第十四話までのあらすじ (途中から読まれる方用です)
巫女の家系に生まれた少女・宵乃。
突如破られた結界により、何ものかに喰われて、家族も故郷もすべてを失った。
一人生き残った彼女は、真実を求めて、旅に出る。
「結界の音を聞くことができる」という自分の力を活かすため、結界修復師のお仕事をしながら。
剣士・日野介、封印された妖狐・カナギと共に、各地の結界を巡りながら、宵乃は徐々に気づいていく──各地の結界を破壊している存在は、ただの”妖”ではない。
やがて浮かび上がる黒幕、「黒衣の者」たち。
手がかりを求めてたどり着いた忍びの里・飛賀。
宵乃は、飛賀の頭領・猿翁から話を聞いた。「黒衣の者」たちは、元忍びや元陰陽師、そして異国の者などで構成されているという。そして彼らは、破竹の勢いで領土を広げている若き武将・千代田信勝を裏で操っているかもしれない──
黒衣の者たちの目的は、この国の内側からの崩壊。
彼らは、国を守る三大結界──「都」「六輪」「不二」を狙っていた。
宵乃は、かつて結界を守っていた母の痕跡を見つけ、己の過去と向き合う。
宵乃は、「黒衣の者」たちに立ち向かう覚悟を決めた。新たに仲間となった女忍び・コモリを得て、帝がいる都へと向かう。
だが、運命は容赦なく牙を剥く。
吊り橋「朧ノ橋」で、日野介は孤立し、五人の忍びに囲まれる。
彼を待っていたのは、かつての仲間──茂吉の裏切りだった。
この手で結界を直し、誰かを守るために──宵乃の旅はまだ途中だ。