爺さんのやり方。
大企業と弁護士の権力は警察をも動かせるか!?
翌日、翔子さんと登校中、いつもの公園で高木君達に会い、昨日の母さんと父さんの行動を伝えてみた。
「うっわあ…アイツ等、おじさんと彩音姐さんのダブルパンチを喰らう事になるのか!?」
高木君は心底イヤそぉな表情をし、犯罪者達に同情すら浮かべていた。
「ん?何だソレ?そんなに御堂の両親ってヤバいのか?」
ウチの事情を知らない戸次君が佐藤君に訊ねた。
「ん?あぁ…まぁ、御堂と普通に付き合ってる分には実害は無いから大丈夫だぞ。ま、実害所か恩恵すら有るから、お前等は知らない方がお得だと思うぞ。」
佐藤君、そんな意味深な言い回しは止めてくれるかな?
ほら、戸次君達が変な表情で僕の方を見てるぢゃん!!
「辺な言い回ししてんなよ。おじさんも姐さんも優しくて良い人なんだからさ。ただ、怒らせたら人生おしまいってだけで、何も問題無いだろぉが!!」
鈴木君は佐藤君の頭を叩きながら、更なる誤解を生みそぉな事を言っている。
ソレに釣られて、戸次君達は唾を飲み込んでいた。
「そんな表情して静也くんを見ないでよ。」
翔子さんがほっぺを膨らませて庇ってくれた。
女神か!?
「本気になったら、相田もボッコボコにしちゃうんだから!!」
いや、それ、フォローになって無いよ!?
「えっ!?相田が!?いやいや、ソレは盛り過ぎだろ!?アイツ空手二段だぞ!?」
「ウソぢゃ無いよ。わたしの悪口言った瞬間、静也くんが怒って、ボッコボコにしたもん!!」
もんって…可愛いけど、言わなくて良い事言ってるよ!?
「あの相田が!?」
「信じらんね…」
「あのガタイでとか、無理っぽいのに…」
ほら!!アレで居て、相田はめちゃくちゃ強いから!!戸次君達、引いてるから!!
「したら、左腕は何でギプスなんだ?」
戸次君が訊ねて来た。
「アレはワザと無抵抗で相田の蹴りを受けたからだよ。」
唇を尖らせ、ほっぺを膨らませ翔子さんは反論しまくる。
いやまぁ、その通りなんだけど、可愛いから止めなさい。
「翔子さん、その辺にしといて。急がないと電車に乗り遅れるよ。」
僕は時計を見せながら翔子さんに時間が無い事を伝えた。
「わっ!?もぉこんな時間!?急ご急ご!!」
翔子さんは僕の右手を取り、走り出した。全く、お子様みたいな所が有るなぁ…
「ぢゃぁ、詳しくは放課後にぃ〜!!」
僕は高木君達にそぉ叫んで、翔子さんに手を引かれるままに走った。
何故かみんなが笑ってるのが聞こえたけど気にしたら負けかな?
その後、駅で久田と宮乃杜と合流し、電車に揺られ学校に行く。
その日の朝礼で、
「あぁ…その…何だ。」
担任の柴田先生の話なんだけど…口調が変だぞ?
「先生!!どぉしたの?」
「不祥事でもバレたのかぁ?」
女子生徒に続き、男子生徒からも野次が飛んだ。
「うるせぇ、オレの不祥事ぢゃねぇ!!朝から下ネタになる様な話だから言い淀んでんだよ!!」
何だ?朝から下ネタなのか?
「えぇ〜?キモいんですけどぉ?」
女子生徒の野次に教室が笑いに包まれて、良い具合に場がなごんだかに見えた。
「ほら、静かにしろ!!知ってるヤツも居るとは思うが、オレも朝聞いて驚いた。この近辺で、拉致強姦事件が多発していたらしい。そして、その犯人グループの一部が逮捕されたらしい。しかも、警察がその犯人達に肩入れしていた節が有るそぉで、皆も充分注意してくれ。以上だ。」
柴田先生の話が終わって、教室がざわ付き出した。
ま、下手をしたらこの教室にも被害者が居ないとも限らないからね…
そして、あのサイトを開いて、
「多分コレだろ!!オレも気になってたんだよな…コレなんかモロこの学校の制服だしよ!!」
「なになに!?」
「うわぁ…ホントにこの学校の制服ぢゃんか!?」
「うわっ!?コレ書いてる内容、めっちゃグロいし引くんだけど!?」
男女入り乱れての大激論に発展していった。
「ねぇ、コレってもしかして…」
「うん、母さんの仕業だろね…直ぐに手を回すみたいな話だったし、お爺様が陣頭指揮を取るって夜に聞いたよ…」
「へぇ…お祖父さんって、こぉ云うの嫌いなの?」
「その辺に関してはかなりね…僕には伯父さんが一人で伯母が三人…孫の僕達は男が三人で女の子が八人って、女だらけの家系だからね…被害者と孫が重なったのかも…」
「うわぁ…いとこだけでも男の肩身が狭いね…」
なんて翔子さんと話してたら、
「なぁ、さっき柴田先生が言ってた事件って、戸次達が首突っ込んだってヤツぢゃねぇのか?御堂も関わってるって聞いたけど…」
と、相田が話に入って来た。
「そぉだよ。ヤツ等に襲われて、皆んなで捕まえて、警察に引き渡したんだけど、直ぐに釈放されてね。」
「おいおい、そんなのどぉすりゃ良いんだよ!?」
「そんなの簡単だよ。二度と犯罪を犯したくなくなるまで追い詰めれば良いんだよ。」
「どぉやって?」
「攫って人としての尊厳を奪えばかんたんだよ。」
相田に説明してたら、
「うわぁ…とてもマトモな人間の思考回路ぢゃねぇなぁ…」
って、また横からの男の声が…えっと…見た事は有るんだけど…誰だったっけ?
「マトモな人間は犯罪行為をしたり、入学初日にウソに振り回されて静也くんを殴ったりしません。ソレに、静也くんがその気になってたら、松田は生きてないからね?」
って、翔子さんが声を上げた。
あっ!!思い出した!!一番最初に僕を蹴ったヤツだ!!
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