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1 目覚めたのは

誰かを呼ぶ声が聞こえる。私、アスランはミンス王国の騎士たちの手によって串刺しにされ処刑された。死んでしまったはずなのに音が聞こえるなんてとても不思議だ。

もう一度深い眠りにつこうと思った私の意識を男の声が呼び起こす。


「ア…ス...!!!」


私を呼ぶ声が聞こえる。眠ってはダメだと思う。死んだはずの私はあろうことか目を覚ます。


(ここは…どこ)


うっすらと目を開けると視界に飛び込んでくるのは豪奢なシャンデリア。そして、こちらを見て驚愕を顔に浮かべた男。紫色の髪が印象的な美形(イケメン)だった。


「アリス!!良かった!目が覚めたのか!!!!」

(頭が痛い。とても頭に響く声ね)


その男は私の肩を掴み体を揺らす。近くにいた白衣を着た老人が必死な形相で止めに入る。


「レオンハルト殿下!駄目です!!!お嬢様は目が覚めたばっかりでございます!!そんなに急に揺らしてはなりません!!」

「おっと、そうなのか。悪い、アリスの目が覚めたことが嬉しくてつい我を忘れた」

「嬉しいのはこちらもよく分かります。1度診察いたしますね」

「あぁ、頼む。俺は父上たちを連れてくる」


そう言って男は颯爽と部屋を出る。メイドたちはその男が出ていくまで頭を下げ続けていた。


「お嬢様、私が分かりますでしょうか。お目覚めになって本当に良かったです」

「......」

「お嬢様?」


お嬢様とは私のことだろうか。白衣の老人は目に涙を浮かべながらこちらを伺う。優しそうな老人は心の底から安堵してるように思えた。

それにしても色々とおかしい。私はあの場で処刑されたはず、それなのになぜ意識があるのか。そして、この人たちは誰なのだろうか。


「あの...ここは?」

「あぁ、お嬢様は5日間も意識がなかったのですよ。レオンハルト殿下が倒れたお嬢様を抱えて城まで戻ってらっしゃったんです。苦しそうなお嬢様を見たら、この爺死んでしまいそうになりました」

「ごめんなさい。まだよく分からなくて」

「いいんですよ。眠いのであればお眠り下さい」


老人は私を寝かしつけるように布団を肩までかける。

途端に猛烈な睡魔が襲ってくる。私は抗えない睡魔に身を委ねた。

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