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短編

転生勇者でも解決できない事はある

作者: 猫宮蒼

 多分比較的ほのぼの系。



 アベルは王国の外れの小さな村で生まれたどこにでもいるような少年である。

 だがしかし、その少年はとある事件に巻き込まれ、そうして最後、世界を救う勇者となる。


 どうしてそれを知っているかと言えば、アベルは転生者で、なおかつ自分が主人公という立場でプレイヤーの駒となる存在であると知っているからだ。要は転生者である。


 村の名前、自分の名前、それ以外でも序盤で見聞きするあれこれ。

 そういった全てが、自分の知るあのゲームだと突きつけてくるのである。


 とはいえゲームでは村なんて本当に小さすぎて住人数人だけしかいなくない? と思えるようなものだったが、実際にその村で過ごせばあれはデフォルメされていたのだなと思う。

 ゲームにはいなかった村人も、だがしかしイレギュラーというわけではない。


 ゲームにいた村人たちの会話に出てくる名前は知ってるけど存在は見てなかった、モブの更にモブ、みたいな存在なのだろう。


 実際、ゲームにはいなかった幼馴染もいた。

 だがそれを、イレギュラーとは思えなかった。


 幼馴染は引っ込み思案で、怖がりで。

 アベルにとっては妹分みたいなものだった。


 もし、ゲームと同様、今は平和な村が滅ぼされたならば。

 ゲームと同じようにアベルの旅が始まる時には、もうこの幼馴染もいないのかもしれない。

 そう思うと、鬱陶しいからあっちいけ! なんて追い払うような真似もできなくて。


 だからいつも一生懸命にアベルの後ろをついて回る妹分を、アベルはアニキ風吹かせつつ見守っていたのだ。



 アベルの住んでいた村が滅びるのは、ある王国の陰謀によってだ。

 流石にそれを阻止するにしても、今の今まで平穏に暮らしていた単なる村人その1が王国の陰謀を事前に阻止などできるはずもない。もし、仮に運よくそれらを暴いて止めたとしても。

 それは氷山の一角で、裏で操る黒幕はそのままになってしまう。


 最初は小さな大陸の一つの国の陰謀だが、やがてそれだけに留まらず世界を巻き込む壮大な話になるのだ。ゲームでは。むしろゲームだからこそ、と言うべきか。


 ともあれ、序盤で阻止したくとも、現状ただの村人であるアベルに打てる手はなかったし、村が滅びるその日、アベルは隣町にお使いに行かされて助かる事になるとわかっていても。


 結局、何もできなかったのだ。


 これから村が襲われるなんて村の人たちに言ったところで信じてもらえるはずがない。もっと前から不穏な噂が流れていたら多少耳を傾けてくれたかもしれないけれど、平和なのだ。村が滅びる直前までは。

 なのにそんな事を言ったって、果たして誰が信じてくれるというのだ。


 助けたい気持ちはあっても、その方法が思いつかない。

 せめて、一人でも多く逃げて欲しいしその後どこでもいいから無事でいて欲しい気持ちはあるけれど。


 村の中でだってそこまで立場があるわけじゃないアベルには、村を救う名案は浮かんでこなかった。


 ゲームと違ったのは、隣町へのお使いに幼馴染も行く事になった部分だろうか。

 村の人たち全員を助ける事はできなくても、自分と一緒に行く事で幼馴染は助かる。

 そう思えば、少しだけ心が軽くなった。


 お使いを済ませて、村に戻れば案の定村は滅ぼされていて。


 どうにか一命をとりとめたアベルの友人と、たまたま身を隠す結果になって助かった友人。

 ゲームでもこの二人は序盤の仲間として行動するから、二人が生きているとは思っていたが、万が一というのもあった。だが、幼馴染というゲームではいなかった生存者がいても、結局のところゲームのようにストーリーは進んでしまったのである。


 平和な村をこんな風にした連中に目にもの見せてやる、と復讐心をたぎらせた友人たちと共に、アベルは王国が何をしようとしているのか探るところから始めようぜ、と言った。ゲームでも実際そうだったからだ。

 友人たち曰く村を襲ったのは王国の兵士たちで間違いはないとはいえ、いきなり村人が王都に押しかけよくも俺たちの村を! なんてやったところで、税を払わなかっただとかのそれっぽい事を言われてしまえば、何も知らない他の民たちがどちらの言い分を聞くかなんて目に見えている。

 確たる証拠が必要だった。

 そうでなければ、王国の平和を乱す者としてこちらが悪党扱いだ。


 そうしてゲームの通りに進んでいく展開に、アベルはやっぱこれ自分が最終的に世界を救う勇者的立場になっちゃうのか……と思うようになっていた。


 王国と敵対していた帝国の存在も、そこで度々敵対する帝国の将軍との戦いも、知っている展開ではあったのだ。


 ちなみに将軍はもう少ししたら実は黒幕に帝国もいいように操られていた事を知り、余計な事を知ったとして処分されそうになるところをアベルたちが乱入し助け、その後アベルたちの仲間入りを果たすキャラだ。

