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12話 この『事件』の『犯人はソル』でしたー。あとは『ただの余談』でしかないから見なくてもいいよー

あけましておめでとうございます!!

今年も本作品をよろしくお願いします!!

 

 事件の初期からハルスは、被害者と自身の接点とに気づいていた。


 ハルスはセファイル王国内の貴族関連の問題を2、3歳の時に解決していった。


『ソレ』はセファイル王国だけの問題ではなく、精霊国フーマー、カル帝国、トーン共和国、ミルス王国、セア聖国などの六大国家や諸国にも根ざした問題だった。


『ソレ』は………………上位存在の糞塵屑化だった。


 どれほど幼少期から倫理、道徳、常識、規範を教え、本人も心の底からその秩序に準じていても、『ちょっとしたこと』、『目を離した隙』に、下位の存在を喰い物にし、なぶり、犯し、殺し、悪逆非道に準じてしまうのだ。


 もちろん、『家系的に倫理道徳糞ゲロなる一族』の貴族も多く存在し、『生まれたときから奴隷畜生いたぶるのが好きですけど何か?』な『スーパーウルトラハイパークレイジーお貴族様』は掃いて捨てるほどいるのは事実であるが、『そうでなかった善良そのものの貴族』も堕落してしまう『謎の糞ムーブ』がこの世界、いや、他の異世界にも確かにあった。


 世界を回していくために必要な魂魄エネルギーは、『強い感情を持ったほうが多く得られる』、『拷問とか目の前で希望から絶望させた方が強い感情を生み出す』という安直すぎる理由で、『世界運営に関わる何か』がそんな糞ムーブを全世界に撒き散らしているのである。


 もちろん、はじめから、そんなことせず、こつこつと『誰もが輝く明日を望める世界』を実現すべく、運営してた時期があったのかもしれない。


 だが


 この世界の真理を合理を理解しようとすればするほど、コスモゾーンのさらに深淵の深淵から『どうして俺がいるのか?』という※※の『とある人格を持ったダレカ』の気が狂いそうな問いが木魂し、そのさらに深淵からは『どうしてボクがいるの?』というもの悲しげな呟きが聞え、さらに深淵からは…………という無限の入れ子構造的な『究極的に答えのない哲学的な問い』が永遠に聞こえてきて、『彼ら』の『クエスチョン』に『アンサー』を与えるべく、『世界運営者』はせっせと世界を演算していく。


 そのために、世界がどうなろうと関係がない。


『答えのないクエスチョン』への『アンサー』がいつか『偶然に』見つかることを祈って、ひたすら、演算しつづけるしかないのだ。


 そのために、『世界の表層で動く有象無象などどうでもいい』。





 重要なのは、『猿の骨投げ』、『虫のさざめき』、『大気分子の運動』、『潮の満ち引きと貝殻の潮騒』、『マントルの対流』、『星々の描く優雅な楕円軌道』、『虚空に燦然と輝くパルサーの瞬き』、『銀河同士の静謐なる衝突』…………といった演算なのだ。






 重力井戸でひしめく『※※』に似た『ソレラ』が欲望のままに勝手に争って滅亡しようが知ったことじゃない。







 ところが






『人々の悲喜こもごも』から得られる演算力のなんと膨大なことか…………





 たった一人の人生から得られる演算力は、知的生命体のいない星の一生から得られるのと同等以上の演算力が得られることが分かった。






 だが、『究極的に答えのないクエスチョンのアンサー』並に『知的生命体の存在の継続』にかかる処理量も半端じゃないほどの演算を必要とした。



 結果、『今のところもっとも効率的な方法』は、『一部の存在にその他大多数の存在を希望から絶望に叩き落とす』という『口減らし的手法』が採用されていた。


 それがもっとも『合理』なのだ。


 故に、『世界』から『絶望』は、『舞い散る桜』のように次から次へと顕れ、消えない。




 もっとも……そんな介入しなくとも、上位者は普通に塵糞なのだけれど…………



 そんなわけで、『終わりのないモグラ叩き』のようにハルスは、目の、耳の、意識の届く範囲で、邪悪な衝動に目覚めようとする上位者(主に貴族)たちをそうなる前に救っていったのである。


 そんな彼らが『連続無差別貴族猟奇的殺害事件』の被害者であるとハルスは、早々に気づいたのである。



 つまるところ、『物語の読者』のような『大きな視点』から見れば『ただたんに元の運命に戻ろうとする力』が働いただけとも考えられるので『はいはい、いつもの展開、ソル乙』とすっとばしても『大きくは違わない』。









 というわけで…………











 この『事件』の『犯人はソル』でしたー。


 あとは『ただの余談』でしかないから見なくてもいいよー。







 めでたし。めでたし。



 ちゃんちゃん。















 本当に……………………………めでたし………………?









