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 来て早々領主様のご子息二人に何か企んでるんじゃないかと疑われたけど、一応は納得してくれたみたいで今は食事をしながら歓談をしている。話し相手は主に領主様とマーガレットお嬢様だ。


「まぁ!それでは南の山脈を超えてメルクリウス聖皇国からいらしたのですね?まさかあの険しい山脈を超えて来る事の出来る方がいらっしゃるなんて思いもしませんでしたわ」


「うむ、流石としか言いようが無いな。過去にあの山脈を超えて来た者など聞いた事が無い」


 僕的には険しいなんて事は無かったけど、普通はオーガでも厳しいのかもしれないな。なんて自分と一般的な常識の差を感じていた。


「と言う事は、マルス様はメルクリウス聖皇国の貴族と言う事でしょうか?」


「あ~、いえ、家名は有りますが、うちは貴族では無いんです」


「「「「「えっ?!」」」」」


 領主一家だけでなく、使用人達まで目を見開いて動きを止め驚きを顕わにした。あれ?そんな驚く事かな?


「き、貴族では無い・・・・・」

「とてもそうは見えんが・・・・・」


 う~ん、一応説明しておいた方がいいかな。


「うちの父は役所の事務員なんです。国の要人等に会う機会の多い職場なので僕も幼い頃から言葉使いや作法を教え込まれたのです。まぁ大昔に伯爵だった名残でも有りますけど」


「元伯爵家・・・成程それでか・・・・・」

「そう言う訳か・・・・・」


 なんかベルモンド様とデカルド様がぶつぶつ言いながら考え込んでるけどなんだろう?


「・・・・・マルス殿、使徒殿が其方の弟子入りを認めた経緯を聞かせて貰えるか?」


「弟子入りした経緯ですか?」


 そんな事聞いてどうするんだ?


「ああ、ボーロ達の話では直弟子は其方以外に居ないと言うではないか。使徒殿は余程の理由が無ければ直弟子は取らないとも聞いたのでな」


 ああ、そう言う事か。え~っと、パンドラさんの事は上手く暈さないと。


「僕の父の上司が師匠の友人で、僕に武術の才能が有るからと紹介してくれたのが切っ掛けです」


「そうか・・・使徒殿が認める程の才能が其方に有ったと言う事か・・・・・」


「お幾つの時に弟子入りなされたのですか?」


「師匠にお教え頂いたのは五歳から十歳までの五年間で、それから三年間の修行を経てから皆伝を頂きました」


「まぁ!幼少期に八年も!私はその頃は遊んでばかりいて恥ずかしいですわ。それで、マルス様はこの国にはどの様な目的でいらしたのですか?」


「え?目的ですか?いえ、ただ修行の旅の途中で立ち寄っただけですけど」


 お嬢様の会話のテンポが速くて答えるので精一杯だよ・・・変な事言わないように気を付けないと・・・・・


「旅の途中・・・お父様、お母様、マルス様に街を案内して差し上げたいのですけれど宜しいでしょうか?」


「む・・・暫く滞在するのだし、街の案内は必要か・・・だが・・・・・」

「あら、宜しいのではなくて?私達は公務が有りますし、お客様を一人で出歩かせる訳にもいきません。それに、マルス様となら護衛の必要ないでしょうし」


「そうか・・・そうだな。マーガレット、マルス殿のお相手を頼む」


「はい!マルス様、明日は宜しくお願いしますね」


「え?あ、はい」


 完全にお嬢様のペースに飲まれて口を挟む間もなく明日の予定が決まっちゃったよ。まぁ街の散策はするつもりだったしいいか。


 食事を終えて部屋に戻る前に厨房へ案内して貰ってタイラントボアを料理長さんに渡してきた。


「解体は大変かと思いますが、バレリー家の皆様に味わって頂きたいので腕を振るって頂けますか?」


「あ、ああ・・・勿論だとも。今の私に出来る最高の料理をお出しすると約束するよ」


「宜しくお願いします」


 料理長に頭を下げてから部屋へと戻った。皆喜んでくれるといいなぁ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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