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これは『勇者』と『魔王』の物語  作者: 東の雲
魔王の名

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危険?ニシノ山

トワイザランを旅立ち4日が経った。


私達はいま樹木に囲まれた急な山道を登っている。


1日も早く元の世界に戻る方法を探すために旅立つとかいっておきながら、この2人には全く計画性がなかった。

行き当たりばったりで、適当に街についたら情報収集しよう。ぐらいにしか考えていなかったのだ。


そんなんじゃいつまで経っても帰れないぞ。

今、うちらは私の提案で魔法に詳しい種族、ルクス族の住む土地へと向かっている。


ルクス族の住む村に行くには、このニシノ山を越えたところにある港町から船に乗らなければならない。


ニシノ山は標高3000メートルを超える高い山だ。迂回をして港町に向かうとすれば6日近くかかってしまうが、この山道で真っ直ぐ越えていけば、2日で着く。


だが、この山を越えていこうなんて考える人は普通はいない。


何故なら、このニシノ山は食材や果物、そして綺麗な川と資源に恵まれた山で、凶暴なモンスター達が常に縄張り争いをしている土地だからだ。


私も本来であれば、迂回を提案するのだが、この2人がいるなら何の危険もないだろうと考えたのだが……。



この2人があまりにも危険すぎる。



この山を登り始めて6時間程が経ち、道中では様々なモンスターに襲われた。


大型の獣型モンスターやドラゴンなども遭遇したが、この2人は襲いかかってくるモンスター全てを一撃で倒している。


さっき襲ってきた、アイアンタイガーという全長5メートルを越す虎型のモンスターは本来なら、トワイザラン騎士団でも50人がかりなどでやっと討伐をするようなモンスターなのに。


この2人は子猫と戯れるがごとく、かるくあしらった。


既に何十頭ものモンスター達を倒してきたせいか、ここ1時間ぐらいモンスターが襲ってこなくなった。


時折周りの茂みなどから、ガサガサと音が遠くに行くのが聞こえるが、恐らくはこの2人を見たモンスターが逃げ出しているのだろう。


モンスター達が怯えて逆に逃げ出すなんて聞いたことがない。


もはやこの2人に常識は存在しないのだろう。

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