1話 初恋の先に待つ小さな冒険
新学期が始まり、結衣と陽翔は学校でも自然に一緒に過ごすようになった。
放課後の図書室、校庭、教室の窓際――
どこにいても二人の視線はお互いを探している。
ある日、学校で文化祭の準備が始まる。
「結衣、一緒に装飾チームに入ってほしいな」
陽翔が少し照れながら誘う。
結衣は胸が高鳴り、自然に笑顔になる。
「うん、ぜひ一緒にやろう♡♡」
装飾作業中、二人は自然に肩が触れたり、手が重なりそうになったりして、甘酸っぱい空気が流れる。
その様子を見て、颯は少し複雑な表情をするが、微笑みを浮かべて二人を見守る。
放課後、二人は図書室でひそひそと文化祭のアイディアを話す。
「ここにライトをつけたら、夜すごく綺麗になると思う」
陽翔の提案に、結衣は目を輝かせる。
「わぁ、それいいね♡♡」
窓の外に夕陽が差し込み、二人の距離はさらに縮まる。
結衣は心の中でつぶやく。
「初恋が、こうやって日常の中でどんどん大切になっていく……♡♡」
小さな事件もあった。文化祭の準備中に飾りが壊れたり、材料が足りなくなったり――
そんな時、陽翔はすぐに結衣を助け、二人で笑いながら問題を解決する。
「こういうの、一緒に乗り越えると、もっと仲良くなれるね」
結衣は胸をときめかせる。
「うん♡♡」
夕方、帰り道に二人は並んで歩く。
桜の花びらがまだ風に舞い、肩が触れるたびに胸がドキドキする。
「これからも、ずっと一緒にいたいな……♡♡」
結衣はそっと陽翔の手を握り返す。