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 六人の子供達に付いて行った先で見たのは結構な広さの敷地に建てられた二階建ての建物で、まぁ、あれだ、教会併設の孤児院・・・だったんだと思われる。


 崩れかけた教会っぽい建物の隣の元孤児院であろう建物には他に十人の子供が居た。


「兄ちゃんお帰り!」

「これ今日の分」


「おう、ただいま。ごくろうさん」


「その人は新しいお兄ちゃん?」

「そうなの?」


「まだ決まった訳じゃねぇよ。俺は話が有るからお前等はあっちで遊んでな」


「「「「「は~い」」」」」


 どの子も大体十歳前後で、一番小さい子で八歳位かな?大人は居ないのか、それとも仕事に行っているのかな?


「まぁ座ってくれ、俺の名前はナック。一応ここの責任者って事になるかな?」


「僕はマルスって言います。ここは元孤児院で大人は居ないって事でいいのかな?」


 院長室と書かれたプレートが付いた部屋でリーダの彼、ナックと話をした。


「ああ、三年位前から大人は居ねぇ。教会の本部、ロードルデルフに帰っちまったよ」


「ん?教会の本部ってメルクリウスじゃないの?」


「あ~・・・なんつったかな・・・よく覚えてねぇけど、昔戦争があって、その時ロードルデルフの教会の一番偉い奴が元凶だとかで、それ以降はメルクリウスの『教え』以外は別の宗教だ、とか偽物だとか?よく解らねぇけど。まぁ何にしても置いて行かれた俺達には関係ねぇよ」


 師匠が収めた戦争の事だ。僕も詳しくは知らないけど、大司教が精神生命体で国王を誑かして戦争を始めたとか聞いたな。


「ふぅ~ん・・・で、人手が必要とか言ってたけど、僕に何をやらせるつもり?僕は余り長い事ここに居るつもりはないよ」


「ん?行く当てでもあるのか?それとも悪さして追われてるとかか?だとしたらうちで匿う訳にはいかねぇけど」


「いや、単に旅をしてるだけ。この町には物資の補給に寄っただけなんだ。だから直ぐ出て行くつもりだったんだけど・・・場合によっては力を貸してもいい。困ってるんでしょ?主にお金に」


「ああ、だが誓って犯罪に手は染めてねぇ。尤も、食っていくのでギリギリで、今年の冬を越せるか解らねぇんだ」


 だろうね。寧ろ良く三年ももったと思う。


「ん~・・・・・普段は何の仕事してるの?後ここの家賃は如何してるの?」


「仕事は主に商会の荷運びと掃除だな。家賃は払ってねぇ。ここはまだロードルデルフの教会の物のままの筈だ」


 どうしよっかなぁ~・・・最後まで面倒みられないし、中途半端に手をだすべきじゃないんだけど・・・・・


「あ、そう言えば『あいつら』って何?僕の事手下かもって言ってたけど」


「ああ・・・奴隷商だよ・・・・・何人か売れば楽になるし、全員引き取ってもいいとかぬかしやがって・・・ふざけんなって追い返したんだが、しつこく何度も来やがってよ。攫われねぇように外に出る時は五人以上にしたり、近所の見回りもしてんだ」


「で、見回り中に僕に会ったと・・・・・」


 聞かなきゃよかった・・・・・いや、聞いてよかったのかもしれない。このまま出て行ったら一生後悔してたかもしれないし。


「何にしても俺達には金が必要なんだ。だからお前に声を掛けた。俺はまだ十二で冒険者登録も出来ねぇ。あんたは幾つだ?十三以上なら冒険者登録して稼いで欲しいんだ!頼む!あんたにそんな義理が無い事は解ってる!俺が十三になる半年後まででいいから俺達に力を貸してくれ!!」


 ナックがテーブルに手を付いて頭を下げた。弟妹達のためなら出来る事は何でもすると言う彼の姿勢に僕は力を貸す選択をした。


「頭を上げて。そこまでしなくても力になるから。取り敢えずお昼にしよう」


「すまねぇ・・・・・この恩は必ず返す・・・で、お昼ってなんだ?」


 昼飯食った事無いのかよ?!孤児院として機能してた時からって事?!


「ま、まぁいいや・・・取り敢えず調理場?厨房?どっちでもいいから案内して」


「は?何で調理場?飯は暗くなってからだぞ?そもそも買い物にも行ってねぇから何もねぇんだ」


 マジかよ・・・・・何も無いって、思ってたより逼迫した状況だったんだな。


 良いから兎に角案内してと、ナックの背を押し調理場へと向かうのだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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