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超絶の二重人格(ジキルハイド)  作者: トロリン
6/10

第6話〜プロテクター

すいませんでした。活動メッチャサボっていました。

7月21日の午後1時半を過ぎた頃、俺と兄貴は『ダークマター』を潰してずらかろうとした時、後ろに早希がいた。

「おい、何でお前がここにいるんだよ?」

「あの…その……」

あんたを心配しに来たんだ…だなんてとても恥ずかしくて言えなかった。

「いいからとっとと言え!」

俺の怖い目を見た早希は怯え始めた。そしてとうとううずくまって下を向いた。それから目から雫が一滴ポタッと落ちた多分目の前にある真っ赤に染まってるバラバラ死体と恐ろしい目をしてる俺を見たせいだ。

「おい、島、どうすんだよ。」

「どうって…」

俺はこうして女の子がうずくまったり泣いた時の対処法なんて知る訳がない。一応空と付き合ってはいたが、彼女は泣かない気の強い奴であったから泣いたとこなんて見たことがない。

「とりあえず家まで送ってやるか。それからアレを処理するか」

「そだな」

その後、萩谷を呼び出して、俺達は萩谷に早希を家まで運んでもらった。


2時ジャスト。アレが打ち上げられた。


それからしばらくたち2時25分頃、ついに『プロテクター』が衛星軌道上に乗った。俺達は人があまりいないと思われる羽田空港旧整備地区に来た。

「ここなら誰にも見られずに、宇宙までひとっ飛び出来そうだな」

こんな時でも兄貴は有り得ないくらい冷静なのである。

「早く行かないのか?」

「待て、そう焦るな。計算したところ今は『プロテクター』は三重県上空にあるらしい。もう少し後から出発するぞ。」

「流石だなぁ」

とりあえず俺達はそこら辺に座ってタバコを吸った。というのもこの東京という街は日本とは別の国である為日本の法律は何も通用しないのである。つまりこの東京にはまともな法律は存在しないのだ。だから俺達は未成年でも稀にタバコを吸うのだ。

「お前さ、早希だっけ?何でアイツがお前の事を追いかけてるのか分かるか?」

確かに、昨日も今日もアイツはいた。なんなんだろうと感じた。

「知るか。自殺でもしたいのか?」

「ンな訳ねェだろ。お前の事が心配なんだよ。」

おいおい、あの女も心配性なのかよ。空と似てるじゃねェかよ。

「でもよ、アイツが俺を心配する理由なんてなくねェか?」

「理由なら分からんけど、多分、お前の事をいい奴だと思ってんじゃねェのか?」

「何でアイツが俺の事をそう思うんだ?」

「そもそも、お前はアイツらが、お前ん家に押しかけて来て、その時にアイツと初めて会ったんだろ?」

「そうだけど…」

「アイツらはダメ元で仮住まい出来るか聞きに来たんだよ。でも、お前は普通にOKを出した。それが、メチャメチャ嬉しかったんだよ」

「そうだったのか?」

「俺はそうだと思うだけだがな。それでその恩を返したいんだと思ってお前を心配していると思うんだ。俺は」

「そうだったのか。後で追い返した事、謝った方が良いのかな?」

「好きにどうぞ、あくまで俺はお前の兄貴だからな……そうこうしてる内にもうすぐ静岡上空してると思うな。」

「んじゃそろそろ行くか」

俺達は右足で地面を蹴るとふいに背中から天使のような羽が生えて毎秒5メートルくらいのスピードで上昇し始めた。しばらくすると、背中に超小型酸素ボンベを装着した。この酸素ボンベでも30分は呼吸出来るのだ。宇宙服は俺達には必要ないのである。万物を操るスキルで、水分を蒸発しないようにすれば良いのだ。気が付けば隣には隕石が降ってた。中間圏に入ったのだ、気温は−90度くらいであるが、スキルを使えば、血液の温度を上昇させて、体温を適温に保てるのだ。気付けば俺達は熱圏を抜けて外気圏にいた。ふと、周りを見渡すと、もうすぐ近くに『プロテクター』があった。

「おい、兄貴あったぞ!」

「みればわかる。」

俺達は真空中で会話はもちろん出来ない。だから以心伝心して会話してるのだ。スキルを使えば簡単に人の心など分かるのだ。

「さぁ、どうするんだ?」

「直で殴ればいいだろ。」

俺が『プロテクター』を殴ろうとしたら、突如『プロテクター』の一部が光出した。

「おい、殴るの待て!」

俺は殴るのをやめた少し後ろへ引き下がった。すると、その光った場所から俺達の方向にレーザーが出された。俺の真横をレーザーが通り過ぎてった。

「大丈夫か?」

「問題ねーよ。」

「そのまま攻撃するのはキツそうだな。」

「相手もスーパーコンピュータだし、最強の演算能力を持ってる訳だし、俺達が攻撃するのも理解できるのか。」

「まるで、呼吸しない人間みたいだな」

「んで、どうやって攻撃するんだよ?」

「兄貴は防御よろしく、俺は攻撃するから。」

「分かった。」

相手もスーパーコンピュータである為、なかなか手強い物である。だから、東京最強の俺達でもかなり辛い戦闘である。兄貴がスーパーコンピュータの攻撃を引き寄せたその時、俺に攻撃できるスキが出来た。

「クソっタレガァ……ダークマターの雑魚どもが。こんなにしてまで俺達ミュータンツを恨む理由でもあんのか?何にしろ俺は今から壊してやるから、ダークマターのクソ野郎どもは引き返しやがれェェェ!」

俺の口調は明らかに変貌し、一発マジで殴った。プロテクターはバラバラに砕け散っていったが、そのかけらの一部から光線が発射された。俺は、どうせ宇宙のどっかに散っていくんだろう、って思ってたが、さすがスーパーコンピュータ、東京目掛けて真っ直ぐに放たれてたのだ。俺はすぐに兄貴に「止めに行く!」って言おうとしたが、既に兄貴はいなかった。俺より先にあの光線を止めに先に動いてた。

「お前が止めに行ったら死ぬからここにいろ!」そう言って光線を止めに行った。その時、もう、兄貴は帰って来ないかも……って感じたのだ。しばらくしてから、光線は消えた。兄貴が帰って来たら、「やったぜ!」って言いたかった。


それから10分経っても、兄貴は帰って来なかった。

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