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5話 連続無差別貴族猟奇的殺害事件

 


『連続無差別貴族猟奇的殺害事件』




 それが現在、セファイル王国で発生している事件だった。

 被害者はいずれも貴族で猟奇的な殺害方法をされていた。

 その手口は千差万別で、被害者に共通するのは、貴族くらいしかなく、何者かが貴族社会を揺るがそうとしているようだった。


 貴族は単に生まれだけではなく、総じて平民よりも存在値が高く、先天的に生まれ持ったスペシャル、スキルも多く、後天的に戦闘力、グリムアーツを教育で磨く機会もおり、文字通り一騎当千も戦場でありえたりするのが、『第一アルファ世界(つまり、我々読者の世界)以外の世界』の特徴である。


 さらにセファイル王国含むこの世界では、戦場に出られるのは、存在値25以上とフーマー精霊国が定めており、総じて存在値の低いただの平民は、いくらあつまろうが烏合の衆でしかない。


 被害者のなかにはそこそこの存在値、戦闘力を有する貴族(あの『戦場の乱鬼』『ソロウ侯』と双璧をなすあの『静かなる』『サーバンチチ侯』も含まれており、当主が猟奇的に殺害されたことでその息子と歳の離れた目と脚が不自由で心臓に不治の病を抱える娘が落ちぶれ、そんな妹のために何でも癒やすという『大天使な』『禁止魔カード』なるものを求め、兄が闇社会に身を投じるのだが、それはまた別のお話……)もいたりするので、弱弱な平民たちにそんなことできるわけがなく、事件の裏にいるのはかなりの大物の貴族であることは間違いがなく、今のところ王族に被害者がでていないことから、王族が関与しているのではと猜疑の目が向けられている。


 それこそが黒幕の『真の狙い』ではと囁かれ、他国の諜報組織によるものではという見方もあるが推測の域を出ない。


 セファイル王国は、ただ歴史が古いだけの六大国家の序列万年最下位であるが、それを蹴落とそうとするほどの敵もつくらなかったので、他国の線はかなり薄い。


「ハルスちゃんはこの事件の犯人の目星はついているのかしら〜?」


「…………いえ。まだ、わかりません……」


 ハルスは考えるそぶりを見せ、首をふる。

 何か思い当たる節があるようだった。


 それを見逃す姉ではない。


「うふふ……もう少しで謎が解けそうね……謎解きを楽しみにしてるわね〜」


 笑顔を振り撒いて、サーナは去っていく。


「…………」


 ハルスは思う。


 サーナはまるで『連続無差別貴族猟奇的殺害事件』を大衆娯楽の探偵小説に出てくるようなソレと思っているようだった。


 けれども被害にあっているのは紛れもない血の通っていた人間なのだ。


 一人一人に人生があり、悲劇があり、周囲に多大な影響を与えているのだ。


 そんな悲惨な事件の真相を楽しみにするなど不謹慎も甚だしい。


 だが、やはり、彼女もまた、王族なのだ。


 一見、まともそうでも、どこか、歪んだ――――――自分と同じ――――――王族なのだ。










今回の二次創作要素(の一部)を紹介!


・静かなるサーバンチチ侯も『原典』にはこれっぽっちも登場しませ〜ん!

 その息子は…………とある人物を勝手に当てはめてます。

 なんで『彼』が『そんなところ』にいるのか、勝手に妄想した結果の妹ちゃんと禁止魔カードです(たしかたまに『コール系』で『そういうポーズ』とってるし、ハン●ターネタ多いし……)。



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