取りあえず目先の事を
「少佐!」
リンドンの悲鳴のような声が響いたのは仕方が無い。
呆けた俺はキメラの触手に拘束され、今にもその大きな口の中に飲まれそうなのだから。
「お前、口が臭いよ。」
俺は正面の大砲でキメラの口の中に焼夷弾を撃ち込んだ。
キメラはグフっと咽るしぐさをした後、その場で爆発した。
俺のバーガスは勿論落下だが、リンドンとエマーソンが見捨てるわけはない。
俺は二人のバーガスに受け止められた。
「さぁ、砲台は死んだ。とりあえずキメラは難敵じゃない。一方的にこの基地を制圧占拠するぞ。」
「イアンとアシュレイが侵入口を作ってます。」
「さすが、ワッツさん。俺は必要ない位です。」
「では、前線から下がってこちらの車に乗りましょうか。そちらにニーアムを乗せましょうよ。」
「嫌ですよ。これは俺の大事なガラテアです。それに、ほら、お空に腐った目玉が大挙して現れた。」
「少佐がそれと遊びたいと?」
「そうそう。お家の中でね。」
「悪い人だ。」
俺よりももっと悪そうな笑い声をあげながらワッツは回線を切り、俺はキメラを撃ち落とし、あるいは牽制しながらマクベス達の作った侵入口へと移動した。
車両基地か倉庫に通じると思われるシャッターらしき一つは既に破られており、建物内から俺達に向けての掃射があり、俺達が中に入ることを牽制されている。
が、キメラたちにはバーガスに包まれている俺達よりも、機械化されていても生身の生き物の方が食欲が湧くのだろう。
キメラは俺達を押しのける様にして建物内に侵入した。
俺達はキメラを殺しつつ、先へと進んでいくだけだ。