 いや





 ハルスにとって、そんなことを知る由もなく、今まさに絶賛、殺害され警報真っ最中だ。




 そして、ハルスは、『事件の被害者』のとある共通点にも気づいていた。


 それは、前者と被ることになるが、つまり、それこそがハルスの判断を鈍らせた原因でもある。



 つまり……



 セーラが接触した者から『殺害』されていったのである。



 ハルスとセーラの入れ替わりに気づくものは暗部含めておらず、二人の姉くらいのもので、セーラがハルスとして行動する場合、基本的にお供はつけない。


 つける必要がないほどの強者であり、3歳の時点で諦められた。


 このことに気づいているのは、ハルスと……サーナのふたりのみ。


 ハルスに遅れ、サーナも『事件の被害者の共通点』に気づいたが、サーナは『ハルスの実績を妬んだ者の犯行』と推測し、ハルスが救った者は膨大なため有効な対策はできず、犯人の具体的な目星はついておらず、あくまで推測でしかなく、へたに周囲に言うと、ただでさえ、底に落ちた弟の評価を下げることになり、自らの胸のうちにしまいこんでいた。


 ところが、サーナは気づいてしまう。


 サーナは、自身のブルースリースペシャル『魂魄コンパス羅針盤コンパス』により、セファイル王国内であればかなりの精度で身内がどこにいるのかわかり、『ハルスちゃん定点観測日誌』なるものには、ハルスが毎分、どこにいたのか記された狂気の書物があるのだが、もちろん、ハルス同様に可愛らしいセーラの『セーラちゃん定点観測日誌』もあり、観測を読み返した際に、



「あ、あれ………? セーラちゃんのあとに『例の事件』が発生してる〜……? き、気のせいよ〜……! これはきっと陰謀ね〜!」


 セーラの行く先と事件の関連に気づくがまだ5歳児のセーラがそんな事件に関わるなどサーナはとうてい認めるわけにはいかなかったが……



「セーラちゃんがシーハちゃんに会ってる……? シーハちゃんたら……登ってる……?」



 最近は城内でのセーラの動きをサーナは無意識に追っており、シーハを毛嫌いしているサーナからシーハに会うことは珍しく、しかし、シーハが屋根に登るのは珍しくないので(よく蝉の孵化の真似をするので)、心ざわめきつつ、なんでもないと自分に言い聞かせていたが――――――惨殺体を目の当たりにして、確信に至り、サーナの心はその負荷に耐えきれず思考を放棄してしまったのだ。



 ハルスはそのことを指摘していく。


 もちろん、その推理には穴がある。


 セーラの会う全員が全員、惨たらしい死体となっているわけではないのだ。


 生き残ったのは、セーラよりも強者だったり、誰にも気づかれずに殺害可能な条件を満たしてなかっただけと考えれば、塞がれる小さな穴でしかないが……





 そんな状況証拠でしかないハルスの推理をセーラは、




「せいか〜い☆ 身内可愛さに思考放棄したハルスきゅんには、わたしの『ゴッドクリムゾンスペシャル』『邪悪なる波動』の餌食になってもらうね☆ あ、このスペシャルの効果は、『人類に普遍的に根源的に潜む邪悪性を増幅させ、殺戮衝動、破壊衝動、残虐性、嗜虐性、倒錯性、背徳性、禁忌希求性、エトセトラエトセトラ……なんかも副次的に増幅させ、呼吸するように他者に邪悪残虐行為を働くことを至上とする原理に変容せしめるか、それらの行為に加担することに魂が耐えきれない場合は、誰にも悟られないように自身に対し、めいいっぱいの尊厳を踏みにじるような、苦痛、絶望、羞恥、禍根、不和、エトセトラエトセトラ……を引き起こす自殺せしめる。のだよ〜ん☆ 発動条件は、①対象者の頭部にわたしの手が触れながら『連続無差別貴族猟奇的殺害事件』のことを口にすること、②対象者がわたしに微かでも好意を懐いていること、これはわたしを違う者と誤解しても有効ね、好意が強いほど対象者に効果が大きい、③発動までに一時間かかる、④それまでにわたしを捕まえて「犯人はセーラ」と言えば、解除されるし、わたしから能力が消滅する』」



 と、言うと、



「はい☆ タッチしてたよー☆」



 いつもの間にか、ハルスの頭は、セーラに撫でられていた。






 つまり、






「『⑤暴露のアリア・ギアスにより、発動まであと一分となりましたー☆』」





『暴露』を積んだことで『邪悪なる波動』に目覚めるカウントダウンが短縮された。




「ッッッッッッッッ!?」






 ハルスはセーラの手を払いのけようとするが、すでにセーラは自身のベッドに腰掛けていた。





 王国の、世界の命運をかけた姉弟の『鬼ごっこ』が――――――今、開幕する――――――!!!!











 今回の二次創作要素(の一部)を紹介!


 ・『邪悪なる波動』

 『原典』では出てくる単語ですがおもにラムドに対してよく言われていた言いがかりです。人類の魔族への差別用語らしいです。

 ジョー一族に見られる『殺意の波動』と同じかも?

 本作品では、スペシャルとして登場させました。


 ・『ゴッドクリムゾンスペシャル』

 『原典』には、これっぽっちも登場しませ〜ん!

 レッドスペシャルよりも下は登場してなかったような?

 ゴールドレッドスペシャルとかにしようとしたけど上記になりました。


 ・『犯人はソル』

 今となっては、なついムーブですが、『原典』でも再登場するのかしらん? 








 舞散「やッッッッッッッッッッと『原典』で登場できたッッッ!! な、長かった……つーわけで、『ここ』でも登場させてくれよぉ。C章あたりで」


 はてさて、どうなるのでしょう?

(ゼノリカのキャラ(の詳細)が滅茶苦茶増えて、どうしよっかな……)




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