自己紹介はさっさと済ませよう!
自分でも何書いてるかわかりません(キリッ)
ここは洞窟の中。
……と言っても、そんなに深くは続いてないから『洞穴』と言った方がしっくりくるだろうか?
……そんなことはさておき……
「……ったく、嵐からのスタートかよ……。これで15回目だぞ……。」
久々の『獲物』だ。
「近くに洞穴みたいなとこがあってよかった。まぁ、機械が風邪なんかひいたらびっくりだけどな!」ハッハッハッハッハ
真っ黒なローブをかぶった男だ。背丈的には十代後半ぐらいか?
だとしたらとっても食べごろだ。これでしばらくは空腹には困らないだろう。
早く、こっちに……!
「……ん?……んー……何か落ちてるな……」
よっしゃ!気づいた!
こっちに足音が近づいてくる。
私は岩陰に身を潜め、そばに置いた金貨に『獲物』をおびき寄せる
……という作戦をただいま実践中。初めて成功した。
「……これは……何かのコインか?」
男はしゃがんで金貨を確認している。
まんまと私の罠にかかり首を差し出している状況だ。
その首もらったぁ!!
私は岩陰から飛び出し、心の中で盛大に叫びながら『獲物』のうなじに向かって剣を振り下ろした。
スカッ……
……が、『獲物』の首を斬り落とすことなく岩の地面に「ガチン!」と音をたてて終わった……。
「……え?あ、アレ?」
突然目の前から『獲物』が消えるというあまりの出来事につい、声が出てしまった。
一体全体何が起きたのか考える間もなく、
ムギュ……
尻尾に激痛が走った。
「いっっったぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
「う…うぅ〜尻尾が……私の尻尾が……」
涙目になりながら尻尾を撫でている私の前には、作戦の失敗を物語るように、さっきの真っ黒ローブの男が胡座をかいている……。
「どうやって避けたんだ?」だとか、「なぜ、私がいるとわかったんだ?」だとか、訊きたいことはたくさんあるのだが……
「まぁ、どおりで生命反応があると思った。」
…………。
……どうやら最初から私の存在は気づいていたらしい……。
……だんだん自分が馬鹿らしく思えてきた……。
私が自分の馬鹿さ加減に自嘲してると、
「……そういや、せっかく会ったんだし名乗っておこう。」
そう言うと男はローブのフードを脱ぎ、顔をあらわにした。
「オレは、リドリー兄弟1番目、ゼロ•リドリーだ。」
水色の髪に紫色の瞳、どことなく人形のような、作られたような顔立ちをしている。
そして何よりも印象的なのは、フードをかぶっていたとき「絶対そんなのなかった!」ってツッコミたくなるような紫色の『角』が頭に二本上に向かって伸びていた。
どう見ても『「人間」じゃない』です。本当にありがとうございました。
「……まさか、自分から名乗り出るとは思わなかったわ……。」
「『相手の名を訊く時は、まず自分から』というのが礼儀だろう?」
な、なんと礼儀正しい……
ゼロと名乗った男は「そちらは?」と促すので、
「……ヴェルよ。見ての通り、上級悪魔の『大悪魔』よ。」
「ふーん。お前『大悪魔』なのか。」
「ふーんって何よ、ふーんって。それにあんたは種族何なのよ?『人間』ではないってことはわかるけど……」
「ん?オレか?オレは……」
するとゼロは立ち上がり、首元のボタンのようなものをはずして丁寧にローブを脱いだ。
「うわダッサ!」って言いたくなる派手な服とマントも十分目立つが……また「絶対そんなのなかった!」とツッコミたくなるデッカイ『翼』と多少機械的な『尻尾』があらわれた。
「この通り『ドラゴン』だ。『機械(アンドロイド)』でもあるが……」
・・・。
なるほどそれなら角の形状にも納得が……
って違う、そうじゃない。
「ド、『ドラゴン』……?」
ちょ、ちょっと待って、え?『ドラゴン』?『ドラゴン』って言った?
『ドラゴン』なんかと戦ったら、いくら『大悪魔』の私でも普通に負けるよ。あっさり死ぬよ。喰われるよ!
私ホント何してんだろ?『ドラゴン』に思っきり喧嘩売っちゃったよ?
『人型のドラゴン』もいるって聞いたことはあるけど『今』それに当たっちゃいます?
それに私今お腹がものすごく空いててフラッフラで……
あ……(察し)
これ私……オワッタ\(^o^)/
「……まぁ、『ドラゴン』っていってもそんなドラゴンらしいところはないが……ってどうした?ヴェルさん?」
ど、どどど、どっどうしよう……これ、私は一体どうすれば……
「おーいヴェルさーん?大丈夫ー?」ポンッ
「ヒィィイイイ!!!」ビクゥゥゥ!!!
「うおぁ!?」
いきなり肩に手を置かれて驚いてしまった。そして私は迷いもなくすぐさま土下座の体勢になり……
「い、いやぁ、驚かせてすまなk……」
「申し訳ございませんでしたぁ!!!『ドラゴン』様だなんて知らなかったんです!!!『悪魔』の分際で『ドラゴン』様に喧嘩を売ってしまい本当に申し訳ございませんでしたぁ!!!なんでもします!!!本当になんでもしますので命だけはぁ……」
「…………。」
もうダメだ……おしまいだ……あぁ……もっと楽しい人生送りたかったなぁ……
「それは、オレの弟には言わない方がいいぞ……。アイツだと「服脱げ」とか言いそうだから……」
「ふ、服ですね!?分かりました!今すぐぬg……」
ガシッ!
また肩掴まれた。
さらば……我が人生……
「今のはオレが悪かった……。なんでも言うこときいてくれるならまず、落ち着け。」
「は、はは、はいぃ……」ガタガタ……