プロローグ『見えるはずのなかった明日』
はじめまして、またはこんにちは。
この物語『赫き未来に代償を』は、「未来を選び直すことのできる力」を手にした少年が、“選ぶ”という行為の重さに真正面から向き合っていく物語です。
“選び直す”という言葉は一見、便利で都合の良い能力のように見えるかもしれません。
けれどそれには、必ず代償が伴います。
記憶を失いながら、それでも誰かを救いたいと願う少年の選択と成長を、
どうか少しだけ見守っていただけたら嬉しいです。
それでは、物語の始まり──プロローグ、どうぞ。
──ある朝、目を覚ましたとき。
ナユタ・クロイツは、“存在しない選択肢”の光景を見ていた。
赤く濁った空。
笑いながら死んでいく人々。
崩れ落ちる都市。
そして、未来を閉ざす十三の影──
「ようこそ、赫光の継承者」
見知らぬ声が響いた。
気づけば、そこは自分がいたはずの世界ではなかった。
世界の名前は《レヴェイニア》。
“未来が途切れかけた異世界”
そこでは、十三の柱が目覚め、未来の形を塗り潰していた。
彼は、問われる。
選び取ることができるかと。
その選択に、代償を払う覚悟があるのかと。
──そして少年は、初めて選ぶ。
「……だったら、俺が選ぶよ。
未来を、やり直すために」
赫光が灯る。
それは、ただの“チート”ではない。
それは、“痛みと向き合う力”だった。
こうして、ナユタの長い旅が始まった。
世界を覆う柱を超えるために。
記憶を犠牲にしてでも、救える未来を選ぶために。
そしていつか、選べなかったすべての後悔に──自分の言葉で、答えるために
最後までお読みいただきありがとうございました!
プロローグでは、まだ何が起こるのかはっきりしない部分も多いと思いますが、
この物語は“チートで無双”なタイプではなく、
「代償を払いながらも未来を選び続ける」ことに焦点を当てた、やや重めの異世界ファンタジーになります。
派手なバトルだけでなく、葛藤や喪失、そして希望を積み重ねていくような作品にしたいと思っています。
次回から本編が始まります。
感想やお気に入り登録、励みになりますので、どうぞよろしくお願いいたします!