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友達

まずはブックマーク登録ありがとうございます。


たった1人ですが、気づいた瞬間とても喜ばしく、最近下がり気味だってモチベも取り戻したました。


それでは3話を読んでいってください。

 「嘘だろ···」


 俺は一瞬目を疑った。

 目線の先には包丁を手にした嶋村稚春の姿がある。


 ──数分前。


 俺と嶋村は家へたどり着き、中に入る。入口から少し進むと左手の部屋にリビング、ダイニング、キッチンがある。右手の扉はトイレで、その先には山本先生の部屋がある。さらに進むと階段があり、上へあがってすぐに俺の部屋があり、その隣に空いている部屋は嶋村の部屋になる。

 そして、俺はある事を思い出す。そう、今日の夕飯のことだ。この家は先生と2人で暮らしており、先生は仕事で忙しい、つまり夕飯は俺の担当になる。毎日のことで慣れてはいるが、たまにはさぼりたいと思ってしまう。よって、今日の夕飯は嶋村に任せてあげようと思う、というか変わってほしい。

 俺は期待はしてないが嶋村に聞く。


 「嶋村、料理作れるか?」


 今までの嶋村からして、考えられるパターンは三通りである。

 まずはパターン一。無視する。こうなることは予想し得ることだが、少し期待してしまう。

 次にパターン二。料理をしようと試みるが失敗する。こうなると後々面倒臭い。

 そして、可能性は薄い、というかゼロだがパターン三。料理ができてしまう。この結果が一番だが、まあ、無理だな。

 俺は諦めつつも淡い期待を抱きながら嶋村の返答に耳を傾ける。


 「稚春」


 「···は?」


 「稚春って呼んで」


 え?何言ってるのかな?女子を名前で呼べだと···。ボッチのヒキニートがそんなこと出来るわけ···。

 嶋村を俺を凝視してくる。

 可愛いが、こわい···。


 「ち、稚春」


 「何?」


 何ってなんだよ···。


 「えー、なんというか、料理···」


 「するわ」


 俺の言葉を遮って嶋村···稚春は言った。


 「え?」


 「料理するわ」


 ···マシですか。とりあえず第一関門突破だ。


 「じゃあ、しま、···稚春よろしく」


 俺がそう言うと、稚春は作業を開始した。

 棚からまな板、包丁を、冷蔵庫からキャベツ一玉を取り出しセッティングする。

 そして、包丁を右手で持ち、キャベツを抑え切り始める。

 切っているのは稚春なのだが、なぜか俺も緊張してしまう。

 ついに包丁の刃先が緑の物体へささり、玉がスパンッと真っ二つになる。ただキャベツを二つに分けるだけなのに緊張した俺は、冷静になると少し恥ずかしかった。

 稚春は手際よく進めていき、あっという間に料理が一品、二品と完成していく。

 これで夕飯の用意は一通り大丈夫だ。俺は稚春へお礼を言い、自室へと向かった。そして、鞄から教科書やノートなどを机の上に出す。

 帰宅後にやるべきこと···、そう復習だ。

 予習、復習を繰り返し行い、定期テストで上位に入る。俺が高校に入学するにあたり決めたことの一つである。

 教科書、ノートを広げ、筆記用具から取り出したシャーペンを右手で持ち、要点をまとめ始める。教科に得意、不得意は無く平均的な感じだ。

 俺は黙々とペンを動かした。

 1時間ほど経つと一階が少し騒がしくなった。山本先生が帰ってきたのであろう。

 俺は机上の物を片付け、1階へ下りる。


 リビングへ行くと、先生は「疲れたー」と言いながらビールを一缶開けていた。そして、三人で食卓を囲む。


 「それでは、住人が一人増えたことを祝してかんぱーい!」


 と、山本先生は一人で言った。

 俺と稚春はガン無視で料理を口に運んだ。


 「稚春、この家はどうかね」


 少し酔い気味の山本先生は言う。


 「···悪くないわ」


 「そうか、そうか、ところで、二人は仲良くなったのかね?」


 「仲良くなったって、どこからが仲いいってことなんですかね。遊びに行くレベルがなかいいってことなら、俺達は仲悪いほうですかね」


 仲悪いほうって言うか、仲良くなった人いないから、必然的に全員仲悪いことになるんだけどな。


 「十罪とは友達よ」


 「···は?何言ってんの?」


 「日本語よ」


 日本語よって、そういうことじゃねぇよ。会話すらまともに出来ないのかよ···。


 「はいはい、そうですね、稚春さん」


 「稚春でいいわ」


 いや、知ってるから。少し嫌味で言っただけだから。


 「一つ言っておくが俺達のことは友達とは言わないから」


 「なんていうの?」


 「んー、赤の他人?」


 「···十罪とは友達よ」


 「デジャブ!?いや、俺の話聞いてた?」


 「···ん?十罪とは友達よ」


 「···そうですね」


 と俺はいい嘆息する。


 「なんだ仲良しではないか」


 山本先生は唐突に言う。


 「どこがですか?」


 「名前で呼び合う程度には仲良しだろ?


 「···まあ、間違えではないですね」


 「千聖、私は十罪と友達よ」


 「どんだけ友達に執着してんだよ···」


 「では、只今を持って稚春と上原は友達だ」


 「断じて友達ではない!」


 こうして、稚春の歓迎会?は賑やかに行われた。

これからも頑張っていくので、少しでも読んで頂けると幸いです。

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