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私たちの特別な魔法

作者: しゅうらい
掲載日:2025/12/11

 むかしむかしあるところに、魔法使いだけが暮らしている国がありました。

 ある日、とある家で、とても可愛らしい女の子がうまれました。

「まぁっ、なんて可愛い女の子なの」

「この子の名前は、シャルにしよう!」

 愛情をいっぱいもらったシャルは、すくすくと成長しました。

 そして、シャルが五歳の誕生日を迎えた、その日の夕方のことでした。

 父親が、小さな子どものドラゴンを、連れて帰ってきたのです。

 シャルは喜びましたが、ドラゴンは傷だらけでした。

「どうやら、ハンターに襲われたらしい」

「なんてひどいことを……」

 シャルは悲しくなり、ドラゴンの体を撫でました。

 すると、みるみる傷が治っていくではありませんか。

「ガウッ」

「よかった、元気になったのね!」

「シャル、今なにをしたんだい?」

「うーん、わからない」

 首を傾げるシャルに、両親は顔を見合わせます。

「あれは、どう見ても魔法だろ」

「おかしいわね……この子に、魔法なんて教えていないのに」

 両親の心配をよそに、シャルとドラゴンはとても仲良くなりました。

「あなた、とてもきれいな青色をしているのね」

「ガウッ」

「決めた、あなたの名前はブルーよ!」

「グゥ?」

「うーん、わからないかぁ。じゃぁ、歌を歌ってあげる」

 そして、シャルはゆっくり歌いだします。

 それは、まるで子守りうたのようでした。

 やがて時は流れ、シャルは十四歳になりました。

 魔法を覚えるのも早く、魔法学校に通っていたシャルの成績は、いつも上位でした。

 友人もでき、シャルは楽しい毎日を送っていました。

 しかし、楽しい日々は、長くは続きませんでした。

 隣の国から、戦いがやってきたのです。

 その中には、ブルーを襲ったハンターたちもいました。

 戦いは激しくなり、魔法学校の生徒たちもかりだされました。

 だけど、連携が取れず、次々と倒れていきました。

 シャルの周りで、立っている者はひとりもいません。

 立っているのは、シャルと大きく成長したブルーだけでした。

「へへっ、もうあんただけになっちゃったなぁ」

「私は負けない、絶対に!」

「はっ、いつまで言っていられるかな!」

「ガアァーッ!」

 お互い睨み合っていると、ブルーがハンターたちに向かっていきました。

 すると、その中のひとりが、仲間に目で合図しました。

「ルナ・カデナ!」

「ガウッ?!」

 ハンターたちが手を伸ばすと、光の鎖が出現したのです。

 そして、ブルーを絡めとってしまいました。

「ブルー!」

「これで、ドラゴンは動けないな」

「ブルーを離して、フレイム!」

 シャルは、たくさんの炎の球を繰り出します。

 しかし、ハンターは余裕の笑みを浮かべていました。

「リフレクション!」

「なっ、弾かれた?!」

「それだけじゃねぇぜ、サンダーボルト!」

 ハンターは電撃を放ち、はね返した炎の球に当てました。

 すると、爆発が起こったのです。

「えっ、きゃぁっ!」

 吹き飛ばされたシャルは、地面を転がります。

 それを見ていたブルーは、ハンターたちを強く睨みつけます。

 そして、大きな雄たけびをあげました。

「グオォーッ!」

 その声を聞いたハンターたちは、怯えて耳をふさぎました。

 そのため、光の鎖は砕け散りました。

「ヤバい、魔法が解けやがった!」

「ガアァーッ!」

 ブルーの怒りはおさまらず、ハンターたちを蹴散らしていきました。

「ぐぁっ!」

「ぎゃぁっ!」

 ハンターたちは、次々と倒れていきました。

 そして、あとは親玉だけになったのです。

「ひぃっ、たっ、助けてくれ!」

「グゥー……」

 ブルーは、ゆっくりと親玉に近づいていきます。

「ブルー、やめて!」

 シャルはなんとか立ち上がり、ブルーに呼びかけます。

「私は大丈夫よ。だから、冷静になって!」

 しかし、ブルーはシャルの言う事を聞きません。

 それどころか、親玉を睨みつけたまま、口から火を出そうとしていたのです。

「どうすれば……」

 その時、シャルは小さい頃を思いだします。

 そして、優しく歌いだしました。

 子守りうたのようなその歌に、ブルーの動きが止まりました。

 その隙に、親玉は慌てて逃げだしました。

 シャルの歌声に、ブルーはだんだん落ち着きを、取り戻していったのでした。

 やがて、戦いは終わりを迎えたのです。

 たくさんの人が傷つき、悲しみがうまれました。

 その後、シャルは旅に出ることにしました。

 もちろん、ブルーも一緒です。

 二人はこれから、いろんな国を巡るでしょう。

 また、戦いに巻きこまれるかもしれません。

 でも、心配はいりません。

 だって、二人には特別な魔法があるんですから。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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