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4話 セーラちゃんったらご立派ね〜。でも、人に教える前に、まずは〜授業にでなさ〜い

 



「今日はどちらに行かれてたのですか?」


 ハルスはセーラに質問する。


「ゼンーリョ夫妻のとこだ。孤児院のヤンチャなやつらに読み書きを教えるのは大変だったぜ!」


「あはは……セーラお姉様をしてヤンチャと言わしめるなんて……凄いですね……」


 とある貴族の夫婦が戦争孤児や裏路地の孤児たちに憂いていた際に孤児院運営の資金提供や孤児たちが経済的に自立できるように教育プログラムを考えたりして、ハルスがアドバイスしたことがある。


 しかも、ハルスが3才の時だから、その神童ぶりは異彩を放ちまくりだった。


 ハルスは他にも、争い、貧困、病の絶えない世界を憂い、女神教への疑問を抱いた聖職者(欠損治癒できるほどの類稀な癒しのうら若き聖女(セーラ姿のハルスもたいがいソレではあるが……))を立ち直らせたり、蝗害に苦しむ領地(領民から好かれる良き領主)を立て直して(それには『第2王女』の力を借り、その代償は高くついたという……)、領主や領民から感謝されたりしているのである。


 けれども、王族は、それ以下の階級は、例え貴族であろうが搾取対象というのが一般的な考えのため、ハルスのその行いは、王族からすれば、王族失格以外のナニモノでもなかった。


「セーラちゃんったらご立派ね〜。でも、人に教える前に、まずは〜授業にでなさ〜い」


 おっとりとしながらもサーナは、末の妹にしっかり言うことは言う。


「へいへい」


 明らかに心のこもっていないおざなりに返事するセーラのかわりにハルスが謝る。


「ごめんなさい……」


 セーラは、生まれた時から『人類の宝』たるハルスと比べられて、ハルスがいなければ普通に王族として優秀な部類であるが、あまりにも半身がぶっちぎりで優秀すぎて、なにもセーラには落ち度がないのに、評価を下に見られていた。


 そのせいなのかどうか分からないが、セーラは、気づいたらヤンチャな男勝りの性格になり、授業を受ける気がさらさらなく、外で遊びたがりで、自ら評価を下げていっているかのようだった。


 それを見かね、今ではハルスがセーラ役で授業を受けて、セーラがハルスの代わりに、ハルスがこれまで救ってきたところの様子を見て回って、ハルスに報告するようになっている。


 そのおかげで、セーラとハルスの評価は3才の頃とは丸っ切り正反対となり、ハルスとして安堵している。


 そんなわけで、ハルスとしては、自身の評価で、半身の姉が貶められるのが嫌で、贖罪も兼ねていたりするのだ。


 セーラは自身の評価など頓着せず、双子の弟の好きにさせてるという感じだ。

 行く先々で弟の行いが褒められているのを聞いて、お菓子ももらえて、その一部を弟にあげるのも好きなようだが。


「ハルスちゃんは謝らなくていいのよ〜。それにね……最近、巷では『連続無差別貴族猟奇的殺害事件』なんていう物騒な事件が起きてるから、セーラちゃんが巻き込まれないか心配なのよ……」


「う…………気をつけ……ます……」


 サーナが本当に自身のことを想って言っていることなので、思わず、セーラは素がでてしまう。


 そんな妹に長女は胸がキュンキュンするわと言って、末妹に「う、うぜぇ……」と言われたりする。







今回の二次創作要素(の一部)を紹介!


・連続無差別貴族猟奇的殺害事件

 『原典』ではそんな事件はこれっぽっちもございませ〜ん!

 その詳細は次のお話で明かされるかもしれないし、明かされないのかもしれない……


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