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4話 ちょっとしたハプニングと嫉妬
週末の放課後、結衣と陽翔は街の雑貨屋をぶらぶらしていた。
「これ、結衣に似合いそうだな」
陽翔が帽子を手に取り、結衣に見せる。
結衣は頬を赤く染め、目を輝かせる。
「わぁ……ありがとう♡♡」
そこへ、颯が偶然現れる。
「お、陽翔……結衣もいるのか」
颯の声に、結衣は一瞬ドキッとする。
陽翔は気づかず、楽しそうに結衣と話す。
結衣の胸に小さな嫉妬が芽生える。
「やっぱり、まだちょっと不安……でも、今は陽翔くんのことだけ考えよう♡♡」
その時、結衣がつまずき、陽翔がすぐに手を差し伸べる。
「大丈夫?」
二人の距離がぐっと近づき、結衣の心臓は跳ね上がる。
颯はその様子を見て、少し複雑な表情。
「……やっぱり、俺も負けてられないな」
小さな嫉妬と友情の微妙なバランスが、三角関係の伏線をそっと残す。
結衣と陽翔は、手をつなぎ、肩を寄せながら歩き続ける。
夕陽に染まる街並みが、二人の甘酸っぱい恋の時間を優しく包んでいた。