼントの胸倉掴んでるし…
「えっ?えっえっ!?ちょっ!?相田まで!?オレとお前の仲だろ!?」
何だ?相田ってこのおデブと仲良しなの?
「あぁ!?オレとお前の仲だぁ?同じ中学だったってだけだろぉが!!」
相田は高木君に目配せして…がずっ!!
胸倉を掴んでた二人が同時におデブちゃんの顔面を殴ってるし…
「ぐげっ!!」
おデブリーゼント君はカエルが踏み潰された様な声を上げて、数歩後退りその場に尻餅を着いた。
「中学の同級争いぢゃ、戸次達の分は引き分けになるけど、コイツ等で負け確定だな…」
相田が高木君に苦笑いをしながら話しかけていた。
「いやいや、コッチにも久田…は心を入れ替えたっぽいけど、クズなのは同じだし、松本とかも居るしな…嘘に踊らされてたって事を見ても、コッチが負けだろ…」
高木君も苦笑いしながら、「イヤイヤ…」「いやいや…」って、二人で謙遜し合ってるし…意外と気が合うのかな?
「そっちも話終わった?」
翔子さんが鈴木君と佐藤君に僕の黒歴史を話終わったのか、コッチに来て、僕の右手を取り、話しかけて来た。
「うん…なんか知らないけど、この人達は高木君達と仲が悪くて、相田を使ってケンカするつもりだったみたいだよ。」
翔子さんにココでの出来事を簡単に説明した。
「ソレでわたし達を襲って返り討ちとか…この人達バカなんだね…」
翔子さんの素直な感想に、その場の全員の声が重なった。
「「「「「うわっ!?しんらつぅ〜!!」」」」」
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