表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/42

余計な事

 昨夜は脱皮を利用した。

 共食いによって力を増したハルは、今までの古い皮を脱ぐことが出来る。

 ハルの要らない薄皮で生春巻き状態にした虫を焼夷弾で焼き殺したのは良いが、脱皮したばかりのガーディアンはしばらくは海水から出ることは出来ない。


 私は海の中に漂いながらカッツェ達を追っていたが、私の知らない間に港湾の人間達が様変わりしていた事には驚いた。

 彼らに一体何が起きたのだろうとぼんやりと眺めていると、やはり私の知らない不思議な展開が目の前で起きたのだ。


「あんなの、クラーケンじゃ無いわ。」


 ふわふわと上空に浮かぶ巨大な目玉は、クラーケンがイカだというのならば貝の形状だと言うべきであろう。


「あんなの、一体いつこの世界で生まれたのかしら。」


 首を傾げる私に、カッツェの大声が響いた。


「あれはエノクのキメラじゃないか!」


「まぁ、外来種だったら駆除しなければ。まずは邪魔な飼い主から。」


 私は触手の一本を硬質化すると、それを槍のようにしてカッツェ達を襲う砲台へと放り投げた。

 私の槍は砲台を貫き、次は外来種、と思ったが、そういえばカッツェと約束したのはクラーケンに襲われた際だと思い出した。

 それに、カッツェ自身があの外来種を倒す気満々なのだから、私が勝手をしてはいけないだろう。


 そう、勝手な判断はいけないのだ。

 昨夜はカッツェの言葉に私は泣きそうになったでは無いか。



 ――恋人も妻もいないのに、どうしてこれをくれたのかわからないって――。


「あぁ、ハルベルト。」


 今は泣いた。

 両手に顔を埋めて。

 彼が反旗を翻す行動を取ったのは、きっと私のせいなのだ。

 私が引きこもったのを、彼は私が幽閉されたと勘違いしたのだ、きっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