表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の彼女の鞄の中は  作者: やゆよ
隠し事
54/58

僕は

「その子は私のことを見て、死体を盗んだ私を見て、ただただ笑ってた…」


りせちゃんは何年も前の衝撃的な事実を淡々と語る。なぜりせちゃんは、ここまで死体が好きになってしまったのか。


「ねえ…その男の子って…」


僕は固唾を呑んだ。


まさか、な。


すると、りせちゃんは、僕の腕の中からにょきっと顔を出して、僕を見つめる。


「ねえ…私…やっとあなたに会えた…」


りせちゃん…?


「なのにあなたは、何にも覚えていなかった…」


ねえ、待って、りせちゃん…


「ねえ…!本当は、全部覚えてるんじゃないの⁈」


「り、りせちゃん??どうしたの…?何か、勘違いしてない…?」


するとりせちゃんは、身を乗り出して僕の頬に両手を当てる。いや、どちらかというと掴むという感じだ。


「そう…そう…!そうそうそうそうそう!!!!!その顔!!!!!!その顔だよ!!!!!!


さすが私が恋い焦がれた、死体から産まれた子…!どこまでも私を夢中にさせてくれる…あの時お母さんを突き落としたのはあなた。確かに見た。この目で。私、見たの。

あなたと寝てると、いつもあの時の衝撃を思い出す…

体が叩きつけられる時の鈍い音、何かが飛び散る音、辺りの美しい血飛沫…ほら、その驚いた表情も、あの死体そっくり…」


「…」


「ねぇ、私のこともっと見つめて?

もっと愛してよ。

可哀想な飛び降り死体…はぁぁ…大好き…」


りせちゃんはそう言って、にやっと笑った。

鳥肌がぶわーっと立つ。


咄嗟にりせちゃんを突き放した。


「もう…!!なんなんだよ!!りせちゃんも僕のこと、疑うの…?りせちゃんだけは……僕が殺人なんかしないって信じてくれてたと思ったのに…お前もかよ!!!!」


「ねえ?なんで?私はあなたに会えてほんとに嬉しかったんだよ…?なのにどうして…隠すの?ねえ…?どんな気持ちでお母さんを殺したの?私に教えてよ?」


りせちゃんがゆっくり、ゆっくり近づいてくる。りせちゃんの笑顔。偽物の笑顔…僕の大好きな笑顔が向けられていたのは、僕じゃない。死体になった、僕のお母さんの面影…


「ねえ…!!!」


りせちゃんは僕の服の裾を掴む。


僕は恐怖で後ずさる。


が、りせちゃんはそのまま、僕に勢いよく飛びつき、腕で覆って抱きしめた。


「ねぇ!!!ーーーくん…!」





あれ?





僕の名前、そんなのだっけ…?



そういえば最近、誰かに名前を呼ばれた記憶がない。いや、だけど、名前を呼ばれずして生きていくなんてできない…




色の無かった記憶が、徐々に鮮やかになる…


〜〜〜〜


『ーーー!また、何か殺したの…?』


〜〜〜〜


『受付番号3番でお待ちのーーーさん。』


〜〜〜


『おい、ーーー。お前が母さんを殺したんだろ?』


〜〜〜


『ーーー!お前のせいで家族はめちゃくちゃだ!』


〜〜〜



『ーーー…!お前なんて…!産まなきゃよかった…!!!』



寒くて暗い夜。真っ暗な夜。強い風が吹く。


僕はベランダで、何かを見下ろしている。落ちていくのは…


ズキンッ。頭が痛くなる。


あれ?


え?


あれ?


あれ?


あれ?あれ?


あれ?あれ?あれ?


あれ?え?あれ?え?


あれ?あれ?あれ?僕、誰?


え?誰?

あれ?あれ?どうなってる?

え?あれ?誰?僕?どうなってる?

え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?

え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?僕?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?え?誰?あれ?あれ?どうなってる?え?あれ?誰?どうなってる?え?あれ?あれ?あれ?あれ?え?あれ?え?あれ?あれ?あれ?誰?僕?え?

ここまで書くのに、主人公の名前を呼ばないという縛りが1番大変でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