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箱庭管理人  作者: はに
1/1

いろいろ

暖かな日差しが差し込む図書館で、少年と少女はまったりと紅茶を飲んでいる。


「暇……ねぇ、なにか面白いことないかしら?」


栗色のショートボブの毛を弄りながら、少女は少年に聞いた。

少年はポットを手にとり、注ぎ始めた。

紅茶が注がれる心地のいい音がする。


「そうだなぁ……ん、もう紅茶がないみたいだから、淹れてくるね」


マグカップには半分くらいしか注がれていない。


「いいの?アル、あり、が……ふぁあ」

「毛布も持ってこようか?」

「お願い……」


言いながら少女は寝てしまった。アルと呼ばれた少年は、全くもう、と少し苦笑しながらポットを持った。

ドアの前に来たところで、2人は消えた。

図書館は一つの音もせず、ただティーセットのみが残った。



木の温もりが感じられる素朴な家の一室に、アルとニコがあらわれた。

ニコはベッドですやすやと寝ている。

アルは扉の前でしばし呆然としたあと、気を取り直して、あたりを見回した。


「ますここは……」


そう呟いたあと、ニコを揺すり起こしに向かう。


「ニコ、ニコ起きて」

「う……ん!?」

「わぁっ」


ニコが急に上体を起こし、アルがすんでのところで避けた。


「こ、ここはどこなの?」

「えっと、多分……というか十中八九箱庭だね」


アルが呆れたような、困ったような顔で言った。

それを聞いたニコは、苛立ちと呆れの混じった表情になった。


「私の安眠が……」

「うん……いつものことだけど、せめて紅茶を飲みたかったな……」

「久しぶりの休日なのに何したのかしら、あの駄女……神……」


悪態をついていたニコが、アルの後ろを見つめた。

アルの後ろには、美しい、アルビノの女性がいた。


「こんにちは、みんな大好き女神様ですよ」


見た目と一致しない言動をした。


「……女神様、今回は一体何をしたのですか?」

「ニコが面白いことないかしらなんて言ってたから、用意しちゃいました♪」


イタズラっ子のような顔をして女神が言った。

それに対してニコは苛立ちを隠す気のない顔をして言った。


「用意しちゃった♪じゃありませんよ!全くもう、せっかくまったりしてたのに……」

「あら怖い。用意したといっても、一応意味はあるんですからね」

「へぇ……どんな意味があるんですか?」

「んーと……それは……その」


ニコが問いただすと、女神はしどろもどろになり始めた。


「どんな、意味が、あるんですか?」

「うーん、あ、そういえばこのあと用事がありました。 後はよろしくお願いしますねっ」

「あっ、ちょっと!」




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