突飛な弟の突飛な発案。
平成28年、3月20日、13時25分。
祖父母宅にて。
短期のバイトが終わった兄は祖父母の家にてだらだら中。
祖父は町内会の会合によりお出かけ。
祖母はデイケアにて小物作りを楽しんでいる。
と言うよりデイケアのスタッフさんを困らせて遊んでいる。
つまり祖父母宅には兄一人なのである。
遊びに行こうにもまともな金が無いために動けず、
自宅警備に勤しむことにしたようだ。
ガチャッ。
家の玄関の扉が開く音がした。
弟である。
いくら身内でもチャイムも鳴らさずに入るのは弟か空き巣屋さんぐらいの者である。
弟「よぅ。兄ちゃん。」
兄「何しにきてん。」
頭を片手に乗せた状態でぶっきらぼうに答える兄。
弟「久々に会った弟に何しにきたはないやろ。」
兄「なんやねん。」
弟「じじばばは?」
兄「おらん。」
弟「そうか。なら都合えぇわ。」
兄「ホンマに何しにきたんやお前。財布ならじじが持ってったぞ。」
弟「人を盗人みたいにゆうな!」
弟が背中に背負った鞄を床に起きながら座り込む。
弟「元気にしとったんか?」
兄「おぉ。ボチボチな。」
弟「父ちゃんと母ちゃんは?」
兄「相変わらずや。」
弟「そないけ。」
兄「、、、、、、。」
弟「、、、、、、。」
しばしば沈黙。
大して仲の良くない兄弟なんてそんなものである。
しかし、決して仲が悪いわけではない。
大概のことなんてお互いの顔を見ればわかってしまうからである。
弟「なぁ。兄ちゃん。」
兄「んあ?」
おもむろに弟が口を開く。
弟「話したいことがあるんやけど。」
兄「だからなんやねん。」
弟「実はさ、、、。」
兄「聞くなんて言うてへんぞ。」
弟「いや、そこは聞けや。」
兄「なんやねんな。テレビ見とんねん。静かにせぇ。」
弟「いや、結構おもろい話やねんて。」
兄「聞きたない。」
弟「ほな、、、えぇわぁ。」
兄「、、、、、、、。」
弟「、、、、、、、。」
兄「、、、、、なんやねんな。」
いらちの兄との根比べは5秒で弟の勝利である。
弟「実はや。えぇ企画思い付いてん。」
兄「企画?」
弟「題して、『じじばばと行く、大分温泉敬老の旅』ぃ~~♪パチパチ~♪」
兄「、、、、、はぁ!?」
そう。弟は突然訳のわからんことを抜かすのである。




