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「そうだ、余興にトロールを見せては貰えぬか?解体前のトロールなど見た事の有る者は少ないであろう?」


「僕は構いませんが、女性もいるこのような場で余りお見せするような物だとは思えませんが、宜しいのでしょうか?」


「む・・・確かに大型の魔物の死骸は女性には刺激が強過ぎるか・・・・・」


 領主様との取引も問題無く終わり、何気ない歓談を楽しんでいた時だった。


 見せられない理由が他にあるのでは?


 持ち歩けるような物ではありませんしな


 複数の魔物を繋ぎ合わせた偽物だとか?


 なんて、クソつまんねぇ陰口が聞こえて来たのは。


「誰だ!マルス様を馬鹿にする事はこの私が許さんぞ!」


「あ~、言わせておけば良いんですよボーロさん。所詮は負け犬の遠吠えです、聞き流して下さい」


「いや、使徒殿を尊敬する私としてはその弟子である君を侮辱する発言は聞き流せんな。今下らぬ口を叩いた者は名乗り出よ!さもなくばこの場に居る商人全てを不敬罪で罰してくれるぞ!!」


 言いたけりゃ言わせておけば良いと、騒ぎにする訳にはいかないと思ってボーロさんを止めたけど、領主様は許せなかったか・・・・・仕方ない、売られた喧嘩位自分で処理しないとな。


「あの、領主様・・・少々失礼致します・・・・・おい、俺が気に入らねぇってんなら今直ぐこの場で掛かって来いや!十四の小僧相手にこそこそと陰口を叩く事しか出来ねぇ腰抜け共が!!」


「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」


 俺の放った啖呵に静まり返る一同。


「真羅流師範の〝力〟舐めてんじゃねぇぞ!貴様と貴様と貴様だ!ばれてねぇと思ったら大間違いなんだよ!てめぇらのクセェ息がここまで臭ってきてんだ!目ぇ瞑ってたって丸解りなんだよ!!」


「「「ヒッ!」」」


 軽く殺気を放ち指をさし、短い悲鳴を上げて腰を抜かした商人達に一歩ずつ近寄って行った。


「どうした!掛かって来いや!てめぇら真羅流に喧嘩売っといて無事で済むと思ってんじゃねぇだろうな?俺には金の力なんざ通用しねぇぞ!自ら死を選びたくなる位に痛め付けてやるから覚悟しとけや!!」


「そこまでだ!マルス殿、其方が手を汚す事は無い。衛士隊!其奴等を捕縛せよ!」


「「「「「ハッ!」」」」」


 自分でケリを付けるつもりだったが領主様に止められてしまった。領主様に謝らないと・・・・・


「・・・僕が甘い対応をしたばかりにご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした・・・・・」


「其方のせいではない。町長、あ奴等の自宅と商会の捜査をせよ。性根の腐った奴等だ、悪事の一つや二つでは済まんだろう」


「畏まりました。直ぐに手配をして参ります」


「商業組合も資産の凍結等の手配をしておきましょう」


「うむ、宜しく頼むぞ」


「はい、確かに」


 町長と支部長が広間を出て行く。この日の夜に行われた一斉捜査で発覚した不正取引により後日八つの商会が潰れる事になった。


 そして、その中の商会の一つ、ロールズ商会と繋がっていた奴隷商の存在が明るみに出る事になる。メンデルが孤児達を生かさず殺さず端金で使っていたのは善意からではなく、奴隷商との取引からだった。生きて行くには自ら奴隷に身を落とすしかなくなるように、と言う訳だ。


 メンデルは『子は国の宝』と言い切った領主様の怒りを買い、関係していた五人の商会員と裏取引をしていた奴隷商と共に極刑に処されたが、この事をナック達に知らせるつもりはない。偽りの親切でも彼等にとって助けになっていたのは事実なのだから・・・・・

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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