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椅子に座ると女将さんが直ぐにお茶とお茶菓子を出してくれたので頂く事に。
「あ・・・これって結構いいお茶じゃないですか。僕にこんないいお茶出さなくていいですよ」
「いやいや、お前のお陰でこうして平和に過ごせてるんだからこれでも足りない位なんだよ。残念な事にこの辺じゃこれ以上の品が手に入らないんだけどな」
「そんなに気を使わなくてもいいですよ。今まで通りに付き合って頂けたらそれで充分ですって」
「そうかあ~?お前がそれで良いって言うならそうするか」
「俺等もその方が気楽だし?」
「偉ぶらない所も素敵よねぇ~・・・・・」
「ほんと、何処かの誰かさんとはえらい違いだわ」
「ん?誰かさん?何かあったんですか?」
「まぁちょっとな。パンドラさんが解決してくれたからもう大丈夫だと思うが」
「とち狂ってパンドラさんに掴みかかるとか意味解んねぇし」
「なんか変な事言ってたし、頭いかれてるとしか思えねぇよな」
「掴みかかる?変な事?えっと、もう少し詳しく教えて貰えます?」
「ああ、構わねぇけど・・・・・」
こっちの世界でパンドラさんが掴みかかられた事に違和感を感じてブルートさん達に詳しく教えて貰う事にしたんだけど、どうやらまた転生者が居たらしい。
ブルートさん達もはっきりとは覚えていなかったが、ラスティスとか言う人が聞いた事の名を名乗ったとか、パンドラさんがお前もかとか言っていた事からおそらくはパンドラさんに恨みを持つ者が転生していたと思われる。
流石にここまで来ると転生って意外とあるもんなんだなんて暢気な事を言ってられない気がする。僕とライラに続いてアスタル陛下が確定で、ベルさんとイリスちゃんがパンドラさんの関係者だったとしたら?不自然だ、余りにも不自然過ぎる。何か大きな力が働いているとしか―――
「ど、如何した?何か拙い事にでもなってんのか?」
「あ、いえ、大丈夫です。ちょっと気になっただけですから」
「そ、そうか。それで今日は何の用で来たんだ?まぁ、唯遊びに来てくれたってだけでも嬉しいんだけどな」
「あ、そうでした。今日は師匠の娘のスズカさんと婚約したって言うのと、就職が決まったのでその報告に来ました」
「おお!そいつは目出てぇな!!」
「ええ!そんなぁ・・・・・」
「ハハハハハ!マリエラ、残念だったな!」
「お師匠様の娘さん相手じゃ敵わねぇしな」
「済みません。僕とじゃ歳も合いませんし、ケインさんかメンディさんじゃ駄目なんですか?」
「え・・・・・二人とは兄妹?って言うか付き合いが長過ぎて恋愛感情は湧かないかな?」
「だよなぁ・・・・・」
「この町に来て直ぐ組んだから、もう八年になるしなぁ・・・・・」
「マルス君、マリエラは結構惚れっぽいから気にしなくていいわよ。どうせ直ぐ次の相手見つけるから」
「そうなんですか?」
「ちょっとメイリー!余計な事言わないでよ!」
「あら、ほんとの事じゃない」
「ちげぇねぇ!」
「「「「「ハハハハハ!」」」」」
この後はブルートさん達の昔話で盛り上がり、結局師匠の家に戻ったのは翌日の朝食を食べた後で、ちょっと膨れたスズちゃんに出迎えられたのだった。いや、ごめんて。
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ウーノス、データ解析の進捗状況は如何だ?
申し訳ありません閣下・・・現在の進捗状況は十三パーセント程となっております
その機材を使っていてその程度なら仕方あるまい。それよりも解析漏れの無いように頼むぞ
はい、お任せ下さい
しかし・・・こ奴は本当に人間なのか?
はい、生物学上は人種となっております
ふむ・・・少々懸念事項が増えたが問題無かろう。引き続き解析の方を頼む
畏まりました
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「「いってきま~す」」
「あんま遅くなるんじゃねぇぞ」
「は~い」
スズちゃんと二人で街へと出かけた。明日から仕事で領主館に住む事になってるから今日は一日スズちゃんと過ごす事にした。まぁ家が出来るまでは二、三日置きに帰って来るつもりなんだけどね。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




