失踪2
すみません、投稿順序を間違え、失踪2を先に投稿してしまいました。
失踪1は状況説明のお話なので、読まなくてもお話自体は繋がるようになっています。
混乱してしまった方、すみませんでした。
たくやの車で再び、星賀の家に着く。
…が、家は留守だ。居留守を使っているのかと思いきや、裏側から電気を確認してみるけれど本当に家にいないようだ。
それから1時間、家の前で待っていたものの星賀は帰ってこない。
「あいつ…どこでなにしてんだ…」
たくやが露骨にいらいらしている。
「俺、ちょっとコンビニ行ってくるわ…」
たくやは待ちきれなくなったのか、駐車場近くのコンビニに1人で行ってしまった。
また、何とも言えない静寂が車内に流れる。
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「ねえ、たくやくん…遅くない…?」
りせちゃんが不安そうに、ぽつりと言った。
確かに、もうたくやが出て行ってから20分経つ。1番近くのコンビニは…歩いて3分ほど…3分…?いくらなんでも時間経ち過ぎだろ…あいつ何してるんだ…?
みんなでたくやに連絡を入れる。電話やメール…駄目だ、全然連絡がつかない。不穏な空気が流れる。
「私、ちょっと、探してくる…!」
1人で出て行こうとするゆめさんを引き止める。
「いやいや、だめだよ!こんな夜に1人で行っちゃ…ただでさえゆめさんは疲れてるのに…」
「でも…お姉ちゃんみたいに何かに巻き込まれてるかも知れないし…」
ゆめさんがまた泣き出してしまった。不安で仕方ないんだろう。
「みんなで行こう。僕が運転するよ。」
たくやに変わって運転席に座り、例のコンビニに行った。だけど、たくやはいない…
その後近くのコンビニを3つほど回ったけど、たくやはいなかった。連絡も全くつかない。僕たちは少しずつ焦ってきた。
「確かに、今ここで行方不明になるとしたら星賀くんとかのはが絡んでるとしか思えない。誘拐されたのかな…だとしたら…うーん…これなら使えるかも…?」
いや、誘拐ってそんなナチュラルに出てくる言葉じゃ無いでしょ…けど、まあ今この場所で行方不明になるとしたらその可能性が高いだろう。
りせちゃんが突如携帯を開いて僕たちに画面を見せる。
「iPhoneを探す?あ、これ無くした携帯を探せるアプリでしょう?」
「そうそう。前、研究室で実験してたんだけど、その時に使ったの。もしかしたらまだ位置情報を起動したままかも…」
アプリを開けて電話番号を入力してみるが、それらしいポイントは表示されない。
「さすがにこれはダメだったか…でも大丈夫!!それは想定済み!本題はここからだよ。
まず私の、お父さんと連絡取る用のiPhoneを起動!位置情報を私と共有して…念のため、2人の携帯も登録するね。」
りせちゃんはささっともう1つの携帯を出して、僕たちの携帯を登録していく。その携帯を、大きな鞄から取り出した、今回の事件のものではない比較的大きな模型の中にねじ込む。ゆめさんが鞄越しにすごい顔で見ている。
「これはね、昔かのはがちょっとやらかしちゃった事件の模型なの!持ってきといてよかった♪」
「ねぇ…りせちゃんって危ない人じゃ…無いよね…?」
ゆめさんが心配そうにりせちゃんを見つめる。いや、今更だけどね…
「大丈夫だよ!私は人を殺したりはしないからね。安心して。」
そう言いながら、模型に携帯をねじ込んで、さっと形を整える。いや、全然フォローになってないわ。けど、ゆめさんはなんか納得してるし…まあ、いいか…
「で、これからかのはに電話をかけます。ゆめちゃん、ちょっと声と携帯、借りていい?」
「え?うん。いいけど…」
りせちゃんが僕たちに作戦を説明する。
僕は作戦の一環で、りせちゃんに指定された駅に、さっきりせちゃんが作った携帯入り模型を持っていく。怪しまれないように、ビニール袋に包んだ模型…
駅の緑のロッカーに模型を入れて、料金を支払う。印刷されるパスワードをチェックして、りせちゃんたちのもとに戻る。
「いい?大丈夫だね?さっき言った通りに…作戦決行だよ…?」