 なのでまぁ、何度か敵対して戦う事になったとしても、でも貴重な戦力だしなぁ、でアベルは受け流していた。ゲームと比べるとアベルの態度はマイルドだったかもしれない。


 だが、この頃には既にともに村を出発した友人たちは戦線離脱しているので。

 一人は戦闘の傷が深く、これ以上戦えば命は……となったのと、立ち寄った町で出会ったお嬢さんとちょっといい雰囲気だったので、そこでお別れしたし、もう一人は自分の好きだった相手がどうにか村を逃げ延びていたが、事故で記憶を失ってどこの誰ともわからないまま、修道院に拾われていたのを知って。

 いてもたってもいられなくなったのだ。


 流石にそんなメンタル的にも不安定になりかけてる相手を連れていくのは危険極まりない。

 自分の事を忘れられてもそれでも好きな相手だ。修道院だって慈善事業ではないので、一応面倒は見てくれているものの、生活は最低限だ。皆、ギリギリの中手を取り合って生きていたので。


 そこで友人の一人は、狩りで獲物を確保したり、周辺の魔物退治をしたりと初恋の少女を助けるついでに修道院の手伝いに名乗りをあげた。

 記憶が戻るかはわからないが、幸せになれよとアベルは言い残して幼馴染と二人で旅を続けていったのである。


 ちなみにゲームだとこの二人がどうなったかはわからない。

 彼女を支え修道院で貴重な男手となっている様子から、まぁ記憶が戻っても戻らなくても何か幸せになれそうではあるのだけれど。その先のイベントとかはなかったはずなので。

 だがここはゲームではないので、その先、ゲームでは知ることのなかったものが見られるかもしれないな、とは思っていた。



 ともあれ、村から一緒にスタートした友人たちとはお別れしたし、その途中で出会った他の仲間もいたとはいえ、仲間は多い方がいい。何せアベルの旅は最終的に世界を救う結果になるのだ。

 少数精鋭にしたって、様々なエキスパート揃いというのならともかくそうではない。


 だからこそ、将軍の仲間入りに関してアベルは特に思う事もなくあっさりと受け入れた。


 そう、たとえ敵だった時は滅茶苦茶強かったくせに何で仲間入りした途端弱くなるんだよ、とかいうゲームにありがちなやつが起きてもだ。

 ゲームでは納得いかねぇこのステータスダウン、としか思わなくとも、現状を考えたらまぁ、気落ちはするし逃げ出す時に怪我もしたしで、本調子ではないのだろうなと思えば多少の弱体化は許せた。

 自分は転生者で故郷がこれから滅ぼされるとわかっていたから、故郷が滅んだ事に関しては受け入れたけど、でもそれでも、もっと前にどうにかできなかっただろうか、とか悩んだことは沢山あったのだ。

 それと同じように、将軍も現状に対して、過去にもっと何か、こうならないための何かができたのではないか……? などと自分を追い詰めるようにあれこれ考えているのかもしれない、となれば、メンタルだって沈んでるだろうしそのせいで今までみたいな絶好調じゃないのは仕方ないんじゃないかな、と思わないでもないのだ。


 ゲームではあまり将軍の心情は吐露される事はなかったけれど。

 でもここにいる将軍は確かに生きた人間で。

 思い悩む事だってあるはずなのだ。

 ゲームではもしかしたら、そういった部分があのステータスダウンなのかもしれない。

 そう思うと、ちょっとだけ優しくなれる気がした。


 ゲーム云々を知らない他の仲間たちからすると、アベルは心が広いなぁと思われている。

 主人公補正で仲間との関係が良好なんだろうなと思っているアベルは、そういった部分で好意や尊敬を向けられているとは気づいてもいなかった。



 将軍は、まぁ今まで何度か敵として立ちはだかってきたので仲間入りをしたといっても、他の仲間たちからはまだ警戒の目を向けられていた。

 だが、その中で特に態度が変わらなかったのが幼馴染である。

 彼女は引っ込み思案であまり率先して行動をとるような事はなかったけれど、落ち込む将軍に「ほら食事」「さっさと食べて、片付け遅くなるから」と、家にいたかーちゃんみたいな事もずけずけと言っていた。


 もっと言うなら「もしアンタの事よく思ってないなら今頃マトモな食事なんて出さないで貴重なタンパク源とでも言って虫食べさせてる」とかいや流石にそれはちょっと……みたいな事も口にしていた。


