ワイドショー。
広告費、何の為に、使ってる?
その日の放課後…駅や電気店のテレビはこの街の話題で塗り潰されていた。
それもそのハズ、どのテレビ局も拉致強姦DVD販売の話題を取り上げていたからだ。
いや、NHKまで巻き込んで何を放送してんだよ!?
『先般、警察が動いていなかった事件で、大学生と高校生のグループが犯人確保に動き、警察と犯罪者グループの癒着を暴き、警視総監命令で捜査のメスが県警に入りました。関わっていたと見られる全職員にも厳しい沙汰をとの声が県民から上がっているそぉです。』
なんて報道がなされていて、号外新聞も配られていた。
いや、どんだけ手が早いんだよ!?
しかも、県警本部長が絡んでいたとの事で、警視庁の特別捜査班が既に動いていて、県警の幹部達が早々に逮捕されたとの報道一色になっていた。
いや、そんなの報道したら軽犯罪が増えるでしょ!?
『なお、県での犯罪抑止に他道府県警察や警視庁、自衛隊も動き、数万人規模で入県する事が決まっており、県民の安全確保に尽力するとの事です。』
お爺様…どんだけ強権発動させたんだ!?自衛隊まで動くとか、前代未聞なんぢゃ…
「うわぁ…なんか大きな事になってない!?」
「仕方無いでしょ?警察が率先して犯罪に加担してたんだから…」
「その通りです。ソレに…一条の関係者が被害者になりかけたのです。御当主様も怒り心頭でしょぉね…」
翔子さん、宮乃杜、久田は駅の緊急報道を観ながら、そんな事を言っていた。
うん、コレは僕達では解決出来なかった問題だよね…
そんな事を思っていたら、
「今回はこっちの負けにしておいてやるよ。まさかお前が一条の関係者だったなんてね…このお礼はいずれさせて貰うから、首を洗って待ってろよ?」
背後からそんな事を言われ、慌てて振り向いたけど、ソレらしき人影は見えなかった…いや、見えてても認識出来なかったのかも…まさか…能力者なのか?
「静也くん?どぉかした?」
「ん?あぁ、何でも無いよ。」
僕の異変に気付いたのか、翔子さんに心配されたけど、ここは流しておくに限るかな?
しかし、アレは誰だったんだ?声に聞き憶えは無いんだが…
ま、また何かしでかして来るんだろぉな…
翔子さん以外にも、宮乃杜と久田も僕を覗き込んでいる。
「と、どぉしたの!?」
「なんか怖い表情してるよ?ホントに何かあった?」
宮乃杜!!近いわ!!
「静也様、御無理は禁物ですよ。お一人で抱え込まないで下さいませ。」
泣くな!!久田!!流石にソレは卑怯だぞ!!
と、同級女子に心配されてたら、どん!!と背中に衝撃が!?
恐る恐る振り返ると…
「やっぱり御堂さんだ!!昨日はありがとぉございました!!お陰で私は無事ですよ!!」
背中に小判鮫みたいに張り着いて来たのは、昨日、拐われていた、滝上瑞穂さんだ。
「うわっ!!びっくりしたぁ…いきなり驚かさないでよ。」
「あははは!!ドッキリ成功した!?」
僕に抱き着いたままだから、幸せな柔らかいモノが二つ、僕の背中に張り着いてますが!?
意識しちゃ負けだな!!
「めっちゃびっくりしたよ…心臓が止まるかと思ったよ。」
「あははは!!元気なら良かったよ。所で…何でこんな可愛い綺麗な人達に囲まれてるんですか?」
滝上瑞穂さんは、翔子さん、久田、宮乃杜を見回していた。
可愛い綺麗等と言われたからか、三人は少し照れている様に見える。
「三人共、高校の同級生で友達なんだ。」
僕は無難な答えを返した。
「えっ!?この人も!?」
滝上瑞穂さんは、自分より背の低い翔子さんに抱き着きながらそんな事を言った。
抱き着かれた翔子さんは、滝上瑞穂さんを引き剥がしもせずに、
「そぉよ?何か変かな?」
と、眉をピクリとさせながら応えていた。
「変ぢゃ無いですけど…ここまで可愛い人って、テレビとかでしか見た事無くて…何食べたらこんなに可愛く育つんですか!?」
まぁ、確かに翔子さんは可愛いけど、歳下の娘にこんなに可愛いを連発されるとは思って無かったみたいで、少し棘を出してるみたいだ。
「可愛いのは産まれつきだから仕方無いでしょ?それより、あまりくっ着かないの。」
「えぇ〜!?持って帰りたいのにぃ〜!!」
うん、捨てられてる仔猫を見た動物好きな子供みたいな反応だな…
「わたしは、静也くん以外にお持ち帰りされたく無い!!」
って、何言ってるんですか!?僕は…あっ、ほぼ毎日ウチに来てるか…だったら今更かな?
「えっ!?しずやくん?もしかして、御堂さんの事ですか!?」
「そぉよ!!他にどんな静也くんが居るの!?」
「えと…静かな◯ドン?」
ドコのヤクザマンガを引っ張り出してんだよ!?知ってる世代ぢゃ無いだろ!?
「何よそれ?知らないわよ!!」
「えぇ〜!?名作中の名作ぢゃ無いですか!!何で知らないんですか!?」
いや…ホントに、中学生がどこで知ったんだ!?
そんな感じでわいわいしていたら、高木君達が合流して来た。
「御堂、なんか大事になってないか?」
高木君が声をかけて来た。
「うん…実はお爺様が動いて、色々と圧力かけたみたいなんだよね…」
「お前のじぃさんがか!?」
「うん…」
「あちゃぁ〜…そりゃ大事になっても仕方ねぇな…それで朝話してた内容に繋がるのか…」
「そぉ云う事だよ。まったく、お爺様も何を考えてるんだか…」
僕は心底呆れたけど、話の内容を理解していないのは、戸次君達だ。
「なぁ?御堂のじぃさんって、そんなヤバい人なのか?」
戸次君が佐藤君に聞いていた。
「なんだ?知らずに付き合ってたのか?まぁ、苗字が違うから気付かないのも仕方無いか…」
佐藤君は勿体ぶって言葉を濁した瞬間、鈴木君が横から続きを掠め取った。
「御堂の母ちゃんな。まだ三十そこそこで若作りな上にすんげぇ美人でな、その上仕事もバリバリ出来る才女で、あの一条グループ総裁の娘なんだわ。」
必要無い情報のが多くない?
「「「へっ?」」」
戸次君達の声が重なった。
「当の本人は気にせず付き合って欲しいみたいだから、オレ達も全く気を遣って無いんだけどな。」
「ま、いざとなったら戸籍すら無くなるレベルでヤバいヤツって事だな。」
うん。佐藤君も鈴木君も不必要な情報を撒き散らすのは辞めてよね?
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お時間がありましたら他の作品「(仮)日本古武術の可能性」「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




