ケンカ。
水野翔子はヒロインになるのか!?
その日の帰り道、電車を降り、近所にある工業高校の近くの公園を横切る。
「おらぁ!!次はドイツだこらぁ!!」
「何人でも連れて来やがれぇ!!」
「もぉ終わりかこらぁ!!」
と、元気の良い、聞き憶えのある声が…
僕がその声に釣られて、そちらに行こぉとすると、制服の裾が掴まれる。
「ちょっと御堂くん!?何をするつもり!?」
「ん?えと…見物?」
「いや、あのね…どぉ考えてもケンカしてる最中よ?」
「うん、そぉだね。」
「解ってて行くの!?」
「うん、多分だけど…僕の知ってるっぽい声だしね。」
と、言って、そのケンカの現場が見える位置に来る。
うん、やっぱりあのケンカをしてるのは僕の友達だ。
「やっぱり…あの三人は元気良いなぁ…」
「…知り合いなの?」
「うん、中学の時の友達だよ。」
と、話していた時、多くのエンジン音がして、複数のバイクに四輪車が…時代遅れの改造が施され、絶滅危惧種の特攻服…暴走族ってまだ絶滅して無かったんだね…
「ねぇ、流石に危ないわよ!!逃げた方が良く無い?」
「僕一人なら平気なんだけど…うん、水野さんは危ないね。」
「イヤイヤ…御堂くんも危ないわよ!!」
と、僕は水野さんに引っ張られ、ハヤシの奥に連れて行かれる。そして、大通りに面した所のベンチに連れて来られた。
「あんな人数が居たら、流石にワタシの神眼も役に立たないわ!!」
「そぉなんだ…だったら…水野さんはそのまま帰った方が良いかもね。僕は友達が危険なのを知っててそのままってワケにはいかないから…」
「危険よ!!流石に…」
「大丈夫、ボクはケガをしないから!!」
と、僕は水野さんをその場に残してさっきの所に行く、
高木君達が大丈夫なら何事も無かった様に立ち去る予定だったんだけど…やっぱり多勢に無勢…コレは流石に見過ごせ無いよね…
僕は制服を脱いで、学校がバレない様にして、
「わぁ!!卑怯者がこんなにいっぱい居るなんてスゴいなぁ…」
と、その場に歩いて行った。
「あぁ〜ん?てめぇはなんだぁ?死にてぇのかぁ?」
って、僕より頭二つ大きな人が凄んで来た。
「臭い息をかけないでくれるかなぁ?」
「てめぇ!!死刑確定だぁ!!」
がしぃっ!!
「うぎゃぁ!!」
大男は僕に殴りかかったせいで腕を骨折したかな?
「カルシウム足りて無いのかな?」
僕は大男を思い切り蹴り上げた。
大男はサッカーボールみたいに飛んで行く。
やばっ!!生きてるよね?
吹っ飛んだ大男はピクピクしてる。うん、生きてるね。
「んな!?なんだてめぇは!?」
「殺すぞこのヤロー!!」
「囲め囲めぇ!!」
と、生きた化石達は僕を標的にした。
「わぁ!!卑怯者らしくたった一人を寄ってたかって攻撃するつもりなんだね!!良いよみんな纏めてかかって来て!!」
と、僕は出来る限り生きた化石達を煽り、攻撃して貰う。中には金属バットやナイフなんかも…三人があんなモノで攻撃されてなくて良かったよ…
がすっ!!ばきっ!!どすっ!!ざくっ!!
「「「「「うぎゃぁ〜!!」」」」」
僕を全力で攻撃して来た人達は、自分の手足を骨折したり金属バットを弾かれたり、刺そぉとして自分の手を切ったりして、悲鳴を上げていた。
「なぁんだ…みんな栄養足りて無いんだね?ちゃんとした食生活してるのかい?」
って誰も聞いちゃいない…ただ蹲って痛みに耐えているだけだ。
自分から攻撃して来たんだから仕方無いよね。そして、僕は一番手近な佐藤君を羽交い締めにして殴ってる人の所に行くと、産まれて初めて人を殴る。
どごっ!!
って、人体同士のぶつかる音ぢゃ無い様な音がした。えと…生きてるよね?
「ほら、その人から手を離しなよ。尻尾巻いて逃げるなら追わないからさ。」
「な…ナメやがってぇ!!」
って、ナイフち滅茶苦茶に振り回して来る。ソレを右腕で受ける。
ま、受けたのは相手の手首で、刃の部分は当たって無い。
そして今まで僕が一番痛かったタマタマ蹴りをする…軽くだけどね。
こん…
って、それだけで昏倒する感じだ。うん、その痛み良く解るよ。
「佐藤君!!大丈夫!?」
僕の声に佐藤君は首をコクコク動かすのが精一杯だった。
そのままそこに置いておいて、次は鈴木君だ。四人に囲まれて一方的にやられてる。
その内の一人に必殺技の七年殺しをする…所謂カンチョーだね。
「んがぁ!?」
ま、いきなりヤられたらビックリして振り返るよね?
そして、その隙を、鈴木君は見逃さず、後頭部に一発すっごいパンチをしたけど、それだけだった。
殴られた方は多少痛かった程度で、他の三人に袋叩きになり出した。
しかし、鈴木君の眼はしっかりしている。そして、カンチョーした相手が僕を殴ったけど、
「うぎゃぁ〜!!」
って、多分拳を骨折したかな?
その時、鈴木君に向かってた一人が僕の前に立ち塞がった。
「てめぇ何なんだ!?」
「ん?キミ達が大勢でリンチにしてる三人の友達だけど?」
「だったらてめぇも敵だぁ!!」
って殴りかかって来た。
僕はソレを頭で受けた。
ごちっ!!ぐきゃっ!!
イヤな音がして相手の拳が砕けたのが解る。しかし、これまでの人と違い悲鳴を上げる事は無かった。
「大丈夫?」
僕は相手を心配してあげた。
その時、高木君が一対一で相手を倒し、鈴木君の加勢に向かい、一人を倒して、残りは僕の前の一人と鈴木君を羽交い締めにしてる二人だけに…って佐藤君が渾身のパンチを繰り出し、僕の前の一人を昏倒させて、佐藤君も倒れた。
「佐藤君!!大丈夫!?」
「あぁ、なんとかな…」
ソレから程なく、
「うおぉ〜!!」
「よっしゃぁ〜!!」
と、高木君と鈴木君が二人がかりで、最後の一人を昏倒させていた。
産まれて初めて人を殴った人は、人の硬さに驚きますが、御堂くんはそんなの感じてません。




