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 僕達が商業組合に入ると中に居た商人達が此方を向いたが直ぐに興味を失って元に戻った。まぁ、こんなもんか。


「さて・・・・・何方か僕と取引をして頂ける方は居ませんか!!」


 僕が大声を張り上げると商人達だけで無く、カウンターの奥に居た職員達までがぎょっとした表情をして固まり、少ししてから笑い声が室内に響いた。


「ははははは・・・坊や、ここは遊び場じゃないんだよ。仕事の邪魔になるから外に出なさい」

「うむ。大体君と取引をする事は私達の利になる所か不利益でしかないのだよ」

「さあ、早く出て行きなさい。ここは君のような子供が来る所では無いんだ」


「クックックッ・・・どいつもこいつも予想通りの反応で笑っちまうぜ。所詮は田舎町のしがない商人って訳だ。今からあんた等全員を後悔させてやるよ」


「おやおや、言うじゃないか。薄汚い孤児が私達をどうやって後悔させると言うのかね?」

「私は君の方が後悔する事になると思うが?」


「そこの職員の方、僕の登録をお願いします。それと、ここの支部長に取次ぎを」


「は?あの、登録の方は十三歳からですが、お歳の方は大丈夫ですか?それと、支部長でしたらご予約の無い方との面会はなさいませんが・・・・・」


「歳の方は十四歳ですので大丈夫です。それと支部長の方にはトロールを丸ごと買い取って欲しいとお伝え下さい」


「「「「「えっ?!」」」」」


「こ、こちらにご記入をお願いします!誰か!支部長を直ぐに連れて来て!!」


「馬鹿な!トロールを丸ごとだなんてはったりに決まってる!」

「そ、そうだ!大体貴様のような孤児が如何やってトロールを用立てたと言うのだ!」


「僕は孤児じゃありませんし、何より貴方達にはもう関係ない事でしょ?人を見ためだけで判断した時点で貴方達は商人失格ですよ、一生後悔して下さい」


「孤児じゃない?嘘を付くな!」

「クッ!た、たかがトロールの一体位で図に乗るなよ小僧!」


「誰が一体だなんて言いました?全部で八体持ってるんですけど?他にはオーガとかタイラントボアなんかもありますけど?」


「「「「「なあっ!!」」」」」


「あ、そうそう、貴方達はメルクリウス聖皇国の『エデン商会』って知ってますか?その商会を作ったのも商会員達も全員孤児ですけど、知ってましたか?」


「わ、私は聞いた事があるぞ・・・あの『使徒』でドラゴンスレイヤーのジン・マキシマが作った商会だと・・・・・」


「ですです。因みにそのジン・マキシマと初めて取引をした『バート商会』は今じゃ聖都で知らない者は居ない位の大商会になりましたよ。代表のバートさんって方はとてもいい方で、貴方達のように孤児だからとか差別なんてしませんからね」


「あ・・・お、いや、君はもしかしてジン・マキシマの縁者・・・なのかい?」


「ええ、彼は僕の師匠です」


「「「「「なんだってえええぇぇぇぇ!!」」」」」


「ですが貴方達には関係の無い事ですので悪しからず。それじゃ職員さん、支部長の所に案内・・・して頂けますよね?」


「は、はいいいぃぃぃ!!」

「どうぞこちらへ!応接室へご案内致します!!」

「直ぐにお茶をお持ち致しますので少々お待ち下さい!!」


 師匠の名前を出すのはちょっと狡いかなとは思ったけど、使える物は何でも使っていかないとと、登録を終えて会員証を受け取って応接室に案内して貰った。


「・・・・・何だこれ・・・何でこんな事になってんだよ・・・・・」


「これ位で狼狽えないでよ。まだ始まったばかりなんだからさ。まぁお茶が冷めないうちに飲んじゃおう」


 ナックがソワソワキョロキョロと落ち着かない。まぁこんな装飾の施された部屋なんて入った事無いだろうし仕方ないか。


「すげぇ・・・こんな旨い飲み物が有ったなんて信じられねぇ・・・・・」


「これより旨いお茶なんて幾らでも有るよ。王侯貴族が飲む最高級からしたら戴した事無いって」


「・・・・・お前は飲んだ事が有ると・・・ほんと何もんだよお前」


「さっき言ったじゃない、ジン・マキシマの弟子だって」


「俺にはその人が誰かも解らねぇんだよ。凄い人だろうって事位しか・・・・・」


「ロードルデルフが始めた戦争を一人で止めた人って認識でいいよ」


「せ、戦争を一人で・・・・・ほんとに人間か?」


「ははは・・・勿論さ。僕は師匠より強くて優しい人間なんて見た事無いよ」


「そ、そうか・・・・・」


 ナックが手に持ったカップに視線を落とす。そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫だよ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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