3話 はぁぁぁぁぁぁぁんっ!! やっぱり、セラ×ハルよねぇぇぇぇぇぇぇ!! 尊いわぁぁぁぁぁ!!
「わたしには〜みんなの『色』が分かるのよ〜えっへん!」
サーナは腰に手を当てて得意げにするのだが、何も根拠がないわけではない。
彼女は、ブルースリースペシャル『魂魄羅針盤』の保持者であり、他者のコアオーラの判別能力に長け、特定の人物の位置を知ることができる。
『原典』でハルスがラムド(中身は最大存在値17兆の序列一位の究極超神だが)に敗れ、魔人に身を落とした際も大陸レベルで遠距離&次元ロックがかかっていてもその魂魄の変化に気づくほどの高性能の破格の能力である。
そのため、外見そっくりな一卵性双生児のセーラとハルスの見分けがつくのである。
まぁ、妹、弟大好きっ子なサーナからすれば、そんなスペシャル使わずとも普通にわずかな見た目の違いや匂いなんかで区別つくのであるが……
「というか、この『俺』が『わたし』なんて、女々しい言葉を使うかよ」
セーラがハルスの頭をポカリと叩く。
「痛いです……セーラお姉様……」
目に涙を浮かべ、痛そうな表情で抗議の声をあげるハルス。
そんなハルスにセーラは口を尖らす。
「痛いのはこっちだ。常時ドリームオーラ展開とか相変わらずお前はキショいな……ひくわぁ〜」
「そんなこと言わないで……」
涙目になるハルスに、双子の姉はオロオロとし、
「な、泣くなよ……」
ハンカチを差し出す。
「ありがとうございます……セーラお姉様……」
同じ身長なのにどこか上目遣いで感謝するハルス。
そんな様子にサーナは、鼻血を出しそうな勢いで、
「はぁぁぁぁぁぁぁんっ!! やっぱり、セラ×ハルよねぇぇぇぇぇぇぇ!! 尊いわぁぁぁぁぁ!!」
などと意味不明なことをのたうち、そこら中をのたうち回る。
部屋には妹、弟以外にメイドが隅っこで黙々と掃除をしているが、気にもしない。
貴族の中の貴族の王族なので、そもそも庶民のメイドの存在など眼中にない、というよりも、ただ単に興奮したいから興奮したのであって、この場が、他国の王子も招く、親善パーティーの場であってもサーナ王女は、気にせずのたうち回っていることだろう。
それほどまでにサーナは、妹や弟を溺愛する。
天使のように可愛い弟のハルスに至っては、密かにハルスファンクラブを立ち上げて、初代会長に就任しているほどである。
今回の二次創作要素(の一部)を紹介!
・ブルースリースペシャル『魂魄羅針盤』
そんなスペシャルは、『原典』にはこれっぽっちも登場してませ〜ん!
でも、サーナの心臓は望む望まないに関わらず、ハルスのオーラを感知してしまうようです。
サーナのミドルネームを『リーシンキザージュ』にしようかと迷ったのは、ここだけの話。
・ハルスファンクラブ初代会長
『原典』ではそれこそ『蛇蝎』のごときサナ姉は愚弟を嫌ってますが、きっと昔はそうじゃなかったはず。
『あのバカ』になんとなく『温かみ』を感じたのです……
というか、サナ姉の喋り方『原典』と全然違うじゃん。
25才になるまでに一体何があったんでしょうねぇ……(ニチャア)




