第二十一話『赫光と影、剣を交わす刻』
赫光は希望を灯し、狩人は闇を抱いている。
照らす力と、隠す力。
真逆の信念を持つ二人が、ついに一つの剣を交わす──
足音が響いた。
闇の中、ナユタは一歩ずつ前へと進む。
赫光が、淡く、白銀に近い光を放っていた。
「俺は、選び続ける。影が生まれても、それでも未来を諦めたくない」
対するは、漆黒の影を纏った男。
闇夜の狩人──トゥレイル・ノクト。
「お前が選んだ未来のために、俺たちは捨てられた。
それを“許される”と思っているのか?」
ナユタは剣を構える。
赫光が手元に集まり、未来の断片が、彼の視界に走る。
──だが。
「……視えない……」
この空間では、“未来”が塗り潰されていた。
「ここは“選ばれなかった未来の収束域”。赫光は未来を示さない」
狩人が構えるのは、闇を裂く双短剣。
その刃は光を呑み、存在ごと切り裂く“非選定の刃”。
「視えない未来の中で、お前は何を選べる?」
次の瞬間、闇が裂けた。
狩人の剣が、ナユタの赫光を砕くように打ち込まれる。
──それでも。
ナユタは、剣を振るった。
「未来が視えなくても、“今”を選べる!
俺は、お前のことも──見捨てたくないんだ!!」
その一閃は、赫光の“本質”を掴みかけた一撃だった。
狩人の仮面が、微かに割れる。
「……その目を……かつての誰かに……」
だが、戦いはまだ終わらない。
闇の波がさらに濃くなり、空間全体が“赫光殺し”の力に飲まれていく。
「お前の赫光が本物かどうか……この都市ごと、試させてもらおう」
狩人が完全解放を宣言する。
影が蠢く。闇が都市全体を包み込み、“太陽の記憶”すら塗り潰していく。
赫光と影の戦い、ついに“第二幕”へ──!
第二十一話、お読みいただきありがとうございました!
ナユタと“闇夜の狩人”トゥレイルの直接対決がついに始まりました。
視えない未来の中でどう選ぶか──それはまさに、ナユタの信念の試練です。