 幼馴染は引っ込み思案で物静かな少女だけれど、口が悪い部分もいっぱいあったのである。


 ある意味アウェーな状態の将軍はそれで呆気にとられて、もしかして食事に毒でも仕込まれてるんじゃ……とか疑ってたかもしれないが、その疑いは幼馴染によって案外早く解除された。


 将軍は、帝国の将軍だけあって地位はそれなりに上の方だ。

 ついでに生まれも由緒正しいらしく、口も態度も尊大である。

 まぁ、アベルたちからすれば今まで敵だったわけだし、そんな敵相手に弱腰になって接してくるような将軍とか帝国の威信にかかわってきそうだから、あまり気にしていなかったけれど。


 昆虫食発言も、以前敵対した時に将軍が「帝国に歯向かう虫けらどもめ!」とか言ってたからかなとアベルは思っている。

 生まれは高貴かもしれないが、それでも将軍として部下を連れて帝国内の魔物退治に出たりしていた事もあるようで、野宿が駄目とかそういうのはなかったし、多少庶民には理解できない事を言い出したりもしたが、アベルからすれば許容範囲である。むしろ、魔物の弱点とか把握しまくってるし、野宿の時、野営はよくやっていた、と率先して動くのでそういった面では将軍はとても頼りになる男だった。




 そんな将軍にある日アベルは内密で話がしたいと言われ、そんなイベントゲームであったかな……? と思いながらもきっと重要な話に違いない、だってあの将軍がこんな深刻そうな顔してるんだから、と内心で気を引き締めて頷いたのである。


 だがしかし、将軍の内緒のお話は別に今後の展開に関わってくるような重要な何かとは違った。


 ぶっちゃけるなら、幼馴染の事が気になるのだとか。

 まさかの恋バナ。


 まぁ、他の仲間たちは将軍と若干距離を置いてたりしたので、アウェー状態だったのは確かだ。

 けれども将軍だってかつて敵だった者と組んでいるのだからと、その雰囲気を当然のものと受け止めていた。それを見てアベルは凄いな将軍のメンタル……! と感心だってしたのだ。


 前世で例えるのなら、学校祭とか文化祭とか学校の一大イベントの準備期間直前になって転校してきたようなものだ。

 すっかりグループが決まり切って、なおかつこれからのイベントで浮かれ切ってるところに、ぼっちで参戦。しかもこの手のイベントになると張り切る陽キャのせいで、普段はクラスでひっそりしている陰キャたちも引きずり出されるようなものだ。

 そこにぼっちで参戦。

 陽キャが多少面倒を見てくれたとしても、そんなものは割と一時的だし、かといって陰キャと交流を深めるにしてもとても微妙な時期である。下手すると準備期間は忙しすぎて作業に追われて交流する以前の問題だったりする。


 自分からもぐいぐい行けるタイプならいいが、そうでなければクラスでの立ち位置が空気になりかねない。下手すると転校生という肩書で覚えられてはいるが、名前とか忘れ去られる可能性すらあるのだ。


 まぁ将軍は将軍なので、空気とか無理があるだろって話なんだけど。


 そんな存在感バッチリな男が、アベルの幼馴染に恋をしたというのだ。

 驚くしかない。


「あれでも、婚約者とかいないの?」

「いない」


 ゲームでも将軍に女の影はなかったと思うが、遠征だとか任務だとかであちこち移動しているようなものなので、まぁ、常に女の影があるはずもない。けれど、仮にも帝国貴族なのだから、それこそ婚約者がいるだとか、はたまたどこぞの町で愛人みたいに好きな女を囲っているだとか、あってもおかしくないよなぁ、と思っていたのだ。アベルの前世の漫画やゲームなどで得た知識からの偏見である。


 ともあれ今回は、幼馴染との関係を聞かれ、恋人ではないのかと疑われ、誤解がとけた後、幼馴染に好きな相手がいるかだとか、好みのタイプはだとか、完全に小学生女児にありがちな恋バナであった。


