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超絶の二重人格(ジキルハイド)  作者: トロリン
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第2話〜新天地

7月19日。俺はあの女、大原空に会う為にあいつの女子寮へ行こうと考えた。俺の家のお手伝い萩谷に「行ってきます」と挨拶をした。この家には両親が居ないのだ。父親は俺が産まれた時にすぐ亡くなってしまい、母親はミュータンツになった瞬間、原因不明の死を遂げた。家のドアを開けると後楽園遊園地の観覧車が見える。「アーーッ」と両腕を伸ばしてスッキリさせてから女子寮へ向かっていった。その最中事件は起こった。その女子寮から爆発が起こったのだ。「はっ?」と大声を上げようとしたが、驚きのあまり声は出なかった。

「あの〜、すいませ〜ん。俺、そこに行こうとしてたんですけど。」

ボケーっと突っ立って呟いたが、それどころじゃないと考えた。

「あいつ、空、大丈夫なのか?」

急に彼女の事が心配になった。そんな事を考えてる時間なんてないと思い、俺はダッシュで女子寮へ向かっていった。

「チッ。まさかこんな形で再会するのか…。こんな環境作りやがった爆破犯を絶対にぶっ潰してやる(怒)…」

そう思いつつダッシュしていったら気がついたら女子寮の近くに着いていた。もくもくと煙を上げている中、警察が銃を持って犯人に対抗している。

「大人しくこっちまで同行しろ!」

犯人はフッと一笑いして気がついたら警察が発砲した。だが、彼の体は無傷であった。逆に自分の銃を使い警察を虐殺した。そして、彼は路地裏へ消えていった。俺はこんな奴を許せまいと路地裏に入っていった。とは言え俺も高校1年生である。こんな奴に敵うのかと心の奥底で、思っていたが、それどころではなかった。路地裏に向かう2人を見ている人がいた。大原空であった。

「まさか、あの人、島久君?」

走りかたや髪型が変わっていなかった為、そう自然に感じたのだ。彼女も路地裏に行ったのだ。

「フッ、ケーサツだなんてちょろいもんだな〜思ったより…」

犯人はもう追いつかれまいと思い走るのをやめたが、前の方から、一人自分の身長よりも少し小さい男子学生が出てきた。

「警察は、振り切った。はぁこれで一安心だ〜。なんて思ってんのかァ?」

「お前には関係ねーだろ〜がよォ〜。おい、何処の誰だか知らねーけどよー、とっととそこを退きやがれ。」

「関係ないだって?ざーんねーん。俺はこの女子寮に用があってわざわざ走ってまでここに来てやったのに。着いたと思ったらこのザマかよ。おまえにお前のお陰で。とっとと潰したいけどなんでこんな下らない事したのかその理由だけ聞きたいんだよ。」

「理由?俺はちょっと昔、銀行強盗やってて、二度と強盗はしないって誓ったんだ。つまりは爆破と窃盗はしてもいいって事なんだよ。だから、今回爆破してパニックに陥ってる隙に窃盗をしようと考えたって訳だ。この学校お嬢様学校だろー?だから窃盗して損する物はないと思ったんだよ」

「お前…。お前一人で何人の人が傷ついたって思ってるんだ?クソやろ〜‼︎」

俺は護身用に携帯していた銃をとっさに取り出して3発くらい発砲した。しかし、やはり彼の体は無傷である。丁度その時空がその現場を建物の陰から見ていたのだ。

「あの人、こんな人に変わっちゃったの?」

不思議げに思ったが、そこに乱入することはなくそのまま見つめていた。

「俺に銃は通じないんだよ。俺は生憎ミュータンツなんだよ。そして俺のスキルは金属を熱により変形させるスキルだ。」

確かにそいつの足元にはオレンジ色に溶けた金属があった。

「でも生憎、こっちがミュータンツじゃないとは一言も言ってないんだよ。俺もミュータンツだ。そして俺のスキルは万物をも操るスキルだ。あと、自己紹介をしないとだな、犬養島久だ、そしてこの町での最強ランキングの2位だ。というわけで消えやがれ〜!」

次の瞬間左右にある建物がバラバラに壊されて破片が奴の体に沢山降り注いだ。生憎奴はまだ気を失っていなかった。そこで、トドメの一撃を刺した。

「お前みたいな壊れた思想を持ってる奴はムショへ帰りやがれ!」

俺は奴の足を切断したのだ。とりあえず殺す事は躊躇った。空はここで起こったことの一部始終を見ていたが、その事は誰にも言わなかった。

空は女子寮に戻ってみたが、どうやら、自分の部屋もその爆破に巻き込まれたらしい。寮監は

「とりあえず今日一日は警察の巡回を厳重にしておく。生徒は全員寮の中に戻れ。だが、爆破に巻き込まれた生徒は、すぐに親に連絡して、実家に帰るか、近くのホテルでとりあえず住みなさい。」

こうは、言ったもののほとんどの生徒は知り合いの家に仮住まいする事にした。

「私達どうしよう?」

空と相部屋の海原早希が問いかけてみた。

「私いい所知ってるけど?」

「本当?」

「まぁ、本人が許すかどうかはわからないけど…」


俺はあのいざこざに巻き込まれて犯人を懲らしめてからは、ちょっと散歩をしてから、スーパーに行って昼飯と夕飯を買って家に帰った。だが、俺は彼女に会おうとしたが、会えなかった事で、悲しい気持ちであった。渋々と家の戸を開けて「ただいま」と言ったら、いつもは萩谷が迎えてくれるが、今日は奥の方で少し騒がしかった。何があると思ってリビングのドアを開けたら女が3人いた。1人は萩谷だと分かったが、あとの2人はパッと見よく分からなかった。

「萩谷、この2人は誰だ?」

「つい先程招き入れました。あなたの幼馴染と申していましたが…」

俺はまさかっと思い2人を見つめてこっちを振り向いた。顔の形が空と同じであった。

「お前、空なのか?」

「うん、やっと帰ってきたんだねお帰り」

「勝手に入ったのはお前だろが…ただいま」

俺は久々に泣いた。初めて自分のスキルが分かった時以来だ。

「お前生きてたんだ。心配してたぞ…」

「まぁね。私のスキル忘れた?炎と水を操るスキルだよ。だから、炎があがった瞬間スキルを使ったって感じ。」

「ふぅ良かった。待てそのもう一人の女は誰だ?」

「あぁ紹介してなかったね。彼女は海原早希。同じ学校で私と相部屋でした。」

「宜しく。俺は犬養島久。でこっちの人がお手伝いの萩谷だ。ところで、何で俺の家が分かって、おまけにここに住もうと考えてるんだ?」

俺のベッドの上に大きな荷物が2つあった。恐らく仮住まいするのだろうと踏んでいた。

「そう、言わないと。貴方の家は覚えていたのですよ。一度、貴方の家に小6の時に一度来たんですよ。もう一つについては、私達の部屋は生憎爆発に巻き添えになっているんだよ。で、寮監は近くの、実家やビジネスホテルにでも泊まれって言ってたけど、私達実家遠いし連絡するのも面倒臭いし、ビジネスホテルも高いからここに来たって訳。おまけに貴方の家は広いでしょう?」

確かに俺の家は、2階建てで、3LDKである。

「ん〜。まぁいいかっとりあえず長い付き合いだし」

「やった〜。ありがと〜」

2人は口を揃えて言った。

「本当によろしいのでしょうか?」

「大丈夫だ萩谷。俺はリビングで寝るから。」

やったーとりあえず空に会えたし、もう1人女の子も住むらしいし最高だ!

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