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13話 ハルス・レイアード・セファイルメトスが命じる!! コスモゾーンよ……!! この命、あと一分で燃え尽きてもいい……!! ボクの持てるすべての力を開放してくれぇぇぇぇ……!!

 

「あ、ちなみにサナ姉様とソレ姉様もすでにタッチ済だから☆」


 一分以内にセーラを捕まえて、「犯人はセーラ」と言わなければ、ハルスもサーナもソレーユも『邪悪なる波動』により、『外への破滅衝動』もしくは『内への破滅衝動』に支配される。


「二人ともおねむだから、暴露積めないから一時間後だけどね?」


 だが、姉たちは、何らかの力で眠らされており、ハルスが『壊れ墜ちた』時点で、二人の姉も確定的に『壊れ墜ちる』ことになる。



 ハルスは迷わなかった。



「ハルス・レイアード・セファイルメトスが命じる!! コスモゾーンよ……!! この命、あと一分で燃え尽きてもいい……!! ボクの持てるすべての力を開放してくれぇぇぇぇ……!!」



 赤いオーラに包まれるハルス。



「絶死を積むの? あーあ、つまんない。それじゃただの普通の自殺じゃない……」


 ガッカリした様子のセーラ。


『絶死のアリア・ギアス』を積んだことでハルスの存在値が50から100程度まで上昇した。


 存在値100というのは、この中級世界エックスでは、破格も破格の数値。


 だが、この世界の『裏番付』には、200を超える『殿堂者』がおり、ハルスもいずれそこに含まれることが目される逸材であり、そんなハルスのコアオーラであればもっと高い数値になってもおかしくなく、不自然に低いと言わざるを得ない。


 まるで、この世界でハルスが100を越えることが決してないというような作為が感じられた。


 絶死を積んだ以上、ハルスは一分後に死ぬ。


 ハルスの魂は、自殺と同じく所有権をなくし、消滅の憂き目を見る。


 だが、それまでにセーラを捕まえれば姉たちは助かる。


 双子の姉がこのように堕ちてしまった原因は、自分自身にあるとハルスは考えており、自らの命を賭して、セーラの過ちを正し、できれば、残された生で被害者への贖罪をして欲しかった。



 もちろん、このままでは、セーラを捕まえることは絶対に無理だということは分かり切っており、ハルスは淡々とバフをかけまくる。



「疾風、ランク7」


「迅雷、ランク7」


「縮地、ランク7」


「健脚、ランク7」


「龍脚、ランク7」


「鬼脚、ランク7」



 さながら某少年探偵のように、ハルスの脚の筋肉が増強し、バチバチと紫電が弾け、風を纏う。



「セーラ!!」


 駆ける。


「ほいっ、はいっ、くるっと、な」


 セーラは部屋から出ることなく、ハルスの手をかわしている。


 その間にも、ハルスは、生来のスペシャルを発揮したり、新たなスペシャルが目覚めている。



 ○ブルーツースペシャル

 『ピンチに強い』

 『チャンスに強い』

 『早い』



 ○プルースリースペシャル

 『スピードスター』

 『超早い』



 ○ゴールドスペシャル

 『韋駄天』

 『未来予知』

 『楽園銀河』

 『星降腕輪』







 しかし、それでも――――――足りない。



「ふわ〜、眠た……ねぇ、もう寝ていい?」


 半分うつらうつらとしながらもセーラは、ハルスの手を余裕でいなす。


 ハルスの類稀なるセンスをもってしても、セーラを補足することは叶わなかった。


 セーラは、『邪悪なる波動』で自殺させた者の魂から、存在値だけでなく、経験値、つまり、戦闘力もしっかり回収していた。


 そのため、最小の身のこなしで、身体の方向を変えられるし、ハルスが次どこを狙うのか、先の先まで読む力も身につけていた。


 絶えず進化し続ける超々々々天才のハルスであれば、10分もすれば、セーラを捕獲するレベルにまで、戦闘力を上昇させることができるのだが、絶死を積んだ一分間では足りない。




 だが――――――残り――――――10秒で――――――




「捕まえた……! 犯人はセーラ!!」




 奇跡がおこる。




 まさか、まさかの大逆転劇。



 ハルスは、セーラを捕まえ、『邪悪なる波動』を解除する言葉を口にすることに成功したのである。



「そんな……そんな馬鹿な……!?」



 セーラが信じられないといった顔をするが、ハルスの顔は、険しい。





 何故なら――――――





『邪悪なる波動』に目覚めるカウントダウンが一向に減らないからだ。





 セーラは、にやりと笑うと、



「『⑤暴露のアリア・ギアスにより、発動まであと一分となりましたー☆』……と言ったが、それは嘘だ、よーん☆」


 などと言うではないか。


「あ、ちなみに、解除の条件は、わたしを倒すこと。殺してもいいし、気絶させてもいいし、負けを認めさせてもいいよー☆ はい、本当に『暴露』を積んだので一分だけ短縮ぅー。あと、58分以内に倒してね☆ って、あと、数秒でハルスは死んじゃうね☆」


 この間にもハルスは、命尽きるまでセーラを手を尽くすが、戦闘力という点でも一歩及ばない。


 現時点では冒険者試験にまだ挑戦しておらず、セファイル王国内にはまだ勝てない者が数人おり、その一人は、ソロウ侯であり、もう一人はセーラが『邪悪なる波動』で自殺せしめたサーバンパパ侯だった。


 セーラの中には、このサーバンパパ侯の戦闘力もしっかりと取り込まれており、彼の『静かなる』という異名の元となる『後の先』により、セーラはハルスがどこを狙っているのか、目を閉じていても、分かる。


 先ほどわざと捕まったのも、ハルスに希望をもたせ、すぐさま絶望の淵に叩きつけるためだった。


 残念ながら、ここから逆転の一手はない。


 助けも来ない。


 つまり、あと数秒で――――――ハルス、死す。









今回の二次創作要素(の一部)を紹介!



 ・ランク魔法「疾風」、「迅雷」、「縮地」、「健脚」、「龍脚」、「鬼脚」

『原典』には、これっぽっちも登場しませ〜ん!


 ・ブルーツースペシャル『早い』

 ・プルースリースペシャル『スピードスター』、『超早い』

 ・ゴールドスペシャル『韋駄天』、『未来予知』、『楽園銀河』、『星降腕輪』

 『原典』には、これっぽっちも登場しませ〜ん!




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