第4話〜兄貴
7月20日12時過ぎくらい、適当にコンビニに寄っておにぎりとコーヒーを取って再び暗部を探す事にした。それから1時間ほど、廃ビルや下水道を歩き回ったが、1人も見つけられなかった。恐らく昼頃俺が、1人殺ったのを聞きつけて皆んな逃げたのだろう。
「ねぇ、どこまできてるの?下水道を歩いてると方向感覚失うんだよ。」
「多分湯島の方だ。どうしようもないし、そろそろ出るか。」
適当に鉄梯子を登ってみたら、どっかの廃ビルの地下に出た。誰も人はいなかったので、すぐに外に出た。
「ふぅ、もう3時か、そろそろ帰りましょうかね?」
「やった!」
「嫌だったのかよ」
「だって、あんなに臭い所ずっと歩いてたもん。」
「はいはい、とっとと帰って4人で銭湯とか行きますか。」
俺は電車で帰らず、タクシーを捕まえて、とっとと帰る事にした。そして、家についた。インターホンを押したら大声で「只今〜!」って聞こえた。遅れて萩谷が「お帰りなさい。」と言った。
「早希⁉︎どうして、そんなに身体が汚れてるの?」
「いや、その暗部っていうのは廃ビルや下水道とか、凄い汚い場所にいるらしいからそこにあった為。」
「と言うわけでその疲れを落とす為にこれから銭湯行こうと思うけど行くか?」
「わーい。」
「あと、萩谷、今日はもう休んでいいよ。いや、銭湯で休んだ方がいい。最近仕事やり過ぎたし。」
「ありがとうございます。」
「んじゃ行きますか。路地裏にある小さくてあまり知られてない銭湯知ってるから、そこでいいか?ほぼ、貸し切り状態だし。」
「うん、分かった。」
「実はもう1人知ってる人いるけど…」ボソッ
銭湯についた、ガラガラと扉を開けると、本当に人がいない。靴を箱に入れて、受付に「女3人、男1人、全員成人です。」と言った。
「また、島かよ、週一レベルで来るよな。」
「いいだろ?3時開店で、誰もいないデッカい風呂って最高だしなぁ」
「それが、今は、もう1人男がいるんだよ。それでも、入るか?」
「男の1人くらい大丈夫です。」
「アンタ、この銭湯の常連さんなの?」
「あぁ、ここ3時くらいにいつも来て、誰もいない風呂を楽しみんだよ」
「へぇ〜」
とりあえずみんなそれぞれの脱衣場に行った。隣は女3人が、ずっと話してて少し騒がしい。とりあえず俺はとっとと風呂に入る事にした。一杯掛け湯をして、とりあえず大浴場に入った。すると、受付の人が言ってた通り、男が1人いた。何となく声を掛けてみた。大人じゃなさそうだから、より声を掛けやすかった。
「こんにちは、あなたも常連さんですか?」
男はこっちを振り向いたら、数十秒程の沈黙が流れた。
「兄貴か!」
「あぁ、島か」
「一週間ぶりかぁ」
「疲れを取りにきたのか」
「あぁ、今日は久しぶりに情報収集したからな」
「何のだ?」
「兄貴もやってる筈だ。『プロテクター』についてだよ。」
「島もそれに手をつけてきたか…」
「やっぱ調べてたんだ」
「俺は第1位だぞ、それなりにこの町の裏を調べるわ」
「んで、情報は集まったのか?」
「全然、暗部どもの姿が見当たらないんだよ」
「多分それ、俺のせい…」
「どういう意味だ?」
「昼間、暗部の1人に会ったけどそいつを潰したから…」
「あーあー、勝手に暴れちゃって。まぁいいか、とりあえずそいつの名前覚えてるか?」
「正田…下の名前は分からない」
「帰ったら萩谷に調べさせろ。俺も同行する」
「あぁ、分かった。とりあえずシャワー浴びてサウナ行くか。」
一瞬静かになったら壁の向こうからザワザワ話し声が聞こえてきた。
「おい、こんな時間に風呂に入ってる奴いるんだ…」
「あぁ、後で紹介するよ。」
4時を軽く過ぎた頃皆んなは牛乳を一気飲みしてから、休憩室に集まった。
「ねぇ、アンタの隣にいる人は誰?」
「あぁ、紹介するよ。こいつは俺の兄貴の湾だ。またの名をダークエンジェルとも呼ばれてるこの町の第1位だ。」
「第1位⁉︎。そういえばこの町の首位は犬養ブラザーズだって聞いたこともあるし」
「んで、兄貴。この2人はこの前俺の家の近くで爆破事件あっただろ?その学校の人。こっちが俺の幼馴染の大原空、でこっちがそれについてきた、海原早希だ」
「宜しくな。」
「じゃ、帰りますか。」
「はーい」
「どうでもいいけど、元気いいよな2人とも」ボソッ
兄貴と俺は口を揃えて言った。
俺ら一行は早めの晩飯を食べてから自分の家に帰った。
「ただいまー」
俺と兄貴はゆっくりと入っていったが、他の3人はせっせと家に入っていった。俺と兄貴の2人になった。
「おい、何で女2人もお前の家にただいまーって言っているんだよ?」
「あの爆破のおかげでさ、アイツらの寮がオワってそこでこの幼馴染の空がおねだりしてここに住まわせてるって訳」
「へぇ〜。お前そのその空って奴のこと好きだったんだろ?」
「ま、まぁな。昔の事だよ。とりあえず10時というかあの2人が寝るまでゆっくりしてろ」
「どうしてあの2人が寝るまで?」
「2人とも俺の事が心配らしいんだ。そんな俺が暗部について調べている所見られたら色々ややこしくなりそうだし…」
「まぁ、そうだな、お前アイツらを守りたいんだろ?」
「大正解です。」
テレビや麻雀を楽しみながら、10時30分になった。
「私達そろそろ眠りましょうかね?」
「そだな。俺は兄貴と話があるから、もう少し起きてるよ。あと、萩谷も起きておけ」
「分かりました。お休みなさい貴方達」
「お休みー」
大体それから20分くらい麻雀をして、それから俺たちは例の話を始めた。それと同じ頃寝室ではこんな事が起こってた。
「しまったトイレ行きたいな…」
早希はトイレにすぐ行って、済ませたらリビングの方から声が聞こえてた。興味があるから、早希はそれを聞いてしまった。
一方で俺たちは例の話の最中だ
「というわけで、萩谷、俺が12時頃殺したはずの正田って奴について調べてくれないか」
「はい」
萩谷はブラインドタッチが非常にうまい。なぜなら、萩谷は一応昔研究者であったのだ。流石研究者であった分コンピュータ系には強いのだ。
「出てきました。」
最初に兄貴の方が反応した
「何々?『ダークマター』って所の暗部の下っ端かよ…」
「その『ダークマター』って奴について調べてくれ」
萩谷のコンピュータの力で裏サイトにも割り込んでその『ダークマター』についての詳細を知った。そこにはヤバい資料があったのだ…