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 テーブルの向かいに座るパンドラさんの眼付が鋭くなる。あれかな?モーリーさんに何を言われたのか問い詰める気かな?


「・・・・・ふむ・・・まぁいいか・・・お前、この先も〝お役目〟をやる気はあるか?」


「は?」


 予想外の問い掛けが来て変な声が出てしまった。てっきりモーリーさんとの会談内容だと思ってたのに。


「は、じゃねぇよ。実力は十分だし、やるってんなら今回のも含めて報酬は出すし、修行の旅の序に出来るようにもしてやるぞ」


「え、え~っと・・・その〝お役目〟に疑問があるんですけど・・・・・」


「疑問?なんだ?言ってみな」


「正直僕である必要なんて無いですよね?アレスさんやフォルマ姉さんである必要もですけど」


「ほう・・・如何してそう思う?」


「ディアナさんやミネルバさんもいますし、保護した精神生命体の方達もいます。何よりパンドラさん一人で十分なんじゃないですか?」


「まぁな。アレスは置いといても、フォルマはあいつが偶には暴れたいからってのが理由だしな」


「ん?アレスさんは?」


「あいつは俺の役に立っていたい、戦う事でしか俺の役に立てないって思ってんだよ。だからやらせてる・・・俺としちゃもっと自由に生きて欲しかったんだがな。で、お前は如何する?」


「遠慮しときます。って言うか、これからは自力で修業しますから手出し無用に願いたいんですけど」


「ほー、そりゃ如何言う理由でだ?」


 断らない方がおかしいと思うんだけど?


「いや、あんな戴した事無い人とか相手にしたって意味無いでしょ?あれじゃ修行になりませんって」


「クックックッ・・・そうかそうか。ま、そう言う事なら好きにしたらいいさ」


「・・・なんですか、その含みのある言い方は。そんなのに引っ掛かりませんからね」


「いやいや、騙そうとかそう言う気はねぇよ・・・まぁあれだ、悪いがジンの奴に余計な事言うなって言われてるから言えねぇのよ」


「は?何でそこで師匠がでて・・・ま、まさか師匠に―――」

「おう、ノルドでのスタンピードとその前後の動画を編集した奴をあいつんちで上映会をした」


「な、な、な、なんて事してくれてんですか!!」


 最悪だ・・・絶対討伐後の宴会の所も見せた筈だ・・・・・


「何か問題があるか?あんな不完全な技見られたってどうって事無いだろうに」


「いや、そうじゃなくって・・・・・」


「ほ~、他に見られて困るような事なんてあったかなぁ~・・・クックックッ・・・・・」


 クソッ・・・絶対解ってて言ってる。なんて底意地が悪いんだ。


「もういいです!兎に角これからは自分だけでやって行きますから余計な真似・・・じゃなくて、一切手は出さないで下さいね!!」


「へいへい、解ったよ。で、他に言いたい事は有るか?」


「あ!り!ま!せ!ん!!それじゃ、失礼します!!」


 必ず見返してやるからなと、パンドラさんを一睨みして部屋を出て自宅へと向かった。


「ただいま~」


「お帰りなさい、マー君。予定より遅かったからお母さん心配しちゃったわ」


「・・・母さん・・・マー君はやめてって言ったじゃん。僕もう少しで十四になるんだからさ」


「良いじゃない、マー君はマー君なんだから。それよりもお母さん気になる事が有るのよ」


「・・・ハァ・・・気になる事ってなに?」


「マー君は右に座ってた子と左に座ってた子のどっちが好みなのかなって」


「は?えっ?右?左?・・・それって・・・もしかしてノルドの町での・・・・・」


「そうそう、どっちも可愛い子だけど片方はエルフだったし寿命とか合わないかもしれないじゃない?年上だけどお嫁さんに迎えるならもう片方の子の方が良いんじゃないかなってお母さんは思うの」


「・・・・・ぱ」


「ぱ?」


「パンドラアアァァァ!!何してくれてんだお前はああぁぁぁ!!」


「あらあら、駄目じゃないパンドラ様にそんな言葉使いしちゃ」


「ちくしょおおぉぉぉ!!」


 叫び声をあげて自室に駆け込み鍵を掛け、ベッドへ飛び込んだ僕は昼食も摂らずに父の帰ってくる夕方まで悔し涙で枕を濡らしたのだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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