呼び出し。
やられキャラ、いきなり出て来て、さよぉなら。
アレから数日、僕達の生活は平穏に過ぎて行き、その日の放課後…
「あ〜、御堂、水野、久田、宮乃杜は後で職員室に来る様に。」
柴田先生に呼び出しをされてしまった…何かしたかな?
「何の用だろ?」
翔子さんの呟きと僕は同じ事を考えていた。
「心当たりは無いんだけどなぁ…」
そんな話をしていると、翔子さんの背後から、久田と宮乃杜が顔を出した。
「ソレはアレでしょ?アレしか思い付かないわ。」
「そぉね…アレしか考えられないわ。」
ん?久田と宮乃杜は何やら思い当たったみたいだけど…
「静也くん、解る?」
「いや…まったく…」
オレと翔子さんはまったく解って無かった。
「お前等、何やらかしたんだ?」
相田が話しかけて来たよ…メンド臭いなぁ…
「悪い事は何もしてない…ハズだけど…」
「そぉだよなぁ…御堂に限って、バレて困る様な事はしないよなぁ…しててもバレるハズが無いだろぉし…」
「…相田は僕を何だと思ってるんだ?」
「恐ろしく計算し尽くして動くフィクサー?」
「何だよそれ!?僕にそんな能力無いよ?」
「謙遜すんなよ。」
「してないわ!!」
などと、相田と話してたら、
「ほら、御堂くん行くわよ。」
後ろから宮乃杜に声をかけられ、椅子から振り向いた所で、真っ暗になった。
いや、夜になったとか、暗闇になって異世界に…とかって流れぢゃ無いよ?僕の顔が柔らかなモノに包まれて、視界を塞がれた…そんな真っ暗だ。
いや…この手の柔らかさは、何度か体験有るぞ!?でも…まさか教室で…
「あら?意外と見境無いのかな?」
僕が顔を上げると、僕の顔を包んだ幸せな柔らかいモノの持ち主、宮乃杜境子と視線が合った…焦るな!!焦るなよ!!相手が悪かったと思わせるんだ!!
「ほ、ほんなほほはひほ?ひはふひふはへはほ。(そ、そんな事無いよ?近過ぎただけだよ。)」
まだ顔が埋まってるから、上手く話せないや…
「何を言ってるか解らないわ?ちゃんと話しなさいな。」
むぎゅっと僕の顔を抱き込まないの!!
「はばびでふべばびばば?(離してくれないかな?)」
そんな遣り取りに気付いた翔子さんに何とか助けられたんだけど…
「くそっ!!うまやらしいヤツめ!!」
うん、相田は黙ってよぉか?日本語になって無いからさ。
「ふぅ〜ん…静也って、おっぱいなら何でも良いんだね?」
あれ?翔子さんの声に少し怒気が含まれてませんか!?しかも呼び捨てだし…
コレは言い訳しとかないと後が大変だよね!?
「ふ、不意打ちだったから…ソレに片手が使えなきゃ、振り解くのも無理だよ?」
僕は努めて冷静に、僕は悪く無いムーブをした。
「ふぅ〜ん…ま、そぉ云う事にしておいてあげる…今回だけはね!!」
ぷいっと外方を剥かれた。
あ、これ、完全に怒ってるヤツだ…後でご機嫌取りしないとなぁ…
「ほら!!境子も離れて!!静也くんが腐っちゃう!!」
「く、腐っ!?はぁ!?腐らないわよ!!」
「腐るよ!!わたし以外の女に触られたら腐るんだよ!!」
翔子さんと宮乃杜の言い合いに、久田も参戦して行った。
「いいえ、そんな無菌状態に置いておくのは返って有害でしかありません。静也さ…んは色んな女を吟味して頂かなくてはなりません。」
今、様って言いそぉになって無かったか!?油断出来ないな…
「んな!?久美まで…!?えっ!?なに!?わたし一人悪者なの!?」
あっ…翔子さんが取り乱してる…
「そぉではありません。静也さ…んには、色んな女を知って貰い、最愛の女性と結ばれて欲しいのです。あの事件までの私なら自分が隣にと言っていたでしょぉが、今の私では叶わぬ夢…あの呪縛が解けてからは異性との関わりは有りませんが、生涯このままでも良いとさえ思ってますよ。静也さ…んには色んな女を知って欲しいと云うだけの事です。」
ん?コイツは僕に無責任に女性経験を積めって言ってるのか!?ソレは流石にイヤだぞ!?
「あぁ…なんか解るかも…経験豊富な方がお互い良くなる事多いらしいし…」
おい!!宮乃杜!!便乗しないの!!
「う、うまやらしくなんて…」
相田は泣くなよ!!
「いや、かなりキツい板挟みなんですけど?」
実際、どぉ立ち回るべきか悩みまくりなんだよね。
「それすらうまやらしいんだよ!!」
「うまやらしいって…」
うらやましいと勘違いしてるんだろぉな…
「もぉいい!!ほら、静也くん!!行くよ!!」
「えっ!?あっ!?ちょっ!?」
僕は相田から強奪するかの様に、翔子さんに引っ張られて行った。
当然の如く、幸せな膨らみを右腕に押し付けられている。
…って、僕のカバンは!?後ろから呆れ顔の久田が僕のカバンを持って来てくれていた。
翔子さんのカバンは宮乃杜が持って来ている。
何だかんだとお世話してくれる二人に感謝だな。
何だかんだと職員室に入ると、柴田先生は教頭先生と密談中みたいだった…これは…もしかしたら雲行きが良く無いのかな?
「おっ?来たな。お前達に少々聞きたい事があってな…」
聞きたい事か…妙に気になる言い方して来るなぁ…
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