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龍神の一瞥

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

暑いので外に出たくない気持ちと、社巡りたい気持ちで頭を抱えてます。

そろそろ、お会いしなければ。本当に愛想を尽かされてしまいます。

本日の天気は晴れのはずだった。カンカン照りの太陽が照り付ける日になるはずだった。けれども、ふと外に出て駅へ向かって歩くと、手の甲に生ぬるい感触がした。水滴であるとすぐに気が付いた。雨が降る。全てを洗い流す禊の雨が降る。


同じクラスの子に不思議ちゃんがいた。なんでも家系的に憑き物が見える筋のようで、私を一目見るなり、『君は晴れ女だね』と笑った。

実際、何か行事がある時は勿論、外に出る時は余程のことがない限り天候は晴れだった。お陰様で体育祭や文化祭も濡れる事無くこの歳まで生きていた。

しかしある時、気紛れに社を訪れた事から自体が一変する。それまでは何処に行くにも太陽が顔を出していたのに、最近は専ら雨が降ることが増えた。五月雨のように優しく長く続く雨ならば良かったのだが、酷い時には嵐になった。吹き荒ぶ風と、叩き付ける雨と、唸る雷が揃った台風になった。

今の今まで晴れ女だったのだから、今更雨女になっても文句言うな。と言われそうだが、夏場を覗いて晴天の方が気分が良い。ずっと傘と友達でいるのも、靴が濡れるのも気が引ける。

そんな時に、同窓会の報せが入ってきた。あの子は来るだろうか。見える筋のあの子は。

結果、彼女は席に着いて、出された料理を一人で頬張っていた。声を掛けるのを躊躇っていると、彼女の方から目が合った。暫く見詰めること数秒、口の中の物を飲み込んでから、手招く。此方へ来いと言う事だろう。

「今は雨女だね。台風を呼ぶと言っても良いかも」

「どうして分かるの?」

「気配。近々、龍神様に目を付けられる様な事したでしょう? 何でも良いよ。白蛇見たとか、龍の雲見たとか、社行ったとか」

思い当たる事を立て続けに述べながら、酒をちみちみと嗜む。気配が変わった気がした。さっきまでの人間性が失われ、鋭い眼光が私を射抜いた。

「神社に行った」

「じゃあ、それかな。元々君はお稲荷さん系列だから、龍神様の興味が失せればまた晴れ女に戻ると思うよ。そこまでの執着じゃなくて、一瞥程度のものだから」

そう言って、またきゅぃきゅぃと酒を啜る。あんまり重大な事では無いようだった。だったらもっと、真剣に物を吐く子だったから。

彼女の宣言通り、一ヶ月を過ぎる頃には晴れ女に戻っていた。けれども時折脳裏を過ぎる。また訪れたら、一瞥を賜るだろうかと。

空を見ると、雨雲が空を覆っていた。ぽつりと落ちた水滴が、私の手の甲を濡らす。あの子の最後の言葉を思い出した。

「でも龍神様が会いたがったら、また嵐になる思うよ。人が喜んで笑う様に、雨を降らすから」

一時期、物凄い雨女だったんですよ。

二時間後に降る土砂降りが二時間早まって、ずぶ濡れになるとか、よくありました。

( ˙-˙ )になりました。

今は元通りです。比較的晴れが多い。暑いですね。


元々晴れ女だった子が、龍神様と目が合って雨女になる話。一柱浮かぶのは、勿論一枚下駄のあの方です。


何でも龍神付きの方は雨男、雨女が多いそうで。

付き物の方は生涯に渡ってでしょうが、一瞥程度なら一過性のものかと思います。


何はともあれ人の物差しで測れるものではないですよね。


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