 そう、今回は、と言うように、この話し合いはその後も何度か開催されたのである。


 というのも、将軍は将軍なりに幼馴染にアピールをし始めていたのだ。

 世界が危機に見舞われている時に、と思われがちだが、こんな時だからである。


 アベルは死ぬつもりは勿論ないし、仲間たちだってそうだろうけれど。

 だが、危険と隣り合わせの世界に生きているのだ。

 明日が必ずやってくるとは限らない。

 だからこそ、いつ何が起きても後悔しないように生きていかなければならない。


 俺……この戦争が終わったら結婚するんだ、という前世で死亡フラグじゃんそれ! と言いたくなるようなものがこの世界ではゴロゴロしているのだ。

 たとえ王国に村が滅ぼされなかったとしても、村が平和であろうとも外には魔物がいるような世界だ。

 村の外に用事があって出た時に魔物に襲われるだとか、はたまた村に魔物がやってきただとか。

 そういった危険が常にあるようなところだ。

 まぁ明日でいいだろう、なんて思っていたらその明日が来なかった、という事も、いくらでもあったのだ。


 そうでなくとも将軍は戦いの中に身を置いて、更には裏切り者として帝国から逃げたような状況である。

 帝国を救うためとはいえ、裏切り者の汚名のせいで本来の彼の味方になるだろう者たちからも敵とみなされてしまった。家もきっと、取り壊されているのでないだろうか。

 ゲームでは確か、ラスボスを倒してエンディングの後で、誤解がとけて汚名は返上されたけれど。


 だが、将軍はそれを知らない。

 既に故郷に戻れない彼は、全てが終わった後、行くアテもないと思っているはずだ。ゲームではそうだった。実際は帝国に戻れるし、今までの汚名も全てはこのために自ら泥をかぶるような真似をしたと言われ、故郷で英雄として扱われるようになるのだが、それを知らないので全部終わったらのんびりと旅に出てどこかいい場所があればそこで骨を埋めようとか考えてるはずなのだ。


 だがそんな彼が、恋をしたのだと言う。


 エンディング後の将軍は故郷で将軍の地位を剥奪される事もなく、日々復興に忙しく仕事をすることになってたはずだけど。

 けれど、将軍はそれで満足そうだったから。


 だからアベルは別に彼に対して何を言うでもなかったのだ。今はつらく苦しい状況かもしれないけれど、でも全部終われば失ったものが大きくても、今までの頑張りは無駄にならないだろうから。


 帝国は実力主義みたいな部分もあるから、結婚は必ずしも身分を重要視されているわけではなさそうだし、実績があれば身分もないような相手でも将軍の妻にはなれると思う。


 世界が平和になった後も忙しそうに仕事に追われる将軍は、本人がそれで満足してるならそれでいいんじゃないかとアベルは思っているけれど、しかし同時にそのうち過労死しそうとも思っていた。まぁでもゲームだしなぁ、とさらっと流したけれど。


 だがこうして現実として存在している将軍と、それなりに関わるようになって。


 こいつ口も態度も尊大だけど、別に悪い奴ではないんだよなぁ……敵対している立場から見たらとても嫌な奴だけど。


 アベルの将軍に対する認識はこうだった。


 敵対していた時はぶっちゃけ強いし勝つのだって一苦労だったし、できる事ならもう戦いたくねー! とか思ってたけど。

 でもそれは敵の立場だったからであって、もし味方目線ならとても頼もしい人物である事は確かなのだ。


 ゲームのエンディングの時にちらっと見た将軍は、充実した日々を過ごしてたかもしれないけれど、生涯独身でいそうとも思えるものだった。


 なのでまぁ、妹分がやぶさかではないのであれば、将軍との恋を応援してもいいんじゃないかな、とアベルは思ったのだ。

 将軍がいくら彼女を好きでいたところで、向こうがそうじゃないなら無理強いはしない。


 だからまぁ、将軍に聞かれた幼馴染の言っても差しさわりの無い範囲の情報を与えた上で、アベルは微笑ましく見守るという選択肢を選んだのである。



 ――ところがだ。


 まぁ一向に進展しない。


 将軍が奥手というわけではない。

 手が早すぎるチャラ男みたいな事をしでかしたら流石のアベルもレッドカード! 退場!! とかやったかもしれないが、将軍はあくまでもさりげなく、それでいて周囲から見てわかりやすくアピールをしていた。


 けれども幼馴染はのらりくらりとした態度で、気付いているのかどうかもわからない。将軍は幼馴染に対して明らかに今までより柔らかい態度になったし、紳士的だし、他の仲間たちから見ても間違いなく恋をしているとわかるくらいになっているのに、幼馴染の態度が終始一貫して今まで通りなのだ。


 最初に将軍に話があると幼馴染への恋をカミングアウトされてから、それなりに時間も経過して旅立ってもう終盤に入っていると言っても過言ではないのに、まー見ててじれったいくらいになんの進展もない。

 ゲームで言うところのエンディングまで目前だぞ。そろそろラストダンジョン突入なんだが!?

