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「いい加減にしねぇと営業妨害で衛兵呼ぶぞ!!」
「なんだ?何の騒ぎだ?」
「パ、パンドラさん!良く来て下さいました!」
「戴した事じゃないのでお気になさらず」
「・・・ぁ・・・・・うぁ・・・ぅ・・・・・」
「なんだ、このエルフ?頭抱えて唸り始めたけど?」
「パンドラさんが気にするような事じゃないっす」
「こいつがメイリーに絡んでただけなんで・・・おい、ラスティス、出て行かないと本当に衛兵呼ぶぞ」
「おい・・・聞いてんのか?」
「・・・・・ぁ・・・き、貴様あああぁぁあぁぁぁ!!」
「うおっ!なんだこいつ行き成り飛び掛かりやがって」
「逃げるなパンドラ!!貴様だ!貴様のせいで私がどれ程の目に遭ったと思ってる!!」
「は?何言ってんだ、初対面だろ?俺はお前の事なんて知らねぇぞ。言い掛かりは止めてくれ」
「ふざけるな!!私の事を忘れたとは言わせんぞ!!このライオネル・ベルトラムの事をなぁ!!」
「なっ!お、お前も転生してたのかよ・・・・・」
「・・・・・あ?・・・て、転せ・・・・・ぉ・・・ぁああぁああぁぁぁああぁぁぁ!!」
「お、おい、大丈夫かラスティス・・・ラスティス?」
「・・・ハァ・・・ブルート、こいつは俺が連れて行くが問題はあるか?」
「え?いや、寧ろメイリーにちょっかい掛けてたんで居なくなってくれた方が助かるけど・・・その~・・・・・」
「心配すんな、殺しゃしねぇよ。二度とここに来る事は無くなるけどな」
「そ、そうですか・・・・・その、宜しくお願いします」
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「あ、そうそう、頼まれてた料理出来てるよ」
「あ、有難う御座います、ライエルさん」
夕食の席でライエルさんに頼んでおいた料理が出来てると言われ、食後に受け取る事に。領主様達喜んでくれると良いなぁ。
「・・・・・あの、マルスさま・・・またてあわせしていただけますか?」
「ん?僕は構わないけど、せめて槇嶋流の師範が取れる位になってからの方が良いかな?実力に差が有り過ぎて得られる物が少な過ぎると思うし」
「イリスちゃんは筋が良いから、十年も掛からないんじゃないかな?毎日真面目に取り組めばだけど」
「・・・じゅうねん・・・・・はい、わかりました。あしたからもごしどうよろしくおねがいします、スズカさま」
「うんうん。明日からも頑張ろうね」
う~ん、何か気になるな。焦っている訳じゃないんだろうけど、転生者だからなぁ・・・前世で何かあって強さを求めてるんだと思うんだけど、それが何か解らないし、今世に如何繋がるのかも解らないしなぁ・・・・・やっぱり様子見が正解か。
「それで、明日は如何すんだ?挨拶回りとか言ってたけど」
「実家の方と、後もう一つ行っておきたい所が有るので明日は帰って来られないかもしれません・・・・・スズちゃん、浮気とかしないから睨まないでくれる?」
「む~・・・だって、せっかく帰って来たのに・・・・・」
「その分明後日に埋め合わせするから許して」
何だろう・・・前世でライラがヤキモチなんて焼いた事無かったし、これはスズちゃんの性格になるのかな?まぁこれはこれで新鮮だし可愛いから良いか。
「えへへ・・・一緒に寝てもいい?」
で、夜中に僕の部屋に枕を抱いた寝間着姿のスズちゃんがやって来た。
「・・・・・いや、一緒に寝るのは良いんだけど、師匠は気が付いてるからしないからね?」
「あぅ・・・解った・・・・・」
スズちゃんは僕の隣に潜り込むと右腕に抱き着き、暫くすると寝息を立て始めた。
前世でもこうして二人で良く眠ったけど、少し離れた所から不穏な気配は感じなかったなと溜息を付いた。師匠・・・嫌だったらスズちゃんの事止めたらよかったのに・・・あ、もしかしてマリーさんに邪魔するなとか言われてるのかな?
結婚をあっさり認めたのもマリーさんの助力が有ったのかもと、心の中でマリーさんに感謝した。人の事は言えないけど、師匠でも惚れた女には勝てないんだなぁ。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




