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 転移で聖都の北門前に着くと、防壁の上に集まっていた衛士隊の方達に敬礼で出迎えられた。


「英雄達の御帰還だ!開門!!」


「「「「「ハッ!」」」」」


 ラインハルトさんの号令で北門が開き聖都に入ると宮殿までの道に大勢の人達が集まっていて拍手と歓声に囲まれ、ラインハルトさんの先導で宮殿へ向かった。


 何か歓声の中に『マキシマ一門』とか聞こえるんだけど・・・僕とスズちゃん以外は違うんだよなぁ。


「あ、ラインハルト、この槍返すぜ。助かったわ」


「ああ、役に立ったのなら良かった」


 フォルマ姉さんがラインハルトさんに槍を渡す。見た事あると思ったらラインハルトさんの物か。何度か演武を見せて貰ったからそれで見た事が有ったんだな。


「それじゃあたしはこっちだから」


「何だよお前も来りゃいいじゃねぇか」


「嫌よ、何時までもこんなかっこしてられないでしょ。目立ってしょうがないじゃない」


「もう手遅れだと思うぞ」


「ベルフォード、報酬は決まり次第持って行く」


「別に要らないわ。じゃぁね」


 ベルフォードさんが右に道を逸れた。アルバート商会に行くんだと思うけど、あの格好で街中を往復した時点で手遅れだと思う。


 北と東の神殿の間にある門を抜けて宮殿へと向かうと、入り口の前に皇族方や貴族達が並んで出迎えてくれた。


「皆様お疲れでしょうし、お茶でも飲みながら報告を聞きましょうか」


「待ってくれ。今回の件は俺の甘さが生んだんだ・・・済まなかった。全て俺の責任だ、今回掛かった経費と報酬は全て俺が払う、幾らでも請求してくれ」


「「「「「えっ?!」」」」」


 その場に居た全ての人が驚き、パンドラさんに視線を送った。まさかこの人が深々と頭を下げるなんて思ってなかった。


「い、いえ・・・パンドラ様には・・・・・あ~、その辺も含めて落ち着いて話の出来る所へ向かいましょう」


 聖下が戸惑いながら屋内へと入るように促した。パンドラさんの事を知らない人もいるし、この場で話せない事も有るからなぁ。


*


*


*


「只今戻りました」


「無事で何よりだよ、ベルフォード君。さて、先ずはそれを外そうか」


「はい。お陰で助かりました・・・これが無かったら途中で疲れ果てていたかもしれません」


「いやいや、良いんだよ。君がこれを着て出歩く事でうちの良い宣伝になったからね」


「は?」


「いや、君が出て行って暫くしてから『あの鎧は何時売り出す予定ですか』と冒険者から問い合わせが有ってね。今は試験段階だから、もう暫くお待ち下さいと言って断ったんだが・・・・・取り敢えず使用感等の報告書を来週までに出してくれたまえ」


「・・・はい・・・・・」


「上手く行けばガルバデス様を通して衛士隊に採用されるかもしれないしな・・・クックックッ・・・・・」


「・・・・・この人が商人だって事忘れてたわ・・・・・」


*


*


*


 応接室に通された僕等は皇族の方々と向かい合って座り、出されたお茶を飲んで一息ついてから話し始めた。


「さて、さっきも言った通り今回の件は全て俺の責任だ。迷惑を掛けて本当に済まなかった」


「頭をお上げ下さいパンドラ様。あれは災害のような物だと思っておりますから。それにパンドラ様にはオクタヴィス領の件での恩も返せておりませんから我々が何かを要求する事は御座いません」


「いや、そう言う訳には行かないだろ」


「おい、パンドラ、あれは不幸な事故って奴だ。五百年も前の事は今の俺達には降って湧いたような話で関係ねぇんだよ。それに、そんな事を言い出したらバクスターを生かしておいた俺やハインリヒの責に・・・・・あっ!」


「ど、如何なさいました、ジン様?」


「あ~・・・バクスターの奴が言ってたんだけどな、ロードルデルフの王都が無くなっちまってるらしいんだよ・・・・・」


「ああ、そんな事言ってたな」


「マジかよ・・・・・」


 恐る恐るパンドラさんが取り出したタブレットの画面に映し出された物は、瓦礫の一つすら無い焼け焦げた大地だけだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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