 と、相談されて脈がなさすぎて落ち込んで凹んでいる将軍を時として慰めたりしていたアベルは思い始めていた。


 他人のコイバナで盛り上がれるようなタイプではなかったのだが、それでも何度も話を聞いて面倒をみていると、多少は愛着がわく。

 例えるならば、近所で拾ってきた野良猫が不細工すぎて可愛くねぇなあと思っていても、それでも面倒を見ていくうちにすっかりめろめろになるようなアレに似ていた。

 まぁアベルは将軍にメロメロになる事はないと胸を張って言えるが。

 それでも、あれこれ努力をしている相手を見てきたのだ。

 愛着かどうかはわからなくとも、応援する気持ちは芽生えていたのだ。


 仲間になった当初は他の仲間たちからも警戒されるような目を向けられていた将軍だが、今ではほぼ打ち解けている。それもあって、他の仲間たちからも将軍の恋はひっそりと応援されていたのだ。


 これが他の女にも目移りするような奴だったならそうはならなかっただろうけれど、将軍はずっと幼馴染だけを見てきたのだ。一途に。情熱的に。だがそれが相手の負担にならないよう紳士的に。


 将軍が仲間になる前の帝国にこっそりと侵入していた時、アベルの周囲に聞こえてきた噂話では、将軍はかなりおモテになる感じだった。

 まぁわからんでもない。

 顔は良いし体格も将軍として鍛えられているので、こう、いかにも! という感じがする。更に家柄も良く、将軍という地位もあって理想の王子様! とまではいかなくても、素敵な殿方という印象が帝国内での将軍の評価だ。年齢だってまだ若いし、結婚相手にしろ恋愛をする相手と考えるにしろ、どっちにしたって悪くない相手だとは思う。

 流石に敵対していた頃のアベルたちに向けるような態度を女性にとるようならアウトだけど、仲間になってからのこちらの女性陣への態度を見る限りそれもなさそうだった。


 アベルがもし帝国に生まれ育っていたのであれば、将軍はある種の憧れのような存在になっていたかもしれないのだ。まぁ転生した事に気づく前までなら、という一文がつきそうではあるが。


 幼馴染はそこまで鈍かっただろうか。

 アベルは訝しんだ。


 いや、一応好意的な振る舞いをされているという事くらいはわかっているだろう。

 もしかしたら、今はそれどころじゃないから、と考えている可能性もある。

 なら、この戦いが終わったら、とか明らか死亡フラグのような言葉であっても伝えれば、何かが変わるかもしれない。


 ちなみに将軍にはアベルと幼馴染がずっと一緒にいたという事もあって、既にお前ら付き合ってたりする? という探りも入ったのだが、それだけはなかった。

 仲間の一人にアベルに恋をしている相手がいるのだが、彼女も当初はそんな風に勘繰って、幼馴染にあれこれ話をしたり聞き出そうとしたりしていたのだ。幸い情報を集めるだけで済んだので、身近にいる恋敵になるかもしれない邪魔な女を追い出してやろう、とかそういった類の嫌がらせはなかったものの。


 その時に妹分はきっぱりと言い切ったのだ。


 たとえ世界に男がアベルだけで、女が私だけになったとしても子孫を残そうとか思わない、と。

 もし、あの人と結婚しないと世界が滅ぶとか言われたら、滅んでしまえそんな世界ってなる、とも。


 えっ、そこまで嫌われてたのか俺は……!? とアベルはその言葉を聞いてとてもショックを受けたのだが、妹分曰くだって兄妹で近親相姦は流石にちょっと、との事だった。

 血の繋がりは一切ないのだけれど、あのちっぽけな村で生まれた時からずっと一緒だったので。

 妹分の中では血の繋がりがあってもなくてもそういう相手にしか思えないとの事。


 もし、自分の生まれがここじゃなくて、貴方みたいに出会ったとしたら恋をしたかもしれない。


 それが、妹分がアベルに恋をしている仲間に告げた言葉だった。


 言われてみれば、アベルもあいつの事は幼馴染で妹分としてしか見ていない。

 血の繋がりがなくたって、すっかり自分の中では家族も同然なのだ。


 もし、改めて関係性をしっかりさせろと言われたとしても。

 結婚という形で繋がるのではなく養子縁組とかになりそうだなとアベルは考えてしまった。


 その時のエピソードも将軍に伝えれば、彼はあからさまにホッとしていた。

 彼の目線から見れば、確かに最大のライバルっぽく思えたのだからその反応も当然か。


 とりあえず次はもうちょっとハッキリとした言葉で伝えてみる、と将軍は言っていた。

 もし振られたとしても、ラスボス倒すまでは彼も共に戦ってくれるだろうと思っているから、健闘を祈るとだけ伝えておく。それに、もしそこで振られても、ラスボス倒した時には気持ちが変わっている可能性もゼロではない。

 敵だった時はホンット厄介な相手すぎてクソが……! という罵倒を何度も心の中でしてしまっていたけれど、味方として接しているうちに彼にも幸せになれる道があるならそうなって欲しいな、と思う程度には。


 アベルは将軍の事を悪くは思っていなかったのである。


 まぁ元々ゲームでそれなりにどういった人物かというのを知っていたのも大きい。



 そういうわけで、将軍はとある日、買い出しに出かけた妹分に付き添って出かけていった。

 気になりすぎてこっそりとアベルは後をつけた。

 ゲームだったら絶対イベントになってるだろこれ、とか思いつつ。

 最終決戦を近くに控えているので、必要な物資はいくら用意しておいたっていい。ゲームと違って負けたらセーブしたところから再開、というのは無理なので消耗品はたっぷりと用意してきてくれ、と妹分に伝えていたのもあって、荷物持ちとして将軍がついていく事も不自然な状況ではなかった。


