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「うん?坊主一人か?親は如何した?」
「え~っと、僕一人ですけどダメですか?」
「いや、駄目ではないのだが・・・見た所家出か何かのようだが悪さするんじゃないぞ」
「はい、勿論です。それじゃ、失礼します」
「あ、ああ、入ってよし!」
門番さんに怪訝な顔をされながら門を潜った。子供一人ってのもだけど、手ぶらだし服もボロイからなぁ・・・・・
町の奥へと進んで行く。兎に角手持ちの魔物を換金出来る所を探さなくちゃな。
で、町中を歩き回って肉屋や防具屋に入ってはみたが何処も門前払いで話すら聞いて貰えなかった。みすぼらしい格好の子供一人なんて相手に出来ないってか?はぁ・・・改めてノルドやアブサラが変わってるんだと思い知らされたよ・・・師匠は一人で旅をしていた時は如何してたんだろ。
かと言って冒険者組合や商業組合で身分証を作ってそこから足が付くのは避けたい。パンドラさんは多分僕を探しているだろうし、出来れば邪魔されたくないんだよね。
「さて、如何したもんか・・・・・ぉ・・・魔力波?パンドラさんか・・・・・」
途方に暮れつつ町中の散策をしていると、遥か上空から魔力の波動を感じて慌てて建物の陰に身を潜めた。
「あんな強力な探査魔法使ってくるなんて何考えてんだよ・・・騒ぎになったらどうすんだ・・・・・」
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「どうだ?反応は有ったか?」
「言われた通りに山脈を中心に最大出力でソナーを使いましたが反応は有りませんでした。やはり衛星軌道上からでは個の判別は難しそうです」
「解かっちゃいたけどな。まぁ仕方ねぇ、あいつが自分から出てくるまで待つしかねぇか」
「では、通常探査に戻しますか?」
「ああ、反応が有ったら教えてくれ」
「「はい」」
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「・・・・・諦めたか、それとも見つかったか・・・・・」
一度きりなのが気になるが、見つかって無いと思いたい。かなりの大出力だったし、気が付いた人も多いと思うけど、騒ぎになる事を気にする人じゃないし、連続で使えないか見つかったか諦めたかのどれかか。
今は隠蔽魔法以外で魔力は使っていない。それこそ師匠以外に僕個人を魔力で判別出来るとは思えないけど・・・パンドラさんだしなぁ・・・・・
建物の壁に凭れ掛かって上空を睨んでいたら路地の奥から人が出てくるのを感じて視線を送った。
「兄ちゃん見ない顔だな、新入りか?こんな所に一人で居たら何時刺されてもおかしくねぇぞ」
見た目十歳前後の男女が六人。その中で最年長と思しき十三歳位の少年が僕に声を掛けて来た。刺されてもって・・・う~ん、治安はよろしく無いようだ。
「御忠告どうも。まぁ僕の事は気にしないで下さい」
「そうもいかねぇんだ。この辺は俺等の縄張りなんで荒らされたくねぇのよ」
縄張り?こいつら何かの組織に属してて見回りでもしてるって所か。まぁ、碌な組織じゃなさそうだけど。
「その荒らすって言うのが何を指すのか解らないけど、騒ぎになるような事はするつもりはないから安心して」
「・・・・・妙な奴だな・・・お前、行く所が無いなら俺達の所に来ないか?」
「兄ちゃん何言ってんだ!」
「もしかしたらあいつ等の手先かもしれないじゃん!」
「それに一人増えた分の食い扶持は如何すんだよ!」
なんか仲間に誘われたけど如何するかな。なんか子分?達は反対みたいだけど。
「今俺達に必要なのは人手だ。使えなかったら追い出しゃ良いだろ。如何する?仲間になるか、出て行くか選べ」
「ん~・・・・・何をさせるつもりか知らないけど、取り敢えず付いて行こうかな」
「おう、それじゃ身体検査させて貰うから動くなよ」
「いいけど」
六人全員に取り囲まれて身体検査をされた。まぁ、犯罪組織だったら潰しちゃえばいいしな。
「何だお前、何も持ってねぇのかよ?!普通は銅貨一枚位は持ってるもんだぞ?!」
荷物は全部収納に入ってるんで。尤もお金が無いってのは変わらないけど。
「しゃぁねぇ奴だな。ま、付いてきな、俺達のねぐらに案内してやるよ」
「はいはいっと」
彼等の後に付いて路地の奥へと進んで行った。ねぐらかぁ・・・・・雨風が防げる所だと良いなぁ・・・・・
ここまで読んで頂き有難う御座います。