 そうして買い物をほとんど終わらせた後、目についたカフェで休憩をしてから帰ろうという事になり、二人は席に案内されていったのだ。

 念のため変装していたアベルは、彼に恋をしている仲間と共にカフェに入った。ちなみに仲間も変装をしている。将軍にバレたとしても、幼馴染が気付かなければ問題はない。


 ともあれ、一同は特に悩むでもなくメニューを決めていた。


 アベルは将軍と妹分の方を露骨にならない程度に気にしていたし、それは付き添った仲間も同じだった。妹分の態度から、緊張しているだとかの気配は一切ない。将軍は少しばかり緊張しているように見える。


 凄い、これだけ見ると完全に脈なしなんじゃ……という仲間の声が聞こえたが、アベルは否定できなかった。


 注文したメニューが運ばれてきて、妹分はパフェを頼んでいたようだ。早速上から崩しにかかっている。

 将軍はそれをどこか微笑ましそうに見ていたが、ある程度食べ終えた頃合いを見計らって彼は口を開いた。


「好きだ」

「そうですか」


 初手告白はあっさりと受け流された。


「君の事を愛している」

「そうですか」


 あえてもっと強めに好意的な気持ちを伝えたのに、返事が全く同じである。


「君は、俺の事をどう思っているのだろうか」

「先陣切って敵を倒してくれるから後方支援が楽だなって思ってます」

「そ、そうか」


 いやそこ何でちょっと嬉しそうにしてるんだ、とアベルは思ったが、実力を認めてもらっているという受け取り方をしたのであれば気持ちはわからんでもない。

 何で敵だった時あれだけ強かったくせに仲間になった途端弱体化してるの、とか最初にアベルが思ったみたいな事を言っていたらきっと立ち直れなかっただろう。


 ちょっとほわっとして嬉しそうな雰囲気の将軍は、しかしそこで攻める機会を逃した。


 その間に食べ終わった妹分はさっさと席を立って、そろそろ帰りますよと言って伝票片手にレジへと向かっていったので。


 うわ俺の妹分強い、と思ったのは、仕方のない事だった。


 普通、仮にも告白されたんだから、もっとこう、何かあるだろ……?



 と思ったので、お節介だなと思いつつもアベルは一肌脱いで妹分に将軍のことをどう思っているのかそれとなく探ってみようかと思ったのである。もしも妹分も将軍の事をちょっとでもいいと思っているのなら、これから挑むラスボス戦、きっと将軍は張り切って戦ってくれるだろう。未来に望みがあるかどうかでモチベーションって大分変わってくるので。


 好き、と言われてもどうしていいかわからない、とかそんな事を言われたら、じっくりと考えてみたり相手と向き合ってみてもいいんじゃないか? なんてそっと背中を押してやるつもりだった。

 ちなみに今回は将軍とその他の仲間たちがそっと変装をして周囲にいる。

 この前のカフェとは違う店だけど、客のほとんどが仲間たちだ。

 知らず公開告白みたいな事をさせる事になっているかもしれない、と思ったけれど、それだけ皆この妹分の事を心配したり案じたりしているのだ。もし妹分が将軍の事をよく思っているなら皆全力でそれとなくサポートするつもりだったし、そうでなければ将軍を連れて酒場にでも行って盛大に慰めてやるつもりだった。


 そう、これはもう将軍と妹分だけの問題ではなかったのである。



「そういやさ、お前将軍の事はどう思ってるわけ? なんかここ最近態度も随分柔らかくなってるし、明らかアピールしてるしあれ絶対お前の事惚れてるだろ。告白とかされてないの?」

「好きとは言われたし愛してるとも言われた」

「えっ、それでそれで? お前はなんて答えたの?」


 あの時カフェにいたと思われないように、初見のような反応をして話を掘り下げる。


「そうですか、って返した」

「それだけ?」

「どう思ってるか聞かれたから、敵を率先して片付けてくれてるから後方支援は割と安全になって助かってるとは言ったよ」

「いや、それ違くないか? 好きって言われてどう思ってるか、ってそれお前はどうなの? って事だろ?

 好きか嫌いかで答えてやれよ」

「……好きか嫌いか、で言うとよくわからない。ただ」

「ただ?」

「奇特な人だなぁと思っている」

「奇特? 自分みたいなのを好きになって、って意味でか? 流石にそれは自分を卑下しすぎだろ」

「そうじゃなくて」

「え?」

「感性死んでんのかなとか、性癖歪んでるのかなとか、情緒ぶっ飛んでるのかな、って意味での奇特」


「……ん?」


 どゆこと?


 あれ何か思ってるのとは全然違う方向性に舵を切り始めたぞ、と思ったアベルは、周囲にいる仲間たちもそれとなく困惑した様子なのを見て更に話を聞きだす事にした。

 妹分が周囲の彼らに気付いていてもいなくても、どっちにしてもここでの話題を仲間たちが切り出すわけにもいかない。

 そうなると、ここで会話が終了したら仲間たちもさぞやきもきする事になるのだ。

 流石にそれは今後の事を考えると良しとはできない。



「え、だって」


 妹分はアベルがどうしてそんなことを聞いてくるのか理解できない、と言わんばかりに僅かに首を傾げた。

 それから斜め上のあたりに視線をやって、んー、と考え込む。


「んーとさ、アベルは、道端で今にも死にそうなくらい弱ってる……蝶々とか、ダンゴムシとか蝉とか……まぁなんでもいいや、ともかく虫を見てムラムラする?」

「しねぇよ」

「私も。しない。でもあの人はするんだなって思ったら、感性終わってんなって」

「まてまてまて」


 片手をあげて妹分の発言をストップさせる。


「あの人は虫とセックスする事になんの抵抗もないのかと」

「まてって言った!」

「えぇ? 自分から話振っておいて。どう思ってるかって聞かれたから正直に答えてるのに」

「なんでそうなった!? お前は虫じゃないしあいつがそういう特殊なヘキを持ってるって聞いた事ねぇぞ!?」


 普段周囲と積極的に話をしたりしないし、必要最低限の会話しかしないから今も妹分は引っ込み思案のように思われているけれど、自分の意見が言えないわけではない。

 だが、普段おとなしいやつの口からとんでもワードが飛び出してくるとその分インパクトもとんでもないので少しは配慮というものを覚えてほしい。

 アベルは切実にそう願った。


 なんだ。一体何がどうなっている。

 つい変装した将軍がいる方向へ僅かに視線を移動させたが、将軍は沈痛な面持ちで首を横に振っている。心当たりがないらしい。だろうな。

 正直アベルも妹分が何を思っているのかさっぱりわからなかった。この中で一番長い付き合いであるというのに。


「えぇとさ、あの人が敵対してた時、何度か戦ったけど」

「あぁ、うん」

「その時虫けらの分際で、とか虫けら風情がとか、虫けらのくせに、とか結構そういうセリフ言ってきてたじゃない?」

「あー、言われてみれば……?」

「つまり、彼の中で敵対していた自分より弱いとみなしていた相手は虫扱い。

 今は味方になってるけど、でもだからってすぐに手のひら返して人間だと思えるのかな、って」

「おい」

「だってそんな簡単に見ているモノの価値観ってコロコロ変わらないでしょ? 魔法で見た目を変えてるとか、敵は人間に見えない呪いを受けているとかでもない限り。

 そう考えると、あの人の根底にはまだ私たちの存在はちっぽけな虫けらだった認識が残ってるとみてもいいと思うの。

 で、虫けらだと思ってた相手が人間だと自覚して、恋をしたとか愛したとか言ってもさ。

 いつまたその価値観が戻らないとも限らない。そうなった時、この人は虫とキスしたりセックスしたりする事になりかねないんだよなって思って。

 いつか、黒歴史になったりするんじゃないかなぁ、とか考えたりもしたけど。

 どっちかっていうと私、虫とセックスできる性癖の相手とはちょっと……」


 ドン引きです、と言わんばかりの態度で言われてアベルは思わず天を仰いだ。


 同時に周囲にいた仲間たちの目も将軍へそっと向けられた。将軍はアベルと同じように天を仰ぐ――なんて事はせず、どこぞの司令官のようにテーブルの上に肘をおき手を組んだ部分に額を押し付けるようにしていた。


 将軍と戦った事のある仲間たちの表情がとても生温いものになっている。


 口に出してはいないけれど、間違いなく周囲は「あぁ~、そういや言われたっけなぁ」とか言いそうな顔をしていた。


 妹分の理論は正直ちょっとぶっ飛んでる気がしないでもないけれど、でも虫けら扱いをしていたのは事実なので。

 そして過去にそんな風に言い放った相手に恋をした結果、妹分は虫扱いしてる相手に恋を? えっ、ということはつまり恋愛対象は人間ではなくどちらかといえば虫? この世界の虫は魔物とかなら人間より大きいのいるからヤろうと思えばできなくもないと思うけど……などと思ったに違いない。聞いた時はなんて突拍子もない事を言い出すんだと思ったが、しかしいざ話を聞けばまぁわからんでもないかな……とアベルは納得した。どうしてそういう考えに至ったのかもわからなかった時に比べれば、幼馴染の言い分は理解できてきたのだ。


 どうしたものかとアベルは悩んだ。


 いや、あれはものの例えだぞ、比喩表現ってやつだ、と言ったところで妹分がさらっと納得してくれる気がしない。というかわかった上で言ってるんじゃないかと思う。

 その上で、妹分は将軍が特殊性癖持ちだと思っている。

 いや、思おうとしている、のかもしれない。


「そんな事よりも、私としては故郷滅ぼした挙句うちの国にいらん争いごともたらして帝国やほかの国も混乱に陥れた黒幕をぶち倒す方が重要だから。

 あの人はほら、そのうちどっかで自分の体格に見合うハナカマキリとか見つけて真実の愛に出会うんじゃないかな」

「そんな予定はきっとないと思うが」

「そうかな? ご待望の体格も丁度いいサイズの虫けらとか見たら人間の小娘とか興味なくすんじゃない?」

「将軍の性癖はきっとマトモだし、あいつは異種族よりも同種族で異性愛者だと思うんだ」

「あぁ、そういう風に振舞ってないと人間マイノリティはすーぐ迫害するもんね」

「そうじゃない……そうじゃないんだけど……いや、はぁ、もういいや……」


 何を言っても妹分が将軍に対してこの場でときめいたり恋を自覚するとか将軍を意識し始めるといった様子はない。駄目だ。さっき言ってたとおり間違いなく黒幕、つまりはラスボスをぶちのめす事しか考えてない。

 幼馴染は昔からおとなしかったけれど。中身までもがおとなしいとは限らなかった。

 故郷が滅んだ元凶は間違いなくタダでは済まない。


 戦闘とは無縁そうなくせして、後方支援にいるけれど妹分は攻撃魔法が馬鹿みたいに強力なのだから。

 将軍はまだ見てないから知らないだろうけど、妹分も戦闘でテンション上がり過ぎたら何か魔王みたいな高笑いしたりするし、俺から見れば二人はお似合いなんだけどなぁ……と思うものの。


 今無理にくっつかれるとそれはそれで何か恐ろしいものが爆誕するような気もしたので。


 とりあえず妹分が将軍に靡かない理由は一応知っただろうし、俺にできる事はこれまでだ……! とばかりにアベルは伝票を手に立ち上がったのである。



 ――そうしてその後。


 転生して中身が完全に主人公ではないためにもしかしたら負ける可能性もあり得るぞ……!? と思っていたがどうにかアベルは黒幕を倒して世界を救う事になったのだ。


 だがしかし、転生してゲームとほぼ同じ展開を進んでいたこの世界を救う事はできたけれど。


 妹分と彼女に恋する男の仲を結びつけるなんて事だけは。

 流石の勇者でもそう簡単にできるものではなかったのだ。


 そもそもゲームに妹分はいなかったし、そしてそんな妹分に元は敵だった将軍が恋に落ちるなど、原作知識にないものなので。

 原作知識も前世の記憶もぶっちゃけ何の役にも立たなかったのである。



 とりあえず。


 アベルにできる事は二人の仲をそっと見守る事だけだ。



 なおこの後割とすぐに将軍が手を貸してくれと頼み込んでくるのだが……


 二人が上手くいくかはまた別の話である。

 何故って妹分の思考はたまにアベルでも理解できない事があるので。

 前世の別の世界とこの世界、二つの世界の常識や知識を合わせても妹分の存在は理解できる日がきそうにないのだ。この世界で生まれ育った将軍からすれば妹分の存在はもっと未知なのではなかろうか。


「ま、俺は応援してやるよ。面白そうだし」

「おぉ有難うよお義兄様!」


 他人事のように言う俺に、将軍は自棄になって叫んだのである。

 妹分も転生者でこのままだと自分は死ぬかもしれないからアベルにくっついとこ、って可能性はあるかもしれないけど、普通の現地人の可能性もあります。どっちかは想像にまるなげ。


 次回短編予告

 ずるいっていう妹が出てくるテンプレ系。

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― 新着の感想 ―
[一言] 妹分の価値観に共感せざるを得ない・・・ぶっちゃけ、私の価値観と同じです。 将軍が本気で相手を虫けらと思っていたのかは不明ですが、少なくとも虫けらと呼んでもいい相手・呼ぶ相手であったことは事…
[良い点] 幼馴染ちゃんのマイノリティへの理解があり過ぎるwww [一言] なんだろう、この…… 「こんな超濃いキャラがプロローグで死亡するモブだと!?馬鹿な!」感と、「いや、プロローグで排除しとかん…
[一言] 妹ちゃん凄い…でも気持ちわからなくはない。 でも一回そう思って思い詰めてしまうとなかなか直せないし、まぁ直す必要もないよねっていう… 将軍次行ったほうがいいよ次!!
